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【体育祭】七色のパン食い競争 黒猫組サイド
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【牛乳を飲む者達(3)】
「サンマさん、牛乳持ってきたのだ、1.6L分くださいなのだ!」
「……1.6L!? は、八杯分だぜぇ!?」
サンマさんをギョっとさせたのは牛乳大好き
後木 真央
さんでした。
「牛乳はアクアウィターエ(命の水)なのだ! 1L余裕なのだ! たぶん2Lでもいけるのだ~♪」
「お、おう……」
さしものサンマさんも真央さんの勢いに気圧されたのか、それ以上は何も言わずに黙ってコップに牛乳を注いでくれます。
「……ウマッ!? これまじドンドンいけるのだ! サンマさん、終わったらまた飲みにくるから残しておいて欲しいのだ!」
「1.6L飲んでまだ!?」
サンマさん呆然です。
そんな彼女のすぐそばでは同じ黒組の
酒浸 朱蘭
さんもやってきていて。
「おー。真央のやつ、いい飲みっぷりだなぁー。よーし、あたしも「ろっこん水」で鍛えたガブ飲みっぷりを見せちゃうぞー」
その飲みっぷりに火を点けられたように、彼女もゴクゴクときっぷのいい飲みっぷりを見せつけます。
一気飲みは飲み慣れていないと、むせてしまってかえって時間がかかったりするものですが、二人にはそんな心配は無用のようでした。
一方、
小倉 もなか
さんは、せっかくの絞りたてということでじっくり味わって飲む作戦のようで。
「1.2L――六杯ください。……あ、辛くなったら持参の餡子を牛乳に混ぜていいですか?」
「……餡子!?」
持参した餡子を見せて訊ねてくるもなかさんにサンマさんはびっくりしたように言うと、そそくさと高野先生のところに確認しに行きます。
「こちらで用意したアイテム以外は使わないで欲しいということなんだぜぇ。そのかわりにほかの誰かに飲んで貰うことはチームプレイとして許可するんだぜぇ」
「……わかりました。残念ですけど仕方ないですね」
もなかさんは頷いて、誰か飲んでくれそうな人を探すことにします。
「……パン……やっぱり高い、な……」
牛乳を片手に見上げて呟いたのは
飛吹 勘助
くん。
190cmの長身を持つ彼ですが、やはり3mの壁は高く厳しいようで。
(……牛乳を飲んで……縮ませても……まだ、高そうだ……)
サンマさんに注いでもらった牛乳をまず一杯飲みながら、勘助くんはどうすればより高く跳べるかを考えます。
(……イルカみたいに、飛べば、取れる、かな……?)
勘助くんが思い描いたイメージはいつか神魂の影響で開かれた『穴』の向こう側に広がる海で出会った素敵なイルカさんたちの姿でした。
彼はそこで『ろっこん』の《Merman》の力で人魚化した姿でイルカさん達と華麗なジャンプを決めたときのことを思い出し、
(……あのときと同じ感じでやれば……いける、かもしれない……!)
黄色いパンに向かって飛ぶ自分のイメージを固めました。
八神 修
くんは本来生産者特権であるはずの絞りたて牛乳を飲める幸せを噛みしめるようにゴクゴクとコップ一杯の牛乳を一気飲みしていました。
「あー、美味い」
ぷはぁっと息を吐いて、口許の牛乳を拭う修くん。
(これなら何杯でもガブ飲みできそうだ)
むしろ、牛一頭分飲み尽くしたい。
修くんがそんなことを考えていたまさにそのときでした。
「八神君、ちょっといいですか?」
「ん?」
突然、同じ黒組の
小倉 もなか
さんがやってきて修くんにあるお願いをしてきたのでした。
「……何、牛乳を代わりに飲んで欲しい?」
八神 修
くんが目を見開くようにして言いました。
もなかさんはこくりと頷いて、
「ジャンプには自信がないので六杯は飲みたいんだけど、さすがに1.2Lは私にはちょっと多過ぎて……」
「よし、まかせろ!」
もなかさんが言い終えるや否や、修くんはビシッと頼りがいのある声でそう言いました。
なにしろ彼は搾りたての牛乳が飲みたくてこの競技に参加したようなもの。
おいしい牛乳が飲めて、それがチームのためになるのならまさに願ったり叶ったりです。
と、そこに、
「ああっ!? 修ちゃんばっかりズルいのだ!? 真央ちゃんもほかの牛さんの牛乳飲みたいのだ!?」
同じく牛乳大好きである
後木 真央
さんまでもが現れて、羨ましそうに地団太を踏みました。
「牛さんによって微妙に風味が異なるかもしれないのだ。真央ちゃんも飲みたいのだ~!」
「あ、じゃあよかったらどうぞ」
「おお、もなかちゃんありがとうなのだ♪」
もなかさんが手渡した牛乳を、真央さんはグビグビと一気飲みします。
そのあまりに豪快な飲みっぷりにまわりにいたサンマさん達が、
「まだ飲むんだぜぇっ!?」
と、騒然となります。
「あ、よかったら、私の分も飲んでもらえませんか?」
「ああ、まかせろ!」
また現れた別の女子生徒に差し出された牛乳も修くんは嫌な顔一つせずにぐいぐいと一気飲みします。
「そちらのあなたもよかったら」
「頂くのだ!」
真央さんもまた差し出された牛乳を一気飲みで飲み干します。
「ありがとうございます。これでやっとパンに届きそうです」
にっこり笑ってお嬢様走りで自分のパンのところへ戻っていく
久良木 優菜
さん。
じつは彼女は白組なのですが、あまりにナチュラルにその場に紛れ込んでいたために、その事実に気づけるものは他に誰もいませんでした。
「よし、真央! こうなったら全ての牛乳を飲み尽くす勢いでいくぞ!」
「了解なのだー!」
こうして二人の活躍により、七色のパンの高さがどんどん下がっていきます。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月25日
参加申し込みの期限
2015年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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