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ムーンライツ・ムーンドライブ III
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言わば高層ビルの建築現場に伴う足場だ。その巨大版とでも言うべきものが壁にぴったりと張り付いていると思えばいい。そんなものが断崖の一面に広がっている。そこには家々があり、店があり、庁舎がありランドマークたる大きな時計塔もあった……壁面から真横へ飛び出した、奇妙な構造物ではあったが。
「未知は既知にしたい、というのは俺の行動原理の一つではあるんだが……」
停車したタクシーから降りると修は危なげなく安定している鉄製の床を歩み、縁に立っている柵を掴んで虚空を見つめた。
「これは驚いたな」
巨大な月が天上を照らしている。その光量が深淵を余さず照らし出した。本当の虚空、真の深淵。何もない。断崖の下に地はなくどこまでも暗い穴が広がるばかりだ。もし飛び降りたなら永劫落下を続けることになるのではなかろうか。
「この下は、どうなってるんですか?」
あおいが運転手に尋ねるも分からない、とのことだった。
崖から突き出した床面は広く幅百メートル程度はあろうか。水平の床が幾重にも重なり、それらを斜面が繋いでいた。階層に並ぶ民家や店などはどこかヨーロッパ風の様式であり、屋根も壁も白で統一されていて洒脱だ。往来には無数の人々が行き来している。修などは角やら尾やら翼やらを生やした異世界人を想像したものだが、少なくとも見た目にはごく普通の人間たちであるようだった。
「うわ~、ヘンなところだね。あっ、いいにおいがするよ英二君! 行ってみよう!」
「あっちょ、ののこさん?」
駆け出したののこに英二は慌てて追従し、修とあおいも後を追う。運転手を振り返ると「ここでお待ちしておりますから」帰りは心配するなと言ってくれた。
斜面を一つ降り下の階層へ降りると屋台村のような空間となっており、香ばしいにおい、甘いにおいと入り交じり周囲を満たしている。
「ハテノオヤキはいかがかね。ハテノオヤキ、いかがかね」
はたはたとウチワをあおぐ巨漢が営む屋台へののこは駆け込むと、品物も見ずに言った。
「四つ、くーださい!」
「あいよー。ハテノオヤキ、四本だね」
「はてのお、やき……?」
すぐにも手渡されたのは何かの肉を焼いたシンプルな串焼きだが、一見して何を食材としたのかは判然としない。
「んんんんん。美味しい! 美味しいよー英二君、食べてみなよ! はいっ、あおいちゃんと修君も!」
「う、うん」
笑顔のののこに急かされて、三人も串焼きを頬張る。
「す、すごい歯ごたえ……!」
「これって、鶏肉? 豚肉? 牛? それ以外? あはは、全然分かんないよ~」
噛み応えがあり飲み下すのに中々苦労をする。食感は何とも形容しがたく、少なくとも英二の語彙には存在しないものだが悪くはない。味付けもパンチが効いており、香辛料がぴりりと鼻を突く。そうしてぐにぐにと噛んでいるうちえもいわれぬ旨味が口一杯に広がった。ののこの笑みもとめどなく深まる。
「ホルモン焼きに似ている気もするが、臭みは無いな」
「うん、美味しいかも。あのー、店主さん、これは何のお肉ですか?」
修とあおいが尋ねると、店主はにやりと口角を上げて不敵に笑った。
「だから、ハテノオさ。あんたら、どっかよそから来たんだろ? だったら丁度いい」
「丁度いい、というと?」
「もうすぐハテノオ狩りの時間だからな。見ていくといいや」
店主がそういった直後のことだった。どこからかけたたましいサイレンが鳴り響き赤と青のランプが階層を照らし始めると同時、微細な振動が足場を揺らした。
「きゃあっ!?」
「何だ……!?」
あおいの肩を抱き止め支えつつ修は震動の出どころを探り、視線は自然と目の前に広がる深淵を見据える。
世界の果て。切り取られた大地の向こう。何もない虚空の穴から、何かが伸びてくるのを見た。ののこは目を丸くし英二は思わず口を開けた。
蛸の足だ。あえて形容するならば。幅数十メートルはあるだろうか、途方もなく巨大な蛸足めいた触手が虚空から立ち上がったのだ。触手は真っ黒で、ネオンサインのような七色に輝くラインが幾筋も表面を走っている。
「そら、始まるぞー」
楽しそうな店主の言葉と共に、崖上からケーブルで吊るされ降りてきた四角い箱のようなものから激しい銃火が放たれ始める。それらは銃座であり大口径長銃身の二連装機関砲による十字砲火が足場へ伸びる触手を引き裂き迎撃した。銃弾に引き千切られた触手の肉はそのほとんどが虚空へと落下し消えていったが一部は足場へと落下し、それでも生命力を失わずしばらくの間虹色に輝きながら蠢き続けていた。
「つまり……あれがハテノオ?」
修の問いは半ば確信あってのものながら、口にせずにはいられなかった。
「最初はみな、面食らうがね。安全や衛生には問題ないよ、シビアに確認しているし長年の研究の賜物でもある」
店主の言に修とあおいは眉をひそめ英二は複雑な顔を浮かべている。ののこは言った。
「へー、変わってるねぇ。もう一本!」
「あいよ。何でこんなところに街を、って思うだろ?」
二本目を微妙な顔で受け取った彼らに店主はしたり顔で語って聞かせた。
「下層は研究機関になっててね。彼らが言うには、世界の果ては人間という生き物の既知限界なんじゃないか、とさ。果てを超えたところで目に入るものを人間の脳では理解することができない。しかし、悔しいじゃないか? 人間ってのは未知を既知にしたいと本能で考えるらしいや。研究者がこぞって集まってガサゴソやってるうち、いつの間にやら街になってたんだよ」
奇しくも彼の言葉は、先ほどに修が口にしたものと近しい。確かにそうだ。人間は未知なるものから目を離してはいられない生き物なのだろう。
「未知なるを知るため、か」
あらためて修は二本目の串焼きを口にする。英二もおっかなびっくりで一口。
「悪くはないな」
「ていうか、美味しいよね。たしかに見たことも聞いたこともない、食べたこともないグルメだったよ」
理解はできないが近づこうと努力することはできる。そんな欲求を究めたのがこの街なのだろう。
四人は屋台村の店々をはしごし、心行くまで未知なるグルメを堪能した。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。
夜のドライブ。何だか続いています。
都会に住んでいるとあまり夜空を見上げる機会がありません。月も星もあまり見ないというか見えないのですよね。
たまには自然の中で夜明かしして星とか眺めてみたい。と、ちょっと憧れます。
次があればまた、奇妙な夜のドライブをお届けできればと思います。
それではまた次回に。
網でした。
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担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月23日
参加申し込みの期限
2025年11月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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