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秋の読書週間
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「失礼しましたっ!」
終礼のチャイムが鳴り、足早に職員室へ向かった
綾辻 綾花
は目的の鍵を握りしめて図書室へと向かう。
鍵が職員室にあったということは、まだ3年生のHRは終わっていないのだろうか、と一度立ち止まって窓ガラスに映る自分の姿を確認し、髪や制服を整える。今は『秋の読書週間』だ、利用者も少しだけ多くなっているので、図書委員としておかしな格好は出来ない……というのは建前で、じきにやってくるだろう人を思ってのことだ。
(仕事はたくさんあるだろうけど、合間に……)
小さく笑って我に返り、図書室を目指す。幸い、扉の前で待っている生徒はいなかった。
カウンター周りを確認して、返却されている本が数冊残っているのが目に入る。昼休みにギリギリ駆け込んで返却されたもので、棚に戻す時間がなかった本たちだ。
念のため貸出カードを再確認して、本を戻していると静かな図書室の扉が開く音がした。
つい肩が跳ね、少し期待を抱いて本棚の影から扉のほうを見遣る。そこには緑のコートを着た小柄な女の子が立っていた。
「おお、一番乗りではなかったか……もしや、貴様も図書委員か?」
「はい。……あ、もしかして最近委員会に入られた方ですか? 私は図書委員の
綾辻 綾花
です」
「ふむ、綾花殿か。儂は
大田原 いいな
じゃ。これからよろしく頼むぞ」
簡単な挨拶を済ませれば、次第と廊下が賑わう音が聞こえる。他のクラスもHRが終わり、読書や中間テストに向けて勉強をしに来てくれたのかもしれない。どんな形であれ、利用者が増えてくれるのは嬉しい。
「綾花殿、儂はかうんたー前の季節本配架をしようと思うのだが、はろうぃん関連で良いかの?」
「そうですね、ぜひお願いします」
いいなはカウンターの影に鞄を置くと、手慣れた様子でカウンター内に置かれた書類に目を通す。二年生、三年生の貸出記録を確認すれば、この時期に人気の作品傾向がわかるというもの。この手際の良さは、中学時代に図書委員をやっていたおかげかもしれない。
そうして次に入ってきたのは
御剣 刀
と
橘 千歳
だ。聞こえてきた男性の声に、思わずいいなはカウンターの下に潜り込んで、自分の鞄を抱えて息を潜める。が、よくよく聞いてみれば知っているような気がする。
「いや~さすが神様仏様千歳様! 勉強を見てもらえることになって助かるよ」
「もう、その恥ずかしい言い方はやめてってば。協力はするって言ったじゃない。……で? 具体的にはどこが」
横目で見た刀の苦笑いする顔に、言いかけた言葉を区切り千歳は小さく息を吐く。ここまで大げさに頼み込んできたのだ、その時点で察するべきだったかもしれない。
一度に全教科の面倒を見るのはさすがに無理だ、一番苦手な教科に絞って一緒に参考書を探そうと話し合っていれば、綾花が口に人差し指をあてているのが見えた。つい廊下からそのままのテンションで入室していたことに気づき、千歳に小突かれながら刀は小さく頭を下げた。
「参考書は、この二つ奥の棚から基本科目、専門科目の順に並んでいます。頑張ってくださいね」
その手前には、何が並んでいるのだろう。
ふと目的の棚に着く前に通路を覗いて見れば、その両端に並ぶのはいかにもといった文学小説のようだ。だが、その奥の壁沿いにはカラフルな背表紙が目を引く。少し近づけば信憑性の有無はさておき、様々な神魂や妖怪の類を物語として綴っているようなタイトルが書かれていた。
「カ・タ・ナ・君?」
背後からやけに冷静な千歳の声が聞こえる。振り返れば微笑んでいるので、刀はつい正直に目の前の棚を指さした。
「なあ、これって色々と参考になる物が紛れていると思わないか?」
「そう? 中間テストの範囲に、そんな教科は含まれていた?」
注意されたばかりなので、あくまで静かに刀に今回の目的を問いかける。その笑みはどこか怒りを滲ませているようにも見え、刀は後ろ髪を引かれながらも目的の棚に向かった。
「もう……そんな顔しなくたって、帰りに借りて帰ればいいじゃない」
「えっ?」
「もちろん、私が刀君に宿題を出させないくらい頑張ってくれたら、だけどね」
一度スイッチが入ってしまえば、意思の強い刀は真面目に取り組むだろう。そう思っての飴をチラつかせれば、自分のレベルに合う参考書はどれだろうかと刀からの相談に熱が入る。それに千歳は真面目に応対しながら、この調子なら指導も捗るだろうと微笑ましく思うのだった。
そして、とっさに隠れてしまい刀へ挨拶をし損ねてしまったいいなは、ディスプレイの構図を練りながら本のリストをメモ用紙に書き込んでいく。一口にハロウィンといっても偏り過ぎず満遍なく。ホラー小説に料理本、そして絵本やコミックスなど、様々な人が興味を持ちやすいジャンルを揃えなければ。リストを仕上げると、入室してくる生徒に気をつけながら綾花に駆け寄った。
「綾花殿、そろそろ人も増えてくるじゃろう。儂は季節本の手配のためかうんたーを離れる故、返却業務は代わろう」
男性が苦手だということも伝えていたほうが、今後の業務で迷惑をかけないだろうか。メモ用紙を無意味にひらつかせていいなは考えるが、一人で業務をすることはないだろうということに落ち着いた。
「そうですね、カウンターを空にしておくわけにはいきませんから……残り、お願いします」
本を受け取り、やはり業務はこうして協力するものだ、心配などいらないと本棚の影に隠れつつ、いいな作業を続けるのだった。
そうこうしているうちに、続々とHRを終えた生徒がやってくる。ある者は中間テスト対策のため、ある者は読書週間と銘打つからには面白い本でも入ったのかと冷やかしのため、そして
大天使 天吏
は日常のように足を運んでいた。
借りていた本を返し、また興味を惹かれるものがないかと気の向くままに通路を歩く。今回返した物も数学者の伝記や一般的とは少しズレた自然科学の本などが混ざっており、そういった授業を専攻する大学へ進むならともかく、ありふれた学校生活を謳歌する高校生には不釣り合いのような本を好むのは、やはりそういう一族だからだろうか。
さして今を生きる人間に興味のない彼女にとって、それが他人から見て敬遠されるのならば好都合だ。そこまで人を毛嫌いをしているわけではないが、ふと足を止めたのはオカルト的な伝承や個人の見解を綴った本が並ぶ棚の前。
この島には不思議なことが起きているので、こういった類のことに興味を持つ者も多いのか、見慣れた本棚のようにぎっしりと本は詰められていない。自分の興味の対象が一般的な物になったのだとすれば、随分と周囲に感化されたものだと思いながら、ざっくりと読み数冊を選ぶ。そして手近な椅子に座ろうと思ったところで、空席がいつもより少ないことに気づいた。
これでは、落ち着いて読めやしない。どこか奥の席なら空いていないか。そう思い他の席を探せば、
志波 武道
が熱心に何かを読んでいる姿が目に入る。静かな場所を好むくらいだ、彼の近くなら読書の邪魔はされないだろう。少し離れて椅子を引くと、その音に武道は過剰なくらい反応を見せて顔を上げた。
「……? 邪魔をした、かしら……」
「えっ? あーいやいや、そんなことはないって! ちょいのめり込んでたから、驚いて」
ひらひらとさせるのは、見るからにゲテモノ料理を扱った物。これで引いてくれて、本来の目的に気付かれなかったらいい。自分と面識が無くても、人の繋がりや噂話は油断ならない。
「それは、何かの儀式に使う料理なのかしら……?」
「……は?」
まさか、こっちに食いつかれるとは思わなかった。片手で本命の本の背表紙を反対側に向け、そこにもう一つの誤魔化しようであった植物図鑑と手帳を上に置けば、自然が好きで、下の本も関連書籍だと思ってくれるだろう。しかし、料理の本についてはどうしたものか。
天吏は、あまりコミュニケーションを進んでとらないタイプだ。だが、目の前に興味をそそる物があれば話は別なのか、大胆にも近づいて先ほど持ってきたオカルト本を彼の目の前で広げだす。
「軽くしか目を通していないのだけど……ここに、伝承の生き物を使った祭事が綴られているわ。そこには特徴的な供物を用意するという説明が挿絵つきで……」
おどろおどろしい絵は、確かにゲテモノ料理と近い部分があるのかもしれない。だからと言って、いつものようにお調子者を演じながらこの話を続けるのは無理がある。というよりも、早く本題の作業に戻りたい。
「ええっと……参考になるなら、それを貸すよ。俺はテスト勉強もあるしね☆」
積み上げた本を指差し、どうかこれには興味を示さないでくれと心から願う。天吏は、まさに今からこの手の類と科学的な視点について、自分の見解を披露しようと思っていた所で出鼻をくじかれてしまった。
その矛先にされてしまったのが、
須崎 蒼志
だ。戦後の現代文学を手に、背筋がぞわりと粟立つまさに物語の主要部分で天吏に声をかけられた。
「……あなたは、この二冊の本について、どう思う……かしら」
「え、あの……え?」
相手は読書中であったのに、無神経に声をかける。これには蒼志も驚いて、手持ちの栞を挟み一旦本を置いた。
基本的には雑食で、どのようなジャンルにも抵抗なく読むほど読書は好きだが、今回は本の内容談義とは些かズレている気がする。
「まだ、その本は読んだことはない、けど……面白い考え方だと思うよ」
ゲテモノ料理が、どのように作られたかなど考えたこともなかった。この国ではゲテモノでも他の国では郷土料理かもしれないし、彼女が言うように何か元となる料理があったのなら面白いかもしれない。そういった本も、今度借りてみようか。蒼志はひとまず、彼女の話が済むまで耳を傾けることにした。
「ごめんね、綾辻さん。HRが長引いてしまって……業務に支障はないかな?」
本の貸出記録をパソコンに入力することに集中していた綾花は、突然の声に思わず肩が跳ねそうになる。だが、気持ちを悟られるわけにはと一呼吸置いて、ゆっくりと振り返った。
「珪先生、お疲れ様です。利用者はいつもより多いですが、特別トラブルも無く……新しく委員会に入られたと聞いていた大田原さんが、季節本のコーナーにハロウィン関係の物を集めて下さっています。それとは別にコーナーを設けられるか検討しているのですが、この前お話してた寝子島出身の作家を調べてきたので作家名と作品名を報告しますね」
「仕事が早いね。もしここで扱っていなかったら、取り寄せも視野にいれてみてもいいかな」
すぐ報告出来るようにと、鞄から制服のポケットへといれてあった猫のメモ帳を取り出す。図書室にあるもの、ないものもリストにまとめてある。椅子から立ち上がって報告しようとメモ帳のページをめくっていれば、大きな影がさした。
「可愛いメモ帳だね。リストも見やすいし、さすが女の子だ」
立ち上がりたい。が、下手に椅子を動かせそうにないし、熱くなってきている顔を隠せそうにない。綾花は背後から覗かれるという格好のままリストに指を滑らせ、報告を続ける。
そんな中、珪が訪れるのを待っていたのか、入り口からほど近い場所で読書をしていた
八神 修
がカウンターへ視線をやる。何やら図書委員と話をしているようなので、その話が一区切りするのを待って、集めていた本を持ちカウンターへ向かった。
「すみません、貸出冊数には限度があるのですが、本日はどの本を借りて行かれますか?」
「いや、これは借りたい本じゃないんだ。ぜひ早川先生に見ていただきたい本があって」
「僕にかい?」
カウンターを利用する生徒の邪魔にならぬよう出来るだけ端の方で手持ちの10冊を広げる。その中には先ほど話していた寝子島出身者の本も混ざってあり、珪は何かを察したように笑みを浮かべた。
「折角の読書週間ですし、そうでなくとも秋の夜長には読書が定番です。これは俺のお勧めに過ぎませんが『寝子高・秋の10冊』としてどうでしょうか?」
「うん、面白い提案だ。ええと、君は……委員会の子は覚えたと思っていたのだけど」
「いえ、俺は新聞部の八神です。ただ本が好きなので、何かお力添えできればと」
面白い子もいたものだ。様々な視点で集められたこの本たちのバランスも良く、彼の言うとおり本が好きなことも窺える。問題があるとすれば――。
「実は、季節本のコーナーにはハロウィンを扱うことになってね。それ以外にも寝子島出身者が執筆している本を厳選してコーナーを作ろうかと考えていたところだったんだよ」
「すみません、なんだか出すぎた真似をしてしまって……」
「そんなことはないよ。綾辻さん、さっきのメモを借りるね?」
貸出業務をしていた彼女に一言断って、机に置かれていたメモを取る。何冊かは街の図書室から借りる手配をしてみて、頃合いを見てコーナーを作る予定だった物には印をつけてある。その時の本と被る様子はないし、かと言ってそれを削ったのは高校生に興味をもってもらえ無さそうな題材だからじゃない、スペース的な問題だ。
リストを委員会の連絡用掲示板に貼るのはともかく、ハロウィンの本と被らずにかつ目立たせる配置はどうすれば良いか。通路を塞がないように机の配置を変えて、帯をつけた本を並べてみるか、それぞれの棚で表紙を見せるよう横向きに配置しポップをつけて本屋のようにしてみるか……修の提案は続く。
「入り口に近い所は雑誌を扱っていますよね。一時的に一部の雑誌は委員へ声をかけるよう注意書きを用意してカウンター内管理、そこを利用して表紙を見せるように陳列するのはどうでしょう」
「なるほど。図書室にあまり来ない人は奥まで行くことも少ないし、その場所が誰にでも目につくかな」
「じゃあ、俺はポスターやポップ作りを――」
「八神くん。申し出はありがたいけれど、ここから先は委員会の仕事だ。あまり彼女たちの仕事をとらないであげてくれないかな?」
苦笑しながら「いつか僕の仕事も取られちゃいそうなくらい優秀なんだ」という珪に、思わず修もつられて苦笑する。
「では、コーナーの完成予定日が決まったらご連絡ください。号外を出して告知のお手伝いをしますよ」
「ありがとう、その時は必ず連絡をするよ」
お互いが、あるべき分野の仕事を。それを約束するように、珪は修が持ってきた本のタイトルを綾花のメモ帳に書き込むと、修は個人的にももう一度読みたい本なので、と自分で返却すると抱えて行った
二人がゲテモノ料理だかオカルト話だかで盛り上がっている間に、武道はそっと本題の本を広げる。応急処置に関することは手帳にさえ書き込めば読み返したときに理解することが出来るだろうが、メンタルに対することは要点を纏めることが難しく、理解をするには長い文章を読まねばならない。
それは、自分と解釈が違うものであったり、本の中でも視点を変えれば違う導き方もある。答えがあるようでない、分かってはいたことだが一朝一夕で理解できるような物ではないようだ。
(仕方ない、これはメモじゃなく借りる……でも、なぁ)
一度閉じ、小さく息を吐きながら天井を見上げる。最近は色々なことに巻き込まれすぎて自分の知識に誤りがないか確認の意味を込めて図書室を訪れてみたは良いものの、知りたい知識は数知れない。
――そのはず、だった。
将来の夢だって、こうして応急処置の勉強をすることだって、全ては愛しい弟のためを思ってのこと。自己犠牲なんかじゃなく、ただ弟の役にたてることが嬉しいし、それで感謝の笑顔でも見られようものなら満足だった。
そう。「だった」のだ。
なのに今は、他のことに気を取られている。別に弟を蔑ろにし始めたわけじゃない、ただ自分の中心に常に居た弟の近くに、もう一つ影が近づいてきている……気がする。
それが誰なのか、気づいてないわけじゃない。だがそれは、本当に弟と同じように世話を焼きたいだけなんだろうか。寧ろ、自分のような人間が関わることなど迷惑じゃないだろうか。
これ以上は、本の内容は頭に入らないだろう。適当に持ってきた植物図鑑をパラパラとめくり、目的もなく四季の花々を説明しているページの写真だけ目で追っていた。
(さすがに、前半は知ってる植物ばっかりだな…………)
ふと、手が止まってしまったページ。季節外れのその花は蕾すらまだつけていないだろう。だが、写真の中では白に近い仄かな桃色をするものから赤に近いほど濃い色の花びらが何枚も重ねた、これから解説がされるだろう同種の花々が一覧でまとめられている。
「桜……、か」
弟の入学式でも咲いていたか、花見に弁当を作ろうと意気込みすぎて呆れられたか。そんな思い出が頭を過るのに、薄っすらと誰かの笑顔が脳裏に写った時、口元に笑みを浮かべている自分がいた。
「あーだぁーもう! うだうだ考えても! わからないもんはわからないっ!」
大きく伸びをして動揺を誤魔化すようにすれば、バランス崩し椅子ごと倒れた。先の大声と相まって、図書室じゅうに響いたかもしれない
「あったー……打ったぁ! 痛ぁい!」
「図書室で騒いだ罰かもな?」
本を片付けていた修が、涼しい顔で武道を咎める。「メンゴ!」という反省してるのかよくわからない挨拶と愛想笑いに小さく息を吐き、倒れた衝撃で散乱した本を集めようとしたが、それは武道が「自分のせいだから!」と制して止められてしまった。
「あまり読書に身が入ってないようだったけど、ハズレでも引いたか?」
「あー、そうそう! ガラにもなくテスト勉強でも~なんて思ったのが間違いだったみたいでさ」
「なら、推理小説はどうだ? 『人猫城の恐怖』なんてお勧めなんだが」
天吏と各地の伝承の話をしていた蒼志は、寝子島の郷土資料がないかというところまで話題が続いたところで、聞き覚えのあるタイトルに反応を示した。
「あ……それ、俺も読んだことがある」
「よーし、じゃあこの難しい本はちゃっちゃと片付けてくるから、オススメの本の話でもしようぜ!」
蒼志は武道のようなタイプが、どちらかと言えば苦手だ。机周りを片付けている彼を見て、果たして会話が成立するのかも甚だ疑問だ。
(持ってた本……ゲテモノ料理本に、あれは植物図鑑か? 小説とか、読むのかな……)
武道が足早に去り、天吏はそんな物に興味はないのだが……と言いたげな顔で静かに去ろうとする。が、蒼志に「今度は俺のお勧めを聞いてもらえませんか」と場の盛り上がりから聞かれれば、さすがに無視をするのも気が引ける。他の三人が話す様子を眺めるくらいは構わないか、と諦めたように机に肘をついた。
「君の好きなジャンルは?」
「俺、すか……ここに積み上げてる通り、結構雑食。戦後の現代文学が特に好きだけど、とりあえずは読んでみる派……かな」
武道が戻ってきたら、軽く自己紹介でもしながら話をしようかと修は提案し、蒼志の積み上げている本に興味を示してお勧めを聞く。
「あー……この作者はちょっと癖あるかもだけど……。でも、人猫城が好きなら気に入るかな」
好みのジャンルがわかれば、お勧めもしやすい。雑食なことが役立ったと思いながら、天吏にもオカルトとは少し違うが興味をもちそうなジャンルが無さそうか軽く聞いてみる。あとは――。
「いやー、お待たせっ! ついでだから、俺も好きな本持ってきたぜ☆」
彼にはきっと、映像化されたものを勧めたほうが良いかもしれない。たくさんの本に囲まれながら、蒼志は読書は帰宅後に諦めつつ、持ちかえる本は自分で手にとった本から変わっているかもしれないと、少し楽しみにするのだった。
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浅野 悠希
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
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定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月28日
参加申し込みの期限
2015年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月04日 11時00分
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