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ジ・オータム・ボディタッチ日和
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「ぬ、ぐぅぅぅ」
苦悶。惨痛であった。
「どうなってんだ。これは……やべぇ……!」
道を歩む
京極 花音
へ襲い来る衝動は最早臨界を迎えようとしていた。ヤカンで言えばピーとやかましく鳴り響いているし列車ならば限界速度で駅を通り越しオーバーランする勢いだ。メルトダウン寸前である。配達の鉢植えを持って強面で大股に歩むものだから恐ろしいんだか異様なんだか分からない、ある者はいかつい顔をした男が花を愛でる様を可愛らしいと感じたかもしれないが、ともかく奇妙ではあった。
何しろ時折寝子島へ吹き荒ぶ桃色の風ときたら情け容赦もない。いかなる者であっても平等かつ公平に影響を及ぼすのである。可憐な乙女であっても脂ぎった中年男性であっても変わらずだ。風に吹かれたなら誰しもがオールウェイズボディタッチ日和である。人肌恋しく誰かにくっつきたいのである、むぎゅっとしたいしすりすりはむっとしたいのである。れろれろあむっとしたいのである、これが他ならぬ花音であってもだ。
「ぬおぉぉぉ」
すりはむする対象は誰でも良さそうなのがまた花音には恐ろしい。大の男が通行人のサラリーマンやら買い物中のママやらにうっかりかぶりつきはむはむれろっとしたりしたら大参事だ。だからそんな欲求から必死に気を逸らそうとしてか花音は肩をゆすり首をぐりぐりと回し、よろめき千鳥足となったからそれはもう奇態である。
「くぅぅぅぅ」
本当にこの様で配達に赴くのかと自問自答するも彼はアルバイターとして昨今希少かもしれない責任ある若者であるから、歩みを止めることもない。えっちらおっちらと牛歩で進む。いくばくか進む頃には彼の矜持が羞恥心を上回っていた。注文先へ届けねばならない。配達を完遂せねば。自分がいかように見られたとしてもこの鉢植えだけは、この花だけは無事に手渡さなければならないのだ。自分がどうなったとしても、花だけは。花だけは。
「ふぐぅぅぅ」
歯を食いしばり一歩また一歩と進みやがて、ようやくにして目的地へとたどりつく頃には夕刻となっていた。
「お、お待たせ、いたしました! ご注文の品、お届けに……」
「あっ、京極さん♪ お勤めご苦労様です!」
これも定めか。はたまた運が悪かっただけだろうか。よりにもよってこんな時、届け先は花音の想い人たる
暁月 静
のところであった。まぁ伝票を見れば一目瞭然であるのだが、恐るべきボディタッチ衝動に耐える花音は見落としていたらしい。彼の双眸は大層丸くなった。
「え、う、あ。え? 静……さん?」
「まぁ、綺麗なお花! 今日は何だか、お花がほしい気分だったんです。何か良いことがありそうな予感が……あらっ? 京極さん、どうかしたんですか? 何だか苦しそう……?」
「いえっ。何でも……ないッス! 何でもっ……」
親切や親愛の情が故にだろう。静が心配そうに眉を寄せて身を近づけると、花音をこれまでとは比べものにならない衝動が襲った。先程までの押し寄せる欲求などまだまだ序の口であったらしい。荒波のように襲い来る、ともすれば流されてしまいそうな情動が腹の底から湧き上がった。
「大丈夫ですか? お腹が痛いんですか? 吐きそう? めまいがするんですか?」
「いやっ、何ともないッスから……! ちょっと休めば治るッスから」
「いけません!!」
びしりと強い口調と真剣そのものの静の顔に、思わず花音は固まった。静は花音の抱えた鉢植えをそっと降ろさせると言った。
「無理をしてはダメですよ。京極さんが死んでしまったら、私が困ります」
「死っ……!?」
「さぁ、深呼吸をして。落ちついてください。ゆっくりと息を吸って。吐いて……」
「は、はいッス……うわっ!?」
次の瞬間だった。ぐいと中腰にさせられ何やら温かいものに顔を包まれたかと思えば、あれ程に荒れ狂っていた衝動がまさしく波の引くように霧散してゆくではないか。
「リラックス。リラックスですよ。心を落ち着けてくださいね」
「……ほわぁ」
花音を包み込んでいるのは静の慎ましく清楚な胸であり彼はむぎゅっと抱き締められているのだった。すりすりやはむはむこそ無かったが、花音にとってそれはそれは至福の時となった。
まぁ直後に再び悶絶することとはなったが。
「すんません静さん! 俺は何て醜態を……!」
「ふふっ、落ち着いたみたい。良かったです」
ほっとした様子でそう言った彼女の頬がどこか紅潮して見えたのは気のせいだろうか。夕暮れ空の差し込む黄昏れの輝き故にだろうか。いやしかし、もしかしたら……ひょっとしたらだが静もまた、今朝からあの桃色の風に吹かれていたのかもしれない。
「やっぱり、今日は良いことがありました」
「な、何ですか、それって……?」
静は花音の届けた鉢植えを大切そうに抱えると、ほんのりと朱に染まりながら、怪訝そうに首を傾けた花音へ微笑んだ。
「ヒミツです♪」
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
秋のボディタッチ日和でした。何が秋のだったかは良く分かりませんが。
人は時に孤独を好むがその実、真の孤独をこそ厭うのだと言います。
家族や友人など大切な誰かと触れ合う機会があるのなら、それをどうか大切に。いつまでも訪れるとは限らないのですから。
今こそがあなたにとってのボディタッチ日和であるかもしれません。
多分。良く分かりませんが。
それではまた次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
お色気
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月11日
参加申し込みの期限
2025年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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