餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　そうこうしているうち、一同の目は自然にはす向かいの満月のところに向かう。
　鉄板相手に荒れ狂う満月。お好み焼き、餃子の嵐に一歩も引かない。

「他の店の餃子も、食べ歩きしよう」

　うさぎ屋出張店に向かう。

　特製海鮮餃子とお好み焼きを食べる一同を見て、にやりと笑う満月。
　まだまだ、特上のサービスはし足りない。
「お次は、ミニピザだねぇ」

　皿の上に載せられた、餃子の皮のピザが配布される。
「まあ、こっちで焼いて提供しても良いけどさ、それだと面白味がないしねぇ」
　お客との共同作業も、料理の内。

　鉄板に載せると、ケチャップの甘い香りが立つ。
　コーンはお好み焼きの具を使用。細かく切られたピーマンがあしらわれ、見た目にもキレイ。
　チーズがとろりととろけると、甘い匂いが立った。
　実に精巧なつくりのピザである。

「……ふぅん、チーズでもう一品できるかねぇ？」
　何かひらめいた満月、皮とピザチーズを取る。
　くるくると棒状にし、フライヤーの中で油を掛けつつ揚げ焼き。
　餃子チーズロールの完成である。
　さっくり切ると、中からチーズがとろけ出す。
「ありゃりゃ、ピザ用のチーズじゃとろけ過ぎちまったね……」
　満月はプロセスチーズを手に取り、あっという間にもう一品。
「……ふむ、いい感じになったね」
　濃厚なホワイトソースのようなプロセスチーズを見て、歓声があがった。
　
　――ちなみに、ウチはいつもニコニコ現金払いだからねぇ？
　人心地ついた一同に、満月からそっと告げられる。
　一同の顔が青ざめる。
　結構食べてしまった。安くて多いのうさぎ屋だが、流石にここまで飲み食いすると……。
　
「払えない奴は……皿洗いでもしていってもらおうかねぇ？」
　満月が、ニタリと笑みを浮かべた。