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ムーンライツ・ブルームーン
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思わずぎゅっとしがみつく。
「離れないで下さいね……?」
「うん。そうだね、一緒にいよう」
月は狂気を招く。物語を嗜む者なら誰でも知っている基本原則である。満月の下にあっては必ず事件が起こるのだ。殺人事件、獣憑き、集団失踪、カルトの黒ミサ。人生を彩る数多の書籍にそれらを目撃してきた
綾辻 綾花
は、あるいは
早川 珪
もまた、こんな月の夜には心細く肩を縮めずにはいられない。
ましてや今宵の月は何故だかさめざめとして青いのだ。いかなる前代未聞が我が身に降りかかるものか。戦々恐々としていささか震えた綾花の肩を珪が抱く。彼とのデートはいつも幸福に満ち刺激的だが、今夜はより一層スパイスの利いた逢瀬となりそうである。
シーサイドタウンへ足を踏み込めば異変は言わずもがなであった。何しろ人っ子一人いないのだが、その代わりに毛玉めいた影たちがあたりをうろめいていた。松明にごうごうと炎が焚かれ、太鼓の軽やかな音が乱れず一定のリズムを刻む。ニャントットット、ニャントットットと音は弾んだ。
「月猫様を崇めるニャダ」
「今宵もどうかおいでくださいニャダ、月猫様」
「お願いしますニャダ」
猫だ。
「猫です……か?」
「猫だね……後ろ足で立って歩いてるけど」
カルトの黒ミサなどと先に挙げたが、今夜街を席巻しているのは猫のカルト集団だった。月猫様なる何者かを信奉する狂信者猫たちが集い、ニャントットットと太鼓を叩き歌い踊る奇妙な儀式の真っ最中であった。黒猫白猫、三毛猫ブチ猫と毛様はバリエーション豊かだがいずれも黒いローブを頭にかぶっていた。
「誰かいるニャダ」
「猫じゃない何かがいるニャダ」
「何者ニャダ」
「わ。み、見つかっちゃいました……!」
突きつけられた手製の槍は猫の肉球で拵えられたものだろう、先が丸くふにゃんふにゃんで何にも刺さりそうに無かったが、ひとまず珪と共に従うことにする。
「こっちへこいニャダ」
猫たちに導かれるままキャットロードの真ん中へと歩を進める。アーケードの中央にはどでかい釜が設置されており何かがぐつぐつと煮込まれていた。
「何でしょうか、あのお鍋」
「カルトの儀式といえば……いや、口にするのは止しておこう」
過去に読んだ物語か何かを思い出したか、珪は想像を口にするのを止めた。さぞおぞましい儀式の産物であり忌まわしき供物が鍋の中にはしこたま投じられているのだろう。
と思いきや、ふにゃふにゃ槍を突きつけている黒猫があっさりと言った。
「クリームシチューニャダ。塩分控えめ、ネギや玉ねぎ類も使ってない猫用ヘルシーお鍋ニャダ」
「あ、そ、そうなんですね……」
そういえば漂ってくるのはとても食欲をそそるいい香りであった。
「月猫様への捧げ物ニャダ。お前たち不敬なるニンゲンも、ついでに月猫様へのイケニエにするニャダ」
「はぁ」
きりりとした黒猫の語る言葉はいかにも不穏であるし大ピンチっぽいのだが、綾花と珪はいまひとつ危機感を抱けずにいる。あたりはシチューのいい香りが漂っているし槍はふにゃふにゃだし、何といっても猫たちはカルトといっても愛らしいことに変わりはないのだ。
ニャントットット、ニャントットットとリズムは大仰を増し猫たちの歌も踊りも最高潮へ達する頃、大鍋から光が弾けた。花火のように燐光は舞い散り、気が付くと二人の目の前には一人の青年が立っていた。儚げで透き通るような白い肌をした美しい青年だった。
「月猫様ニャダ!」
「月猫様が降臨されたニャダ!」
なるほど青年の頭には銀色の髪に紛れるように猫のような耳が生えていた。腰のあたりには縞模様の尻尾も揺れている。笑みを浮かべた青年は物言わぬまま、綾花と珪の二人を手のひらで促す。キャットロードに据えられている何の変哲もないベンチだが、彼がふわりと腰かけると何やら輝く玉座のように思われた。
「不敬なるニンゲン、お前たちは月猫様に招かれたニャダ。客人ニャダ」
「座るニャダ。もてなすニャダ」
「え、え? えっ?」
月猫様とやらの隣に座らされ碗に盛られたクリームシチューを勧められる。しばし綾花の瞳は青年と顔の間を行ったり来たりしたが、やがて意を決し添えられたスプーンを取り、口に運んだ。
「お……美味しいです。ニャダ」
歓声が上がりニャントットット、ニャントットットとリズムは早まってゆく。猫用シチューはあんまりにも薄味に過ぎ、同じように口をつけた珪の複雑そうな笑みを見て、綾花は笑いを堪えるのにひどく苦労をした。
儀式が宴へと変わり最高潮へと達したところで、キャットロードはいつもの平静を取り戻した。
「……可愛かったですね」
「うん。可愛らしかった。驚いたけど」
隣には変わらず珪の笑みがある。今度は口元もひくつかせず心よりの微笑だ。
「珪さん」
「うん」
「帰ってクリームシチューを作りましょう」
「そうしよう。味のついた食べ物が恋しいニャダ」
「ふふっ! 私もです」
手を繋ぎスキップしながら家路を辿った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年09月12日
参加申し込みの期限
2025年09月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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