【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

「海美ちゃん、ハッピーハロウィン！　お揃いなのだ！　……寒くないのだ？」

　真央は早速出会った小島海美と挨拶を交わす。
　見れば海美は浴衣姿で狐のお面を被っている。

「ちょっとはだざむいけど、大じょうぶ。じんじゃでハロウィンだから、わふうにしてみたよ。
　これだと、おばけの人とまたあえそう！　こわいおばけだったらやだけど！」

　かつての騒動を思い出して海美は言った。
　
「みんなもいろんなおばけになっててすごいけど、本ものはいないかなー……ざんねん！」

　海美は周囲のコスプレ参加客を見て言う。どうやら今回は大騒ぎになる様な事は起こらないようだ。

「あっ、こまねこさんだ！」

　海美は早速、コスプレ集団の中から今日の目当ての一つでもある狛猫さんを見付けだした。

「こまねこさん、こんにちは！　なにもってるの！
　えっ、けんこうちょうじゅ？　じゃあ207才まで生きれるようになる！？
　あのね、わたし200年ごにタイムカプセルほらなくちゃいけないから、それまで生きてなきゃ！」

　海美の突拍子もない話に狛猫さんは答えに困ってしまうが、とりあえず大丈夫とアドリブでサムズアップを返す狛猫さんであった。

「んー、でもあめだけじゃふあんだし、おさいせん入れてかみさまにもおねがいしよう！」

　海美は神社の本殿の前の賽銭箱のある所へ行くと、お賽銭を投げいれ、パンパンと手を叩く。

（これからもふしぎでたのしいことがたく山できるように……）

　その願いはあくまで純粋で純真だった。神様が本当に居るならばきっと叶えてくれるのではないだろうか。そう思えた。

「それじゃみんなのとこにあそびにいこっと！
　修おにいちゃんやまおちゃんもいるし、小学校のおにいちゃんおねえちゃんもいる！
　いくよ、こんこーん！」

　振り返った海美は元気よく駆けだした。