軟体これくしょん｜リアクション

軟体これくしょん

●イカタコ料理ショー　そして

「創君、はい、アーン♪」

　海の家の前では創と牡丹が周囲の目をはばかることなくラブラブでイカ焼きを堪能していた。

「うえ～はっはっは。汚物は消毒だー！」

　何やら物騒な発言をしながら、浜辺でメアリが火を燃やしているが、実は彼女はイカやタコは食べられないのだ。
　スシがワールドワイドになって久しいが、イカやタコをデビルズフィッシュと嫌ったり、生の海鮮に抵抗のある西洋人は少なくないとか何とかいうやつであろうか……
　
「よし、俺たちもタコを食べよう」

　合流した修達も海の家の道具を借りて、切って来た巨大タコの足をタコ飯にしたり、焼いたりと思い思いに調理して食べる事にした。
　浜辺に香ばしい匂いが広がる――

「運動した後に浜辺で食べる食事は美味しいねー」

　未沙も次々と出て来るイカタコ料理に上機嫌である。今日ぐらいはダイエットを忘れても許されるだろう。

「ふぅ、じゃ、あとは泳ぐか。汗もかいたしな。暑さで汗が出るが、海に入るから関係ないけどな」

　一方の飛龍は静かになった海を泳いで堪能している。海は先程までの激闘が嘘のように穏やかである。

「家まで送ろう。その格好で放って置くわけにはいかないし」

「あ……ありがとう……ございます……」

　賑やかな一行とは対照的に刀は物影で顔を真っ赤にして隠れていた舞に声をかけると、彼女の自宅のある寝子島神社へ送って行くのであった。

　また、少し離れた場所では瓢が、溶けてしまったナニカの残骸を手に悔しがっていたのだが、『それ』が何だったのか知る者は彼以外にはいない――

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