餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　――綾辻綾花さん！

「断れなさそうな人を選んでるー」
「横暴だ、おーぼー」
「おしつけはよくないとおもいまーす！」

　だれも闘将になろうとはしなかった。
　唇を噛む一同。
　たしかに、誰も積極的に闘将になろうとする人間はいない……。
「『餃子の闘将』！　カッコいいよな！」

　いた。

「強そうだよな！」目をキラキラ輝かせる三夜。「私の女子力（物理）のために、その称号いただくぜ！」
　まあ、そういうことなら……。
　無難に禅譲して、ことを済ませようとする瞬間、修が気づく。
「ちょっと待て。女性が『餃子の闘将』になると……」

　女性の将軍が誕生する。

「『餃子の女将』！」

　まさかの「おかみ」見参であった。

　そうなると、話は違ってくる。
　候補は他にも現れる。
　オカン……ではなく、おかみ属性の高い満月。
　ゆくゆくは『猫島軒』おかみとなるはずの華菜子。
　
「良妻賢母型の綾花ちゃんも捨てがたい……」
「三夜のところの娘に、尻に敷かれたい……」

　ひそひそと話し始める男性陣。
　品定めをされている女性たちの怒りヴォルテージはマックスである。

　――さっさと『闘将』決めませんか？

　誰かがそういった瞬間、刀が叫んだ。

「俺が餃子の闘将だ！」