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九夜へ挑む
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ずるりと靴底が滑った。沢の水面に燐光弾ける様へ心奪われた瞬間に生じた隙だった。
「わ、わ。わっ」
「柚春!」
浅い水辺の濡れた岩へと視線が近づくにつれ冷たい焦燥が背を這い上る……といってどこか手放しに安心している自分もいる。すぐさま手を差し伸べてくるパートナーが隣にいるからだ。
「危なかったねぇ。大丈夫かい? 足捻ったりしてない?」
「うん、大丈夫。ありがと、ワット」
稲積 柚春
の傍らに
ウォルター・B
。当たり前の定番となって久しい光景であり、彼の存在が柚春の歩みを地に足つけて確固たるものにしてくれる。
九夜登山、選んだルートはややハードな西側方面だ。今日の現象がために山登りの知識を得たり技術や技巧が身に着いているものの、柚春もウォルターも山登りの経験は浅いから全くもって油断はできない。つまるところ互いの連携が肝要だ。幸いコンビネーションには自信がある。
「よしっ。まだまだ序盤だもんね、気合入れて行こう! おーっ」
「おーっ。気合入れるのはいいけど、慌ててまた転ばないようにねぇ」
「大丈夫だよー、そんなに僕だってそう何度も……うわぁ!?」
あの青い瞳に見守られていることでいささか、どうしても気が緩んでしまうのだろうか。なんたって彼が頼りになりすぎるのがいけないのだ。
「はぁ、危なかった。ありがと、ワット……むぅ~、カッコ悪いなぁ」
「ははは。ま、少しくらい隙があるほうが、愛嬌があるってものだよぉ」
彼に肩を抱かれているのは気分が良いが、少しはいい所も見せたい柚春である。
急勾配に足を突っ張り、突き出した岩へ手を伸ばす。爽やかな水の流れは遥か遠くなり、九夜の中腹を昇ってゆく。土は固く締まりところどころに見られる岩々は身体を押し上げる端緒となるが、坂道の角度には比較的容赦がない。少しばかり気を緩めれば先程の柚春のように足を取られ、受け止める者も無くば眼下へ真っ逆さまに転がり落ちてゆくのみだろう。
「柚春、手を伸ばして」
「うんっ」
「よいしょっ、と」
ぐいと逞しく岩の上へと引き上げられる。平らな岩盤に人心地つき、ふと背を振り返る。
「うわぁ……!」
「お、絶景だねぇ」
狭い足場に気をつけながら彼へとしがみつく。これまで登ってきた道の急角度にも改めて驚くが、その向こうに広がるパノラマに思わず息を呑んだ。青々として澄んだ空。赤に黄にと色付き始めた樹々。街の喧噪は遠くまるでミニチュアのよう。玩具みたいな寝子電がゆっくりゆっくりと走ってゆく。海はさざ波を立てて穏やか。まるで眠っているかのようだ。
「寝子島って……綺麗だね」
不意に何故だか涙腺が緩み目元に雫を溜めたのをウォルターに見られまいと目を逸らす。といって彼には見られていたかもしれないが、だからといって揶揄するようなこともない。ただ強く温もりに抱かれて、柚春は小さく鼻を鳴らした。
無事に登頂を果たすと山頂の一画に湧水が湧き出ていた。
「コーヒーでも淹れよっか」
「いいねぇ。今日は紅茶じゃないんだ?」
「うん、天然水はコーヒー向きだから」
そう柚春は簡単に言うが用意してきたものは中々に本格的だ。アルミのコッヘル、バネ式で組み立てがワンタッチのドリッパー、手のひらサイズのコーヒーミルまである。小瓶で持ち込んだ豆を挽くとたちまち豊かな香りが立ち昇った。小鼻をひくひくとさせた彼が可笑しくて思わずくすりと笑う。バーナーで沸かした湯で抽出したコーヒーの味わいは格別であり唯一無二だ。地上で飲むものとそう変わりはしないはずなのに、山岳の薄く冷たい空気やどこまでも広がる青の演出は何にも勝る調味料となった。
「ふふ……」
所が違えば異なる一面も見えてくる。コーヒー然り、愛しい伴侶然りだ。どこか呆として物思いに耽る静かな横顔をしばし見つめた。
「来て良かったね」
「うん。たまには身体を動かすのもいいもんだ」
「また山登りしてみる?」
「そうだねぇ。今度は普通の九夜山がいいな。いつも君が足を滑らせるのを見ていたら、心臓に悪いよぉ」
「も~、そんなに転ばないってば!」
頬を膨らませて睨み合い、互いに何か言う前に吹き出した。風が吹き抜け、未だ湯気立つコーヒーに暖を取る。肌寒さに彼の温もりを胸の内に手繰り寄せる。得もいわれず豊かな感情に包まれながら、日が暮れるまでそうして過ごした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
動物・自然
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月04日
参加申し込みの期限
2025年10月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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