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- 00月00日生 00歳
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【体育祭】七色のパン食い競争 黒猫組サイド
【継・牛を愛でる者達】
さて、残るは前半で力を温存して走っていた人達の搾乳の模様ですが――。
「……」
「……」
夏夜さんはしばし無言のまま牛さんと対峙していました。
（……牛とコミュニケーション、か。やりにくいな……）
あまりにもキャラじゃない。
そう思いつつも、夏夜さんは夏朝さんのためと自分に言い聞かせて、固く結んだ唇を開きます。
「こんにちわ、牛さん。今日は来てくれてありがとう」
ほかの生徒達にバレないように、夏朝さんのフリをしつつ、夏夜さんは一生懸命に牛さんの頭を撫でたり、軽くブラッシングをしてあげたりします。
ふと、耳を澄ませると黒組の方では動物好きで知られる八神 修くんがみんなにアドバイスしている声がこちらにも聞こえてきます。
「――牛も緊張しているとミルクの出が悪くなる。優しい気持ちになって牛と接して、少しでも緊張を解いてもらうんだ！」
そんな修くんの言葉に、夏夜さんはぴたりと一瞬手を止めてしまいます。
優しさ。
（……僕に……『夏夜』に、そんなものはない）
夏朝さんのフリをすることには慣れている夏夜さんでしたが、それは『ひと（もれいびを含む）』相手の話。
（……動物はもっと本能的なセンスで相手の本性を見抜く。出具合に影響しなければいいが……）
やや緊張した面持ちで、夏夜さんは牛さんの乳をゆっくりと絞っていきます。
「よしよし、いい子にしてるのよ」
レナ・フォルトゥスさんは比較的手慣れた様子で牛さんとコミュニケーションをとっていました。
（牛さんのお世話をしたことはありませんけれど、馬の手入れなら毎日やっていますからなんとなく要領はわかる気がしますわ）
牛さんとお馬さんとの共通点や相違点に納得したり驚いたりしながら、レナさんは軽快に餌やりとブラッシングをして牛さんとコミュニケーションをとっていきます。
「問題は搾乳ですわね。さすがに乳を搾ったことはありませんわ」
腕組みしつつ、まあ案ずるよりは産むが易しですわね、とレナさんは実際に搾乳に挑戦し始めます。
「確か、テレビで見たときはこんな感じでしたわね……お、いい感じに出るわね」
記憶を頼りに手探りで乳を搾っていくと、バケツが生温かいミルクで満たされていきます。
「搾りたてって温いのね……」
ちょっと驚きつつ、レナさんはバケツ一杯になるまで乳搾りを続けます。
巫部 紫苑さんはマイペースに牛さんのところにたどりつきました。
「ふぅっ……。なんとか着きました。走っていると胸が邪魔ですわね」
基本的にスタイルが良く、出るべきところがしっかり出ている紫苑さんは走っているだけで胸がたゆんと大きく揺れてしまいます。
「というか、心なしか一部のサンマさんから熱い視線が注がれているような？」
首を傾げ、紫苑さんがぐるりとあたりを見まわすと一部のサンマさんがドキっと目を逸らしました。きっと彼らの中身は健全な男子生徒なのでしょう。
「……？」
紫苑さんはというとその視線の意味に気づく素振りも見せずに「まあいいでしょう」と牛さんのお世話を開始します。
「美味しい牛乳をたくさん出してくださいね」
頭を撫でて、餌をあげて、ブラッシングをしてあげて、
一通りのお世話をしてあげてから、紫苑さんはやはりマイペースに搾乳を開始します。
一見、それは長閑で穏やかな光景に見えましたが。
（……この牛さん、お肉も美味しそう……）
「…………っ！？」
紫苑さんの目つきが食べ物を見るそれに変わりつつあることに気づいた牛さんがびくぅっと怯えてしまい、恐怖のせいか、ややお乳の出具合が悪くなってしまったようでもありました。
「さあて、牛さんからたっぷり牛乳さいただかないとっ！」
腕まくりをするようにして、気合いたっぷりに宣言したのは澪乃 澄佳さんでした。
（乳搾りなんて、小学校の体験学習以来、だねぇ）
北海道出身のほんわか少女の澄佳さんは昔を懐かしみつつ、牛さんと向き合います。
「まずは餌やりからっ！ 牛さん、たんと食べるんだよぅ？」
澄佳さんはのんびりとした方言混じりの言葉で牛さんに優しく声をかけ、大量の干し草を差し出しました。
牛さんが餌を食べている間、彼女は牛さんの気が散らないように、軽く、優しくブラシをかけていきます。
そして、牛さんが餌を食べ終わったら少し強めにブラッシング。
やがて牛さんの気持ちが落ち着いてきたな、と思ったところで優しく搾乳を開始。
「騒がしくてあずましくないかもだけど、お願いね？」
もちろん、搾乳中も牛さんへの声掛けは欠かしません。ちなみに『あずましくない』というのは『落ち着かない』という意味です。
丁寧なコミュニケーションの成果もあってか、やや遅めに搾乳を開始した澄佳さんのバケツには勢いよく牛乳が溜まっていきます。
さて、残るは前半で力を温存して走っていた人達の搾乳の模様ですが――。
「……」
「……」
夏夜さんはしばし無言のまま牛さんと対峙していました。
（……牛とコミュニケーション、か。やりにくいな……）
あまりにもキャラじゃない。
そう思いつつも、夏夜さんは夏朝さんのためと自分に言い聞かせて、固く結んだ唇を開きます。
「こんにちわ、牛さん。今日は来てくれてありがとう」
ほかの生徒達にバレないように、夏朝さんのフリをしつつ、夏夜さんは一生懸命に牛さんの頭を撫でたり、軽くブラッシングをしてあげたりします。
ふと、耳を澄ませると黒組の方では動物好きで知られる八神 修くんがみんなにアドバイスしている声がこちらにも聞こえてきます。
「――牛も緊張しているとミルクの出が悪くなる。優しい気持ちになって牛と接して、少しでも緊張を解いてもらうんだ！」
そんな修くんの言葉に、夏夜さんはぴたりと一瞬手を止めてしまいます。
優しさ。
（……僕に……『夏夜』に、そんなものはない）
夏朝さんのフリをすることには慣れている夏夜さんでしたが、それは『ひと（もれいびを含む）』相手の話。
（……動物はもっと本能的なセンスで相手の本性を見抜く。出具合に影響しなければいいが……）
やや緊張した面持ちで、夏夜さんは牛さんの乳をゆっくりと絞っていきます。
「よしよし、いい子にしてるのよ」
レナ・フォルトゥスさんは比較的手慣れた様子で牛さんとコミュニケーションをとっていました。
（牛さんのお世話をしたことはありませんけれど、馬の手入れなら毎日やっていますからなんとなく要領はわかる気がしますわ）
牛さんとお馬さんとの共通点や相違点に納得したり驚いたりしながら、レナさんは軽快に餌やりとブラッシングをして牛さんとコミュニケーションをとっていきます。
「問題は搾乳ですわね。さすがに乳を搾ったことはありませんわ」
腕組みしつつ、まあ案ずるよりは産むが易しですわね、とレナさんは実際に搾乳に挑戦し始めます。
「確か、テレビで見たときはこんな感じでしたわね……お、いい感じに出るわね」
記憶を頼りに手探りで乳を搾っていくと、バケツが生温かいミルクで満たされていきます。
「搾りたてって温いのね……」
ちょっと驚きつつ、レナさんはバケツ一杯になるまで乳搾りを続けます。
巫部 紫苑さんはマイペースに牛さんのところにたどりつきました。
「ふぅっ……。なんとか着きました。走っていると胸が邪魔ですわね」
基本的にスタイルが良く、出るべきところがしっかり出ている紫苑さんは走っているだけで胸がたゆんと大きく揺れてしまいます。
「というか、心なしか一部のサンマさんから熱い視線が注がれているような？」
首を傾げ、紫苑さんがぐるりとあたりを見まわすと一部のサンマさんがドキっと目を逸らしました。きっと彼らの中身は健全な男子生徒なのでしょう。
「……？」
紫苑さんはというとその視線の意味に気づく素振りも見せずに「まあいいでしょう」と牛さんのお世話を開始します。
「美味しい牛乳をたくさん出してくださいね」
頭を撫でて、餌をあげて、ブラッシングをしてあげて、
一通りのお世話をしてあげてから、紫苑さんはやはりマイペースに搾乳を開始します。
一見、それは長閑で穏やかな光景に見えましたが。
（……この牛さん、お肉も美味しそう……）
「…………っ！？」
紫苑さんの目つきが食べ物を見るそれに変わりつつあることに気づいた牛さんがびくぅっと怯えてしまい、恐怖のせいか、ややお乳の出具合が悪くなってしまったようでもありました。
「さあて、牛さんからたっぷり牛乳さいただかないとっ！」
腕まくりをするようにして、気合いたっぷりに宣言したのは澪乃 澄佳さんでした。
（乳搾りなんて、小学校の体験学習以来、だねぇ）
北海道出身のほんわか少女の澄佳さんは昔を懐かしみつつ、牛さんと向き合います。
「まずは餌やりからっ！ 牛さん、たんと食べるんだよぅ？」
澄佳さんはのんびりとした方言混じりの言葉で牛さんに優しく声をかけ、大量の干し草を差し出しました。
牛さんが餌を食べている間、彼女は牛さんの気が散らないように、軽く、優しくブラシをかけていきます。
そして、牛さんが餌を食べ終わったら少し強めにブラッシング。
やがて牛さんの気持ちが落ち着いてきたな、と思ったところで優しく搾乳を開始。
「騒がしくてあずましくないかもだけど、お願いね？」
もちろん、搾乳中も牛さんへの声掛けは欠かしません。ちなみに『あずましくない』というのは『落ち着かない』という意味です。
丁寧なコミュニケーションの成果もあってか、やや遅めに搾乳を開始した澄佳さんのバケツには勢いよく牛乳が溜まっていきます。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年12月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年01月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年01月01日 11時00分
