【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

「ハロウィンと言えば西洋のお祭りだけど、形や意味合いは違えど
　日本でもハロウィンをやるようになるとは、時代も変わってきたんだなって思うな」

　肩出しトップスのコーデに猫耳尻尾の簡単な黒猫コスをした北原みゆきが何気なく呟いた。
　みゆきはハロウィンパーティーのスタッフ募集に応募し、今日はコスプレ姿で子供たちにはちみつ飴を配っている。
　大勢の人出に本当に時代の変化を感じるとみゆきは思った。

「ところで、今日の祭りで気になったのだけど、何で狛犬じゃなくて狛『猫』なんだろう？
　普段は気にしていなかったけど、なにか由来があるのかな？」

　ふと疑問に思ったみゆきは、そんな質問を寝子島神社の巫女である舞に投げかけてみた。

「そうね……狛猫の言い伝えは諸説あって、これだという明確な説ははっきりしないんだけど……」

　答える当の舞は今日はその狛猫の扮装をしている。　
　
「昔々、この寝子島神社が出来た頃、神社の創始者さまの飼ってた猫が、傍で手となり足となり、何かと創始者さまを手助けしたらしいの。
　それが、狛猫の由来だという説を昔おじいちゃんに聞かせてもらったわ……」

「ふうん、創始者さまのお供ねぇ……なんだか桃太郎みたい」

　二人は顔お見合わせてふふと微笑した。
　気が付けばコスプレ行列の方が何やら騒がしい。
　様子をうかがうと、知り合いの真央が

「リア充爆発！　うへへへ」
　
　と暴れているようだ。もちろんハロウィンの余興に合わせた遊びではあろうが、暴走し過ぎてもかなわないと、みゆきははちみつ飴でも食べさせれば真央の気も落ち着くだろうかと考えていた。