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ムーンライツ・ムーンドライブ III
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青紫に染まる高速道路を疾走する。流れ来る外灯の明かりがリズムを刻んだ。
「どーだー、
晴月
ー?」
「気っ持ちいいー!」
さすがは風の精……いや元風の精か。窓から吹き込む風と黄昏の火を浴びて彼女の表情ごとオーロラめいて煌めいた。楽し気な恋人に気を良くした
桜井 ラッセル
は微笑みラジオのスイッチを入れた。秋の終わりを憂う三十年も前の歌謡曲が流れ出したが晴月は気に入ったようだった。
恋人と夜のドライブはこれが初めてだ。不思議とこれまで機会がなかった。昼間は本土の遊園地で絶叫マシーンを枯れるまで堪能し、美術館で地域ゆかりの作家たちが描いた汗の滲むようなタッチを心行くまで眺め、一日を満喫していたらあっという間の宵の口だ。美術館の物販コーナーで土産を物色していた晴月がうつらうつらと舟を漕ぎ始めたくらいだから相応に楽しんでもらえたのだと思う。
「ラッセル、運転うまくなったよね」
「だろー? 練習頑張った甲斐があったぜ」
車はレンタルのコンパクトカー。鮮やかなイエローがラッセルの髪の色に似ているとはしゃぐ晴月が選んだものだ。束の間の相棒ながら軽やかな足回りで縦横無尽に二人をどこまでも運んでくれた。とはいえこうも操れるのはラッセルの特訓の賜物だろう。免許を取得したのはもう数年も前になるが、晴月とこうしてドライブをしたくて揺ぎ無き自信がラッセルの内に息づくまでそれはもう寝子島中を走り回ったものだ。あの頃は寝ても覚めても運転、創作活動、運転、とそればかりであった。思い返してラッセルは苦笑いを浮かべた。よくもまぁ飽きずに続けたものだがおかげでこうして晴月を隣に乗せてゆったりと運転を楽しむことができる。
「何か……懐かしいね」
不意に晴月が言った。
「うん?」
「空を飛んでるみたいだなぁ、って」
確かにそうだ。ラッセルはカナリアとなり、晴月は風に乗ってどこまでも飛翔した記憶が瞬間、まざまざと蘇る。高空から眺めた街並み。森の上空を飛べば数えきれない程の生命の営みを感じることができた。壮大かつ慈愛に満ち、同じくらい過酷で、だからこそ自然は美しいことを実感した。自分はちっぽけなその一部に過ぎず、だからこそ隣人たちの存在を強く感じ取ることもできた。懐かしい日々、輝かしく……今はもう手の届かない日々。
さりとてこうして一本道をひた走るのが悪いわけではない。これがまた心地の良いものなのだ。空の記憶は今もって尊いが地に足つけてじっくり歩む楽しみもある。窓を開ければ風も変わらず頬をなぞってくれる。
「そうだな、懐かしいな。けどドライブも俺は気に入ってるんだ。こうやって晴月を隣に乗せてさ、ゆっくり走るのも悪くないぜ」
「ん……そうだね。ラッセルの隣なら、安心できるし……ふわぁ」
「あれ。晴月?」
助手席を見ればシートにもたれ、恋人は静かな寝息を立てていた。よほどに疲れたのだろう。晴月の娯楽の味わい方ときたらいつだって全力全開で笑顔弾けるものだから。話し相手が寝入ってしまいラッセルの胸を寂寥がかすめたが、笑って起こさぬままにした。運転しつつ時に寝顔をちらと眺めるのも悪くない。
晴月がぱちりと目を開ける頃には窓の外へとすっかり夜の帳が降りていた。灯る街の明かりは寝子島のものだ。
「起きたか? もうすぐ着くぞー」
「ん~」
目をこすりながら身を起こした晴月はしばし呆けていたが、おもむろにごそごそと取り出したのは美術館の土産コーナーで買ったクッキー缶だ。
「今食べるのか? 晩飯食えなくなっちゃうぞ」
「少しだけ! コバラヘッタんだもん」
ぱこんと小気味良い音を鳴らして開封するとクッキーを頬張る。満足そうな顔が何だか可笑しくてラッセルは噴き出した。
「はいっ、ラッセルも!」
「あ~ん」
ハンドルから手を離せないので給餌を要求する。放り込まれたクッキーは口の中で解けるようにほのかな甘さを広げ、ラッセルの頬も緩む。
「美味しいね!」
「ん、美味いな。って、出口あそこじゃん! 降りねーと!」
慌てて、しかし安全を保ちつつハンドルを切る。けらけらと笑う晴月の頬は夜闇を照らす月明りを受けて幻想色に染まっていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月23日
参加申し込みの期限
2025年11月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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