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空中散歩デートジェラート
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約束の場に現れた少女の姿に、
畑生 言嗣
は思わず目を細めた。
よく晴れた空の下、太陽の光を跳ね返す真っ白なワンピースがまぶしい。
その裾は夏のゆるやかな風に吹かれて心もとなげにはためく。――まるで少女の心を映しているかのように。
「す、すまない。待たせたな」
大観覧車のもとに訪れた
浮舟 久雨
は、履き慣れないスカートに少しだけ頬を染めながらそう言った。
そんな彼女に、畑生は事もなげにうなずいてみせる。彼女のワンピース姿は実に新鮮であったが、あまりに直接的にそのことに触れるときっと彼女は余計に気恥ずかしさを感じてしまうだろう。あくまでいつものように悠然な笑みを見せ、口を開く。
「なに、問題ない。私も今来たところだ」
――今日も相変わらず素敵だね、久雨君。
ごく自然にそう言葉を続ける畑生に、浮舟は少しだけ身をこわばらせて彼の方を見上げる。
「……へ、変じゃないだろう、な」
「どこがおかしいというのかね。実によく似合っている」
スカートを身に着けた彼女は、ふんわりとした女性らしさが増している。いつもの男装姿も凛々しく様になっているが、やはり普段と異なる格好の新鮮さはそれだけで魅力的だ。
さて、と畑生は観覧車の方を見る。正確に言うと、観覧車の下にあるとある小さな屋台の方だ。
「人気ジェラート店とやらは、どうやらあの屋台のようだな。早速行くとしようか」
「そ、そうだったな、今日はジェラートが目的だったな」
畑生の言葉に一瞬目を丸くした浮舟であったが、すぐに思い出したようにうなずいてみせる。
これではジェラート店に行くという目的は単なる口実に過ぎないと言っているようなものであったが、慣れない格好に緊張しきっている浮舟はもちろんそんなことは気づかない。そして、畑生もわざわざ指摘するほど野暮な性格ではない。
時刻は昼を過ぎた頃。少しだけピークを過ぎた時間帯なのか、屋台前の客はまばらだ。
さして待つことなく順番が回ってきた二人は、ショーケースに並んだジェラートに目を向ける。
二人分のジェラートを購入すると、店員が観覧車の割引チケットを渡してきた。
「観覧車だそうだが……そういえば君は」
畑生はそこまで言って、彼女が高所が苦手ということをはたと思い出した。
高いところに長時間留まる観覧車という乗り物は、高所が苦手な人にとっては少々きついものである。ましてやこの高さ。寝子島を一望できそうなほど高い観覧車を見上げ、畑生は息を着く。
が、そんな彼の気遣わしげな態度に、浮舟は大きく首を横に振った。
「い、いや。問題ない、私は平気だ……」
観覧車、乗ろう。
意を決したような彼女の表情に、畑生はふふっと小さく笑ってうなずいてみせた。
空の上の密室で、浮舟はぎゅっとスカートの裾を握り締める。
なるべく外を見ないように……すると視線は自然と正面で優雅にジェラートを食べる畑生の方を向くことになり、それもどうにも気恥ずかしくてうつむいてしまう。視界に広がるのは、履いてきたワンピースの白さ。
苦手なスカートを履き、苦手な高所にも挑戦したのには彼女なりの訳があった。
(言嗣にはからかわれてばかりだ……どうやったら私の思いが真剣だと分かってもらえるのか)
「ふむ、話題になるだけあってなかなかの味だな。ほら、食べてみるかね?」
浮舟の目の前に差し出されるカップ。その中の薄茶色のジェラートは確かにおいしそうで、じゃあ、と浮舟は自分のスプーンをそっと差し入れて口に含んだ。
「……ん、確かにおいしいな」
「甘すぎないのがちょうどいい。……じゃあ、そちらのも一口頂いていいだろうか」
「ああ、もちろんだ」
浮舟も自らのカップを彼の方に差し出す。適当に選んでしまったその味は、食べなれないがなかなかのおいしさであった。
と、彼女が一歩身を乗り出した途端、その弾みでゴンドラが不意にぐわんと大きく揺れる。
ひゃっ、と思わず浮舟が小さく悲鳴を漏らしたのと同時に、やわらかく溶けかかっていたジェラートが彼の胸元にこぼれてしまった。
「おっと、大丈夫か?」
「わ、私は大丈夫だ。それよりもすまない、こぼれてしまって……!」
「何、これくらい問題ないさ。洗えばすぐ落ちる。それに観覧車とはこうして揺れるものだ」
浮舟のジェラートは幸い畑生が着ている白のシャツと同じ色だったため、染みはほとんど目立たない。しかし高所への恐怖とこぼしてしまった申し訳なさで、浮舟は顔を伏せてしまう。
「本当にすまない……」
「いや、私も不注意だったな。シャツのことは気にしなくていい。……それより、大丈夫かね」
やはり高いところは怖かったのだろう。さすがに気遣わしげな面持ちで畑生が尋ねると、浮舟は小さく首を振った。
「それが……こ、怖くて。……う、すまないが、地上にいるまで……隣にいてくれないか」
途切れ途切れに紡がれる声。そんな弱々しい頼みごとに、畑生は目を細めてほほえんでみせた。
普段のクールで皮肉交じりの笑みとは違う、かすかな優しさをにじませて。
「ああ、心配しなくともいい。私は常に君のそばにいる」
その言葉は畑生にしてはやや直接的すぎるものであった。
いつもと違う自身に気づき、畑生は安心させるように浮舟に寄り添いながら内省する。
(……彼女を怯えさせないためにも普段通りに振舞おうと努めてはいたが、どうやら私も少し舞い上がってしまったようだ)
畑生は慣れない彼女のスカートの理由をちゃんと知っていた。だからこそ今日はその気持ちに誠実に答えようと、彼なりに真摯に接したつもりだ。
観覧車は今きっと、一番高い位置にあるだろう。遠い水平線を見つめながら、畑生はすっと目を細めた。
地上に着いた観覧車から降りると、浮舟はがくりと力なくうなだれていた。
せっかく真剣に彼に向き合おうと思ったのに、空回りばかり。
(畑生の言動は相変わらずだし、観覧車では迷惑をかけてしまうし……似合わん真似などして、情けない)
目に見えて落ち込んでいる様子の浮舟の様子に、畑生はやはり普段と変わらない様子で声をかける。
「今日はとても楽しかった、ありがとう」
「……いや、迷惑をかけた。本当にすまなかったな」
力なくうなだれたまま、そのまま立ち去ろうとする浮舟。
ひらり、と白いスカートが翻った次の瞬間、畑生の体は半ば自然に動いていた。一歩踏み出すと、その手首を握り締める。
「とっ、言嗣?」
驚いたような浮舟の表情。困惑の言葉を続けようとする彼女の声に被せるように、彼は口を開いた。
「浮舟久雨君、私は君の事が好きだ」
だから私と、付き合ってはくれないだろうか。
まっすぐに彼女を見つめる畑生の目は、いつものような超然とした様子は見えない。
その言葉に――まったく想定していなかった、愛の、告白に、浮舟は困惑しきって小さく震える。
「と、言嗣……貴様、そんな、本気で……」
口にしながらも、彼が本気であることはその真剣な眼差しを見れば明らかだ。
彼は本気で、自分に愛を告げている。
その事実を改めて直視した浮舟は、気が付けばあまりの気恥ずかしさに走り出していた。
「く、久雨くん?」
かすかに驚いたような畑生の声を背中に聞きながら、それでも浮舟は走ることをやめない。
(ば、バカか私は! なぜ走って逃げてるんだ! あいつは確かに真剣に告白してくれたというのに……!)
走り去っていくその姿を呆然と見つめ、畑生は小さく肩をすくめることしかできなかった。
やはりまだ時期尚早であったのか、と。
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担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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