メカメカバトルカーニバル｜リアクション

メカメカバトルカーニバル

●料理の時間

「あれぇ？のんびり家でクッキー作ってたかったのに……
　まーた、奇妙なところに迷い込んじゃったかなぁ……」

　壬生由貴奈は目の前のメカカラスに覆い尽くされた黒い空と、地下から湧き出てきたメカナマズ軍団に、驚きを隠せない様子でいた。
　良く見れば、ちょうどクッキー焼くのに手に嵌めてたミトンによく似た何かがメカメカしくなっている。
　それは一つや二つではない数が並んでいる。メカミトンの軍団だ。
　親指以外の指をまとめて覆うものなので器用な動きはできないが、パンチやらゲンコツやらはできる上に、ジェット噴射で空も飛べる優れものだ。

「どうやら、ノートパソコンから動かせるみたいだし。ちょっとメカの中身も気になるなぁ……
　バラして見てみたいけど、まずは空飛ぶカラスやメカナマズをやっつけなきゃね」

　メカを目の前にエンジニア希望の由貴奈の興味は尽きないが、今は事態の収拾が優先だ。
　由貴奈は効率良くメカミトン軍団を指示するために、見晴らしの良いマンションの屋上へと上がった。

「メカクッキーだったらどうしようかと思ったよぉ。
　うちのミトンも空を飛べるみたいだから、数に物を言わせてジェットパーンチ、なーんてねぇ」

　そう言いながらノートパソコンを操作する由貴奈。

「目標をセンターに入れてクリック、目標をセンターに入れてクリック……」

　敵の数は多く、戦いはまだまだ続きそうだ。由貴奈の手さばきもどんどん熱を帯びて行く――