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【夏のカバーガール】
ねこぴょんの日から4ヶ月後の、夏のこと。
城山 水樹
は、大手出版社から刊行されるある詩人の文庫全集の、表紙モデルを任されることになった。
カメラマンは、水樹の恋人の
ヒュー・ヒューバート
で、こちらも件の出版社からの依頼だった。
文庫は、全12巻。
写真は、収録されている作品に合わせて、寝子島のあちこちで撮影されることになった。
最初の撮影は、旧市街にある水樹の実家の古書店だった。
水樹は、事前の打ち合わせのとおりに浴衣をまとい、レジの前に座って所在なげに文庫本を読んだり、書架の前でどこか空想するような表情で佇んでみたりする。
(さすがは、プロのモデルだな)
そんな彼女を、カメラのレンズを通して見ながら、ヒューは思わず内心に唸った。
ファインダーの中の彼女は、みごとに古書店の空気と溶け合って、古い紙の匂いを伝えて来るかのようだ。
古書店の次は、旧市街の北側にある海岸での撮影だ。
水樹は海岸の波打ち際を、浴衣を着て日傘をさして歩く。
(うう、暑い。……日傘があるのに、汗だくだし、溶けそう……)
撮影が始まるまでは、そんなことを胸の中で考え、呻いていた彼女だ。しかし撮影が始まると、まるで周囲に風が吹いているかのごとく、涼しげな顔で背筋を伸ばして歩いている。
そんな彼女をファインダーごしに見つめながら、ヒューはまた胸を熱くした。
彼女の所作にはなんともいえない風情があって、打ち寄せる波に半ば消されていく足跡までが、儚げに感じられるのだ。
彼らは、海岸の一画に出ている海の家でも撮影を行った。
水樹は縁台に座って、片手にラムネを持ち、それに時々口をつけながら、膝の上に広げた文庫本を読みふける。
縁台の上には庇があって、日陰になっているため、海岸よりはいくらか涼しかった。
冷たいラムネの瓶も、その中身も、ずいぶんと汗まみれの体を癒してくれる。
(日陰が気持ちいい……)
内心に小さく息をつきながらも、水樹は相変わらず涼しい顔で、風景に溶け込んでいた。
彼女のその風情は、詩人が活躍した昭和中期の空気を醸し出すかのようだ。
ちなみに水樹はここまでで、3回浴衣を着替えている。
というのも、写真は1ヶ所で撮影したものが、文庫1冊の表紙になる計画で、1冊ごとに当然衣装も変えようということになった。
浴衣は夏の着物ではあるが、現代の日本人にとっては、けして楽な衣服ではない。きつく締められた帯は苦しいし、長い裾も袖も、猛暑の中では、暑苦しいものでしかなかった。
着替えは、クーラーの効いた移動用のマイクロバスで行うので、そこはずいぶんと楽だった。だが、着替えと共に、髪型やメイクも変えるので、時間もかかる。
(うう……。頻繁に浴衣を着替えるのって、けっこう大変)
3回目の着替えの時、水樹は着替えさせてもらいながら、胸の中でぼやいたものだ。
もちろんそれは、あくまでここだけのことだ。撮影が始まれば、彼女は凛と背筋を伸ばして、昭和の空気をまとう。胸元や額を流れ落ちる汗も、背中に張り付く着物も、いっさい見る者に感じさせることはしなかった。
海の家での撮影が終わったところで、遅い昼休憩となった。
マイクロバスに戻って、水樹はホッと吐息をついた。バスの中はクーラーが効いていて、快適だ。
弁当が配られ、水樹とヒューは隣り合って座り、それを広げる。
「実は僕、この詩人のファンなんだ。だから、この撮影の話が来た時には、運命のようなものを感じた」
食べながら話すうち、ヒューはふとそんなことを口にした。
嘘ではない。
その詩人は、彼が愛読する作家たちの1人で、作品の世界観やエッセイで綴られる考え方に、強く惹かれていた。ただ、写真という文学とは別のジャンルにいる自分が、こんな形で関われることがあるとは思ってもいなかったので、仕事が来た時には、運命的なものを感じたのだ。
彼の言葉に、水樹は思い出したように言った。
「そういえば、あなたの本棚に、この詩人の本が並んでいたわね」
そして、笑って続ける。
「今度読んでみようかな」
「それなら、僕のを貸そうか?」
彼女が興味を持ってくれたことがうれしくて、ヒューは申し出た。
「ええ、お願いするわ」
水樹が目を輝かせて、うなずく。
二人はそのあとも、あれこれと話しながら、食事と休憩時間を過ごした。
昼休憩が終わって、次に移動したのは、寝子島神社だった。
水樹は4回目の着替えを終えて、神社の鳥居の傍に立つ。
鳥居にもたれて彼方を見つめる水樹に、ヒューはカメラを向けた。
(彼女は、一編の詩そのものだ)
ふいに、彼の胸にそんな思いが浮かぶ。
バスの中で、普段と変わらない、自分のよく知っている彼女を、見ていたせいもあるかもしれない。
そこにいる彼女は、姿形はヒューのよく知る女性だけれども、実際にはそうではない――詩人の詩の具現化そのもののような、そんな気がした。
(そういえば水樹……昼休憩の時にも、愚痴とか言わなかった……)
ヒューは改めて、そんなことをも思う。
水樹はもともと、仕事の愚痴を口にしたりしない方だ。それでも、この猛暑の中で何度も着替えるのが、辛くないはずはない。しかも、撮影自体も炎天下の戸外がほとんどだ。
ファインダーの中で、茫漠と空の向こうを見つめる彼女の姿に、ヒューはふいに胸に突き上げて来る熱いものを感じた。
それは、水樹への愛しさと、写真家としての情熱だった。
(最高の全集にしてみせる。僕が愛する詩と、僕が愛する彼女の、たった一度の共演なのだから)
そう胸に誓って、彼はシャッターを切る。
そんな彼の思いが伝わったかのように。
(運命かどうかはわからないけど、せっかくもらったこの仕事。モデルとして、最後までやり切ってみせるわ)
水樹もまた、胸の中で気持ちを新たにするのだった。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年02月01日
参加申し込みの期限
2026年02月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年02月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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