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ポランスキー先生、ききいっぱつ!
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chapter.7 TENDON
そして舞台はエノコロ岬へと戻る。
利平が飛び込んだ後の海には、大きな波紋が広がっていた。利平も、魚も浮かび上がってこない。
何秒かの後、水面から顔を出したのは利平だった。
「くそっ……たった一度のチャンスだったのに……!」
彼は、尋常じゃないくらい悔しがっていた。二年連続で捕り逃したという事実が、彼に無力感を抱かせたのだろう。
「握くん、よく無事だったなあ……」
そんな彼を、崖の上から見つめていた円がぽつりと漏らした。
こんなに高さがあるのに。もしかしたら、海育ちじゃないと分からない飛び込み方とか安全地点の見分け方とかあるのかな。
いろいろと考えは尽きないが、まあ今日の本筋じゃないので放っておくことにした。
彼女の今日の本筋といえば、宝探し……のはずだったのだが、思わぬ形でジャン先生の騒動と出くわし、意識がそっちに持って行かれていた。
円はジャンの顔が見える位置まで移動する。そこは崖の際ギリギリで、さっきまで利平が立っていた場所だ。
『ジャン先生、耳が遠くなっちゃって大変だよね』
胸ポッケに入っていたメモに、彼女はペンでそう記してジャンへと見せた。でも、と口を動かした円はまたペンを走らせ、メモ帳を広げる。
『耳が聞こえないから音楽の世界を離れなきゃいけないってことでもないんじゃない?』
「オー!? 耳が聞こえないナラ、音楽は楽しめないダヨ」
ジャンが両手を広げて、肩をすぼめてみせた。すると円は、思ってもいなかった文字を記した。
『でも、ベートーベンは耳が聞こえなくても、記憶の中の音で作曲したんじゃないかな?』
確かに、円の書いた通りだった。もちろん、それはジャンも知っている。
『自然の音楽を楽器に変換してた先生なら、不可能じゃないと思う』
円の文字は、しっかりとした強さを持ってジャンの目に映った。
『前例のなかったベートーベンはもっと不安だったと思うし、死のうと思うほど苦しんだのなら、覚悟があるのなら出来るよ』
円は、ジャンの中には確かな執念があると信じていた。だからこそ、このメッセージを伝えたのだ。
「……さっきの黒子サンもそうでシタけれど、皆サンはとても学生とは思えないほどしっかりしてるデスね」
この時既に、ジャンの心は少し前までの混乱から抜け出していた。彼らの語りかけが、ジャンの精神を立て直したのだ。
あとは聴力さえ戻れば大団円、最悪このままだとしても、円の言う通り未来に光がないわけではないだろう。
ただやはり、出来れば元の耳に戻ってほしいというのがジャンの本音ではあった。そのために、覚悟を決めて強いショックを自らに与えるべく崖からのダイブを決行しようとしていたのだ。
「ん?」
と、その時円のそばにいた猫のにゃーくんがぴょんとジャンの懐に飛び込んだ。
「どうしたの、にゃーくん」
円の言葉に応じるように、にゃーくんは一声鳴くと、ジャンの顔に手を伸ばし、サングラスへ猫パンチを繰りだそうとしている。
「サングラスが気になるの?」
円はどうしたものか、と一瞬考えたけれど、これも何かの思し召しかもと考えジャンに筆談で助言した。
『先生、そのままサングラスをしていると視野とか、色んなものが暗く見えちゃうし、明るい夕日を見ませんか? 目の前が明るいと、気分も違ってくると思いますよ?』
なんと、そうきたか状態である。猫を使ってのサングラス外し。にゃーくんの愛らしいその仕草で、サングラスはついに外されてしまうのか。まだ出てきていないキャラもいっぱいいるというのに。
ダメだ、もう外される。
しかし、奇跡は何度だって起こるのだ。
「ミチビキノカゼぇ〜!」
紫蓮の左手から、強烈な光が放たれた!
「オウ、眩しいデース!」
ジャンは片手でにゃーくんを地面におろしつつ、もう片方の手でサングラスをかけ直した。もう3回目ともなれば、ジャンもだいぶ慣れたものである。
あ、もちろん光にではなく、サングラスをかけ直す動作にだ。
というかもうここまで来るとジャンも分かってて光待ちしてんじゃねえかとすら思えるから不思議である。
にゃーくんのサングラス外しが不発に終わったのを見て、円と一緒にいた能美子がたまらず前に出た。
「先生、急にたくさんの人に話しかけられてお疲れでしょうし、一旦涼んで落ち着きましょう」
そう言って、彼女は日傘をジャンにさしタオルを渡した。ちなみにこの時点でもう能美子は、「このサングラス怪しい」とがっつり思っていた。
しかし、これまで歴戦の強者たちがことごとくサングラス外しに失敗してきているのを彼女は見てきた。
このサングラスを、容易に取り除くことはできない。そう感じた能美子は、用心に用心を重ねて遠回しに外させる作戦に出た。
「せ、先生、いいおまじないがあるんです。この白い無地のタオルを頭に巻いてください」
ジャンから返事は返ってこない。聞こえないからだ。「ああ、そうでしたね……」と能美子は一旦渡したタオルを回収すると、自分の手でタオルをジャンの頭に巻いた。ちょっとした土方のお兄ちゃんっぽくなる。
その時、能美子は気づいてしまった。
「あ、これ……」
もしかして、このサングラスを耳にかけたままおろせば、アレになるんじゃないかと。
まあアレが何かは各々の想像に任せるが、能美子は半端な夢の一欠片を持ったままサングラスをおろそうとした。
さすがにこれは止めることが出来ないか……に思われたのだが。
「まだ光が足りないというの……? こうなったら、私の光を直にたたき込む!」
案の定、紫蓮が光を放つ。しかも今回は、ダイレクトに左手をジャンの額に押し当てながら。
「うおおっ!? 眩しいデス!!」
あまりの光の量に、ジャンは能美子がおろそうとしたサングラスを強引にかけなおした。
ていうかそれより目を瞑れよって話だけども。
それにしてもどこかのお笑い劇団もびっくりの予定調和と天丼である。紫蓮がその劇団に所属していたら確実に看板芸人になっていたに違いない。
「何デスカみなさん! サングラスを外すだったり、光あてるだったり!」
そして、ここにきてとうとうジャンが声を荒げた。
「ミーは決めたのデス! ここカラ飛び降りて、そのショックで耳を戻すデス!」
周りにいた者たちを振り払い、崖から身を乗り出すジャン。あと1、2歩前へ踏み出せば、その体は宙を舞う。
「先生、みーつけた!」
ジャンがその足を動かそうとした時、後ろから声がかかる。
その声に一同が振り向くと、そこにはののこが立っていた。途中途中で見失いながらも、どうにかここまで追い駆けてきたようだ。
ののこは、ジャンにタッチするべく崖の先端へと走り出す。それを見たジャンが、声を張り上げる。
「ここは危ないデス! それ以上来ないでクダサイ!」
言って、ののこが近づくよりも早く崖から飛ぼうとするジャン。その場に居合わせていた
北原 みゆき
は、ジャンのそんな姿を見て思わず叫んでいた。
「ダメーっ!!」
言うが早いか、みゆきは全力でジャンのところへ走る。少し遅れてエノコロ岬に到着していた彼女は、これまでの経緯やジャンの気持ちの変遷を知らなかった。
そんなみゆきが「飛び込み自殺!?」と思ってしまうのも、無理もないことである。
みゆきは、正面からぶつかるくらいの勢いでジャンに突撃した。それを見たののこが、「私が先にタッチするー!」と脳天気な発言をしながら同じく突っ込んでいく。
ジャンの元へ駆け寄るみゆきとののこ。そこに、さらなる乱入者が現れる。
「待ってっ、ジャン先生は確かに鬼だけど、今サングラスのせいで周りが見えていないんだよ! そんなのフェアじゃない!」
ののこ以上に明るく元気な声で割り込んできたのは、
鬼河内 萌
であった。前半は良いとして後半のセリフが思いっきり鬼ごっこ前提の話になっているが、きっと萌もまたののこのように勘違いしているのだろう。
「だから、まずアレを外してから鬼ごっこの続きをしよっ☆」
キラリと輝く笑顔を店ながら、萌はサングラスを外すため、ジャンに飛びかかった。
つまり今、3人の女の子が一斉にジャンへと突撃している状態だ。なんて羨ましい男だろうか。
だがしかし、その羨ましさも直後、すぐになくなる。
「オウッ!!?」
ジャンが素っ頓狂な声をあげた。
3人の中で最も早くジャンに飛びつくことに成功したみゆきが、思いの外速度のついた状態でジャンに飛びついたのである。
結果、勢いがあまった形となり、ジャンの体はぐらりと大きくよろめく。
背後には、真っ青な空。
そこにとどめをさすかのように、残りのふたりもドドドと押し寄せた。
「危ないっ!!」
誰かが叫んだ。
しかしその時にはもう既に、ジャンとみゆきの体は崖から放り出されていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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