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chapter.8 崖落ち
「わーっ、落ちちゃうよ!?」
絶望的な状況で真っ先に声をあげ、行動を起こしたのは萌だった。
萌はとにかく何かを掴まなければ、と一瞬で判断した。
掴めるものはないか、なんでもいい。
そんな思考を働かせた彼女の目にとまったものは……ジャンの髪の毛だった。たまたまだ。いやほんと。
「えいっ☆」
萌は、がしっとジャンの髪の毛を鷲掴みにした。同時に、自分の隣にいたののこにも声をかける。
「ののこちゃん! 何でもイイから掴んでジャン先生を助けよう!」
「えっ? えっ?」
「はやくっ、何でもイイから!」
状況がいまいち飲み込めていないののこに、萌は何度も声をかける。
とうとう痺れをきらした萌は、ののこの手を強引にジャンの髪の毛へと持っていった。ふたつの小さな手が、彼の毛を鷲掴みにする。
「いたたたた、いた、いたいデース!!!」
そのお陰で落水は免れたものの、思いっきり重力に逆らう形で髪を引っ張られ、ジャンは悲痛な声をあげた。
しかしこの状態が長く続くとも思えなかった。
現に、ジャンの髪がぶちぶちと音を立て始めている。このままでは危険だ。彼にしがみついているみゆきも、彼の体も。あと彼の毛根も。
「た、助けないと!」
そんな危機的状況を見て走り出したのは、寝太郎だった。
彼は一気に岬の先端まで走り出すと、萌とののこの空いている方の手を、両手を使いそれぞれ掴んだ。が、もちろんそのふたりの先には髪の毛を掴まれたジャンと、彼に抱きついているみゆきがいるわけで。
「うぐぐ……お、重い〜!」
とまあ、こうなるのは当然である。
「だっ、誰か手伝って〜!」
寝太郎が救援を呼ぶ。その声に応じたのは、信彦だった。
「レディの危機に、俺が駆けつけないわけにはいかないよね!」
言って、寝太郎の体を後ろからしがみつく形で支える。
「レディ以外を抱きしめるのは本意じゃないけど、最終的にレディのためだからね、これは!」
自分に言い聞かせるように話しながら、踏ん張りを見せる信彦。
崖の上で彼らが引っ張ってくれているのを知ったみゆきは、ジャンに慌てて進言した。
「せ、先生……! 私たちが宙ぶらりんのままだと、上の人たちが支えきれない……! とりあえず岩肌に体をつけて重さを軽減しないと……!」
「オウ、その通りデス!」
言われるがまま、ジャンはみゆきを右手で抱えた状態で、なおかつ萌とののこに髪の毛を引っ張られた状態で、どうにかそり立った崖の岩肌を左手で掴んだ。
この状況を改めて説明しよう。
まずみゆきは、ジャンの腕の中。
そのジャンは、萌とののこに髪を引っ張られながら片方の手でどうにか岩の壁に掴まっている状態。
その萌とののこは、ジャンを引っ張りながらも寝太郎に引っ張られている状態。
その寝太郎は、信彦に引っ張られている。
言うなれば、今ここにはひとつに繋がった芸術的な人間アーチが生まれているのだ。ひとつなぎのそれは、ある意味ワンピースだ。
「な、なんだアレは……!」
輝かしいワンピ……人間アーチを目撃して思わずそう呟いていたのは、利平だった。彼は水面からその綺麗なアーチを見上げていた。
「そうか、へへ、なるほどな……確かに俺は魚を捕れなかった。だけど、この景色が、大いなる自然がくれた何よりの贈り物じゃねえか」
利平は頬を指で拭った。何に感動しているかは、ちょっと分からない。
そして、その人間アーチがいつまでも続くわけではないことを、彼らは思い知らされる。
辺りにぶちり、と嫌な音が響いた。萌は、反射的に自分が掴んでいたジャンの髪の毛を見る。根元から、ごっそり抜けかかっていた。
「あ、ジャンせんせ……」
言い終えるよりも早く、その毛はジャンの頭から離れていった。ぶちぶちという断末魔をあげながら。
「たっ、助けて!」
同時に、みゆきの叫び声も岬に響く。
「えっ、ちょっと待てっ、おいっ……!」
利平が慌てて泳いで逃げようとするが、落下のスピードを上回れるはずもなく、ジャンとみゆきは海面の利平目がけて落下した。
どぼん、と一際大きな音があがる。
「お、溺れる……っ!!」
利平はすんでのところで海中に潜って難を逃れたが、みゆきは尋常ではないくらい暴れていた。どうにか溺れまいと、両手両足をこれでもかと振り回す。
「お、落ち着いてクダサイ、逆に危な……」
ジャンがどうにか彼女を止めようとしたその時、みゆきの振り回した手が、ジャンの顔に当たった。
否、正確に言えば、ジャンがかけていたサングラスにだ。
ジャンのサングラスは、これまでの騒動が嘘だったかのようにあっさりと外れ、ぽちゃんと海へと落ちた。
さすがに海面までは、紫蓮も光を届けることが出来なかったのだ。
とはいえ、物語もそろそろ終盤、むしろ丁度良いタイミングだったのではないだろうか。
「ん……耳が、耳が聞こえマス!!」
サングラスの外れたジャンが、耳に手を当てながら歓喜の声をあげた。こうして物語はめでたしめでたしと締め括られた……と、思っていたが、溺れそうになっていたみゆきの結末をまだ見届けていなかった。
「大丈夫デスカ!? まずは落ち着いて、落ち着いてクダサイ!!」
「もし溺れそうになっても、俺が下でそのおっぱ……体を支えてやるぜ!」
ジャンが手足を振り回すみゆきを必死で説得し、利平がフォローを名乗り出る。少し前まで落ち着きを失っていたのはどこのどいつだよという話ではあるが。
利平にいたっては、若干下心を感じなくもない発言である。
みゆきはそんなジャンや利平に時折バタつかせた手を当てながらもがいていたが、しばらくすると「あ」と短く声をあげ、急に暴れるのを止めた。
「?」
首を傾げるふたりをよそに、みゆきは思い出したようにその言葉を告げる。
「……私、泳げるようになったんだった」
ジャンと利平が、同時にずっこけた。
「ベタかよ!」
利平の言葉が、水平線の彼方まで響き渡った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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