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空中散歩デートジェラート
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騒ぎ出す蝉の鳴き声が耳に障る。
こうも暑いとやってられない。買い出しに行くという口実で執事の仕事を抜け出した
伊予 祐
は、星ヶ丘から足を伸ばしてシーサイドタウンまで訪れていた。
「ええっと、チラシの店はこの辺りかな?」
先ほど道端でもらったチラシを片手に、伊予はきょろきょろと辺りを見回す。
ふと目に留まったのは大きな大きな観覧車。その下に視線を移してみると、人だかりが出来ているのが見える。
と、そのただ中に見慣れた人影がいるのに気がついた。艶やかな黒髪を腰の辺りまで伸ばした小柄な女性――それは知人の
雪代 伊織
だった。
「おーい、伊織さーん」
駆け寄って名前を呼ぶと、どこか所在なげにきょろきょろとしていた彼女は伊予の姿に安堵したような表情を浮かべる。
「あら、祐さん。奇遇でございますわ」
ほんわりと笑う雪代は今日もとても可愛らしい。どきどきとやけに胸が高鳴るのを抑えつつ、伊予は爽やかな口調で彼女に言った。
「うん、こんなところで会うなんて偶然! せっかくだしさ、ジェラートでも食べない?」
指し示した先には、行列のジェラート店が。この暑い中、その誘いはとても魅力的だった。
本当は本屋に行かなければいけないのだけれど…と、雪代は少し考えるような表情を見せる。客が破いた本の新刊を買うために買出しへと赴いた雪代であったが、本屋の場所が分からず気がつけばどうしたことかこの大観覧車の下にたどり着いていたのだ。
「あ、えーと。……だめかな?」
逡巡する雪代に、伊予がうかがうように小首を傾げてみせる。
彼のそんな様子を見ていると、なぜだか断りきれない気分になってしまう。いえ、と雪代は笑顔で首を横に振った。
「ジェラート、でございますか? いいですね」
こんな暑い日ですもの、と言葉を続けながら雪代は初夏の空を見上げる。
どうせ急ぎの用ではない。少しくらい寄り道をしてもいいだろう。
雪代はフランボワーズ味に決め、じゃあ俺はどうしようかとショーケースを眺めた伊予は、見慣れない文字に目を留まらせた。
「ほ、ほうとう味?」
思わず言葉を漏らす伊予に、それまで和やかにジェラートを販売していた店員が目を光らせた。
「お客さん、ほうとう味ですか?」
どうやら誰も頼んでいないこの味を店側としてもぜひ推したいところなのか、店員は期待とかすかな圧力を込めた眼差しで伊予を見る。
そのただ事ではない視線に、伊予は一瞬困惑しそうになったがすぐに受け止め男らしくうなずいた。雪代の手前、優柔不断なところは見せたくない。
「ええ、もちろん。ほうとう味で!」
二人分の代金を払った伊予は、受け取った二つのジェラートのうち薄いピンクの方を雪代に手渡した。
「ありがとうございます。お言葉に甘えて、いただきますね。祐さんの方は……ええと、ほうとう味でしたっけ?」
耳慣れないその単語を口にしながら雪代が恐る恐る伊予の方を見ると、彼は神妙な表情でうなずきぱくりと一口食べた。
「食べたことない味だな」
口に広がる濃厚なミルクの香り。そしてリッチな味わい。
「うん、でもこれおいしいよ! おいしい!」
この感じ、走らずにはいられない!!
そのおいしさを体で目いっぱい表現するかのように、自慢の脚力を生かしてなぜか急に走り出す伊予。
「おいしい! ほうとうイエ~!」
「た、祐さん? そんなに走ったら危ないですよ」
心配した――いろんな意味で心配した雪代が思わず声をかけたときだった。
「あっ」
ずべしゃ、と走っていた勢いのまま伊予はヘッドスライディングするように転倒した。その様子に、雪代は思わず小走りで駆け寄った。
「大丈夫ですか?! そんなに走るから……!」
「う、うう、大丈夫……だけど、あーあ」
雪代に支えられ起き上がった伊予は、地面に無残に落ちたジェラートに大きくため息を着く。
「はあぁ。もったいないことしたな。もう一つ買うかぁ」
ごめんなさい、と詫びながら購入する伊予に、一部始終を眺めていた店員は気の毒そうな表情で新しいジェラートを手渡した。
「そうだお客様。今ならカップルで購入された方に、大観覧車のチケットを渡しているんです」
もしよければ一枚どうぞ。落ち込む伊予を慰めるようにチケットを手渡す店員に、彼は思わず目をしばたかせた。
「か、かか、カップルだって!?」
「はい。今日はお天気もいいですし、大観覧車からの眺めは素敵ですよ」
伊予のあからさまな動揺に気づいているのかいないのか。店員はあくまで笑顔のまま、チケットと新しいほうとうジェラートを差し出してくる。
そのやりとりを部分的に耳にした雪代は、大観覧車ですか? と目を輝かせて伊予を見上げてくる。
「私、実は観覧車って乗ったことがないんです……!」
乗ってみたいなぁ……と物語るような彼女の面持ちに、伊予ははっと我に返る。
(こ、こ、こんなところで照れてる場合じゃない! そうだ、伊織さんもそう言ってるんだし――)
「観覧車、乗ります。チケットください」
「はい、どうぞ」
店員さんは嬉しそうにチケットを渡すついでに、雪代には聞こえない小さな声でそっと伊予に耳打ちする。
「お客さん、顔真っ赤ですよ? もしかして初デート?」
「はっ、初?! そ、そんな、ど、どどど童貞ちゃうし! これには訳が……!」
首をぶんぶん振って聞かれてもないことまで猛然と否定する伊予。その様子に店員もさすがに苦笑いだ。
「あの、祐さん……どうかされました?」
「ご、ごめん。なんでもないさ! じゃあ伊織さん」
か、観覧車、行こう。
意を決して口にしたその一言に、雪代は嬉しそうに微笑んでうなずいた。
どきどきと、伊予の高度と同調するように観覧車の高度は増していく。
(ああ、心臓がヤバいぞこれ……何これ、このどきどきって……まさか)
窓の外に広がる景色に、ヒッ、と伊予は思わず小さく息を呑む。
高い。――そう、彼は観覧車が苦手であったのだ。
そして目を前に向ければ、今日も可憐で可愛らしい雪代の姿が。あっちもどきどき、こっちもどきどき。
そうかこれが吊り橋効果というヤツか……と伊予が忙しく胸を高鳴らせている一方で、雪代は子どものようにはしゃいだ表情で外を見ている。
「見てください、祐さん! 旧市街の方まで見えます!」
「そうだね、うん、すごく高い……」
雪代に言われるまま外に目を向けると、まるでミニチュアのように小さな寝子島の街並みが見える。
その高さに思わず意識がふらつくのを感じた伊予は、そのめまいに耐えるようにぎゅっと掴んだ。
――何を?
「……た、祐さん?」
雪代の困惑したような声。その声にふと窓から雪代の方へと視線を戻した伊予は、そこでようやく自分が雪代の手をぎゅっと握り締めていたことに気づく。
「うわあああ伊織さん! どうして俺が伊織さんの手を握ってるんだ!」
「わ、私に聞かれましても……」
「ごめん! いや違う、わざとじゃなくて、ほんとごめん!」
慌てて身を離して謝る伊予に、いえ……、と雪代は恥ずかしげに頬を赤く染めながら口を開く。
「大丈夫です。あの、祐さん。もしかして観覧車苦手です……?」
気遣うような雪代の言葉に、うぐ、と伊予は言葉を詰まらせた。
「ごめんなさい、私が乗りたいだなんて言ったから、無理に乗せてしまって」
うつむく雪代の顔はどんどん曇っていく。窓の外の空はこんなに晴れているのに! 違うんだ、と伊予は慌てて声を張り上げた。
「違う! 確かに観覧車は苦手だったけど、その……それ以上に伊織さんと乗りたくて、ええと、その……」
だから降りるまで、もう少し一緒にいたいんだ。
その言葉がどうしても言えず、伊予は曖昧に笑ってみせた。
そんな彼の笑みにに、雪代もこわばっていた表情をほころばせて笑顔を浮かべる。
「……ふふ、ありがとうございます。私、観覧車に乗れてとても楽しいです!」
「そっか。ならよかった」
本当に楽しいのだろう。生き生きとした表情で再び外を眺める雪代。
その横顔を、伊予はじっと見つめていた。
(伊織さん、本当にかわいいな。この感じって、もしかして)
もう一度だけ彼女の手を握りたいな。そう思って伸ばそうとした手をやっぱり下ろし、伊予は小さく息を着くのだった。
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ブロンズシナリオ(100)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
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コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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