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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【体育祭】七色のパン食い競争 黒猫組サイド
【牛乳を飲む者達(2)】
さて、そうこうしているうちに後続の選手達が続々とバケツ一杯の牛乳を持ってサンマさんのもとまでやってきます。
「グッッッド！」
「グッッッド！」
「グッッッド！」
総勢二十匹のサンマの着ぐるみがそこかしこで親指を立てて「グッッッド！」と叫ぶ姿はやはりホラーにほかなりません。
しかし、今度はもう慣れたのか、さきほどのように応援席で子供達が泣きだすことはありませんでした。小さな子供の順応力というものは恐ろしいものですね。
さて、そんななかで。
「……」
朝鳥 さゆるさんはまだ少し物憂げな表情のまま、サンマさんのもとへ牛乳を運んでいました。
そんな彼女の表情にいちはやく気づいたチームメイトがいました。
「やあ、さゆるちゃん。そんな悲しげな顔してどうしたんだい？ 悩み事があるならこの俺に相談してごらんよ？」
きらっと爽やかな表情とポーズで現れた、八十八旗 信彦くんです。
クラスメイトのささいな表情の変化に気づいて声をかける姿はなかなかのイケメンぶりでした。バケツさえ持っていなければ。牛乳がたっぷりと入ったバケツさえ持っていなければ。
「…………」
微妙にサマになってない信彦くんを、しばしぽかんとした目つきでしばし見つめるさゆるさん。
やがて。
彼女は「ふぅっ」と小さく息を吐くと、そのまま彼の隣を素通りしてサンマさんのもとへ走っていってしまいました。
「……ええっ、スルー！？」
ちょっと涙目になる信彦くん。
しかし、
「……はっはっはっ。いやあ、さゆるちゃんは照れ屋さんだなぁ」
信彦くんはすぐに立ち直ります。そう。彼のハートは防弾ガラスのように、とっても丈夫にできているのです。
と、そんな信彦くんの背中に猛烈な勢いで迫って来る影がありました。
「こらぁ、そこのチャラ彦ォ！」
「え？ うぉわああっ！？」
後ろから猪のような勢いで突進してきたのは宇佐見 望月くんに、信彦くんは思わず頓狂な声を上げて身を仰け反らせてしまいました。
「……な、なんだモッチーか。おどかすなよ。牛乳が零れるじゃんか。それに俺達はチーム――」
「……チャラ彦ちゃーん、俺様、まだネコミケで姪っ子にしたこと忘れてないんだからなー？」
「えっ、ええっ……！？」
信彦くんは目を見開いて、望月くんの顔を見返します。
「……い、いや、だからモッチー、あれは誤解だって何度も――」
「問答無用ッ！ この勝負、お前にだけは負けんっ！」
びしっと指先を突きつけるや否や、望月くんは呼び止めた信彦くんを置き去りにして一人猛スピードでサンマさんのもとへ駆けて行き、凄まじい勢いで牛乳を飲み始めます。
「あ、待てよっ。だから、俺達はチーム――って、聞いてねぇし……」
信彦くんは大きく息を吐いて、自分も慌ててその後を追いかけるのでした。
（……牛乳、か。好きな飲み物ではあるが、普段それほど飲まないからな……）
恵御納 夏朝（夏夜）さんはサンマさんがコップに注いでくれる牛乳を真剣な表情で睨みながら、どれくらいの量を飲むべきか真剣に考えていました。
（飲み過ぎて跳んだり走ったりできなくなっては本末転倒か……。１Ｌ程度が限界だろうな……）
焦らずに冷静な判断力を働かせて、夏夜さんは自分のペースで牛乳を飲んでいきます。
「……正直、牛乳は苦手だけど頑張って飲むかぁ」
コップになみなみと注がれた白い液体をむむっと睨み、晴海 飛鳥さんは意を決したように搾りたての牛乳を胃に流し込みます。
（……く～、やっぱりキツい。でも、思いきり戻してお客様を喜ばすことなんてしないよ！ 喜ばすのはチームのメンバーだ！）
飛鳥さんは固い決意を胸に秘めて、きっちり五杯分の牛乳を飲み干していきます。
「ふぅ、ふぅ。バケツ一杯分の牛乳、とっても重いです……」
久良木 優菜さんは両手で必死になみなみと揺れる牛乳をサンマさんのもとへ運びます。
「グッッッド！」
サンマさんが親指を立てて、コップに牛乳を注いでくれました。
優菜さんはそれをおずおずと受け取って、
（うう……。こころなしか少し生臭い気がします……）
ぷるぷる震えながら、それでもこれも学生生活の一環と覚悟を決めて一気に飲み込んでいきます。
それでも、やはり彼女に１Ｌのガブ飲みはキツ過ぎたようで。
「やっぱり多いですね……。どなたか私のぶんも飲んでくださる方はいらっしゃらないでしょうか……？」
優菜さんは助けを求めるように視線をあたりにめぐらせます。
さて、そうこうしているうちに後続の選手達が続々とバケツ一杯の牛乳を持ってサンマさんのもとまでやってきます。
「グッッッド！」
「グッッッド！」
「グッッッド！」
総勢二十匹のサンマの着ぐるみがそこかしこで親指を立てて「グッッッド！」と叫ぶ姿はやはりホラーにほかなりません。
しかし、今度はもう慣れたのか、さきほどのように応援席で子供達が泣きだすことはありませんでした。小さな子供の順応力というものは恐ろしいものですね。
さて、そんななかで。
「……」
朝鳥 さゆるさんはまだ少し物憂げな表情のまま、サンマさんのもとへ牛乳を運んでいました。
そんな彼女の表情にいちはやく気づいたチームメイトがいました。
「やあ、さゆるちゃん。そんな悲しげな顔してどうしたんだい？ 悩み事があるならこの俺に相談してごらんよ？」
きらっと爽やかな表情とポーズで現れた、八十八旗 信彦くんです。
クラスメイトのささいな表情の変化に気づいて声をかける姿はなかなかのイケメンぶりでした。バケツさえ持っていなければ。牛乳がたっぷりと入ったバケツさえ持っていなければ。
「…………」
微妙にサマになってない信彦くんを、しばしぽかんとした目つきでしばし見つめるさゆるさん。
やがて。
彼女は「ふぅっ」と小さく息を吐くと、そのまま彼の隣を素通りしてサンマさんのもとへ走っていってしまいました。
「……ええっ、スルー！？」
ちょっと涙目になる信彦くん。
しかし、
「……はっはっはっ。いやあ、さゆるちゃんは照れ屋さんだなぁ」
信彦くんはすぐに立ち直ります。そう。彼のハートは防弾ガラスのように、とっても丈夫にできているのです。
と、そんな信彦くんの背中に猛烈な勢いで迫って来る影がありました。
「こらぁ、そこのチャラ彦ォ！」
「え？ うぉわああっ！？」
後ろから猪のような勢いで突進してきたのは宇佐見 望月くんに、信彦くんは思わず頓狂な声を上げて身を仰け反らせてしまいました。
「……な、なんだモッチーか。おどかすなよ。牛乳が零れるじゃんか。それに俺達はチーム――」
「……チャラ彦ちゃーん、俺様、まだネコミケで姪っ子にしたこと忘れてないんだからなー？」
「えっ、ええっ……！？」
信彦くんは目を見開いて、望月くんの顔を見返します。
「……い、いや、だからモッチー、あれは誤解だって何度も――」
「問答無用ッ！ この勝負、お前にだけは負けんっ！」
びしっと指先を突きつけるや否や、望月くんは呼び止めた信彦くんを置き去りにして一人猛スピードでサンマさんのもとへ駆けて行き、凄まじい勢いで牛乳を飲み始めます。
「あ、待てよっ。だから、俺達はチーム――って、聞いてねぇし……」
信彦くんは大きく息を吐いて、自分も慌ててその後を追いかけるのでした。
（……牛乳、か。好きな飲み物ではあるが、普段それほど飲まないからな……）
恵御納 夏朝（夏夜）さんはサンマさんがコップに注いでくれる牛乳を真剣な表情で睨みながら、どれくらいの量を飲むべきか真剣に考えていました。
（飲み過ぎて跳んだり走ったりできなくなっては本末転倒か……。１Ｌ程度が限界だろうな……）
焦らずに冷静な判断力を働かせて、夏夜さんは自分のペースで牛乳を飲んでいきます。
「……正直、牛乳は苦手だけど頑張って飲むかぁ」
コップになみなみと注がれた白い液体をむむっと睨み、晴海 飛鳥さんは意を決したように搾りたての牛乳を胃に流し込みます。
（……く～、やっぱりキツい。でも、思いきり戻してお客様を喜ばすことなんてしないよ！ 喜ばすのはチームのメンバーだ！）
飛鳥さんは固い決意を胸に秘めて、きっちり五杯分の牛乳を飲み干していきます。
「ふぅ、ふぅ。バケツ一杯分の牛乳、とっても重いです……」
久良木 優菜さんは両手で必死になみなみと揺れる牛乳をサンマさんのもとへ運びます。
「グッッッド！」
サンマさんが親指を立てて、コップに牛乳を注いでくれました。
優菜さんはそれをおずおずと受け取って、
（うう……。こころなしか少し生臭い気がします……）
ぷるぷる震えながら、それでもこれも学生生活の一環と覚悟を決めて一気に飲み込んでいきます。
それでも、やはり彼女に１Ｌのガブ飲みはキツ過ぎたようで。
「やっぱり多いですね……。どなたか私のぶんも飲んでくださる方はいらっしゃらないでしょうか……？」
優菜さんは助けを求めるように視線をあたりにめぐらせます。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年12月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年01月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年01月01日 11時00分
