もぎたて☆フレッシュ！　～どんぐり農園の愉快な果物狩り～｜リアクション

もぎたて☆フレッシュ！　～どんぐり農園の愉快な果物狩り～

　五月と優芽、それぞれ武道の葡萄を頬張りながら、経緯を聞いた。
　浅黄色の果肉がみずみずしい。ワインのような豊潤さだ。
　武道も五月の柿と、優芽の苺を頬張った。

「バトルばかりが果物じゃない」という武道の推論は、ズバリ当たっていた。
　五月、優芽ともに、この状況をひたすらエンジョイする、エンジョイ勢である。

「皆さん、いろんな果物になってしまったようですね」優芽、考え込んで「これは、お互い仲良くおすそ分けし合ってみるのも、いいかもしれません♪」
「おすそ分け……」
「私、フルーツは大好きなんですよ♪」

　フルーツの甘さ、酸っぱさは自然のもの。
　口の中が刺激され、元気になれる気がする。

「みんなでフルーツを食べ、フルーツフレンドになりましょう！」
「ＨＡＨＡＨＡ！　いいねえ！　フルーツフレンド！」武道が笑い声をあげる。

　というわけで、果物の食べ合いがスタートしたのだった。

　葡萄の気になる女子二人に「喜んで！」と、葡萄を一粒もぐ。
「ハイドーゾ！」
　お返しに、柿と苺を受け取る。

　バトルにそぐわない、和やかな時間が過ぎた。　

　ちなみに、武道の判定結果は『甘柿』であった。
　地味に出番を奪われたミラクルフルーツ。心なしか悔しそうである。

　果物を食べ、フルーツフレンドとして一致団結することにした一同。
　そうすると気になるのは、倒れたままの、ねむるとフィーナ。
　か弱いフィーナに、ショックの大きいねむる。
　ダメージは大きいのかもしれない。

「せめて、体力は回復させないと……」望春が言う。

　その時、背後から声がした。

「バナナを食べれば……元気になるわ」