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寝子島高校
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「ハロー、七瀬」
「こんにちは、ウォルターさん!」
倉前 七瀬
と
ウォルター・B
の道行きは往々にして偶然から始まる。いつも何だかツイているのだが、今日この公園のベンチへ彼を誘ったのは七瀬の意思だ。風任せも味わい深い、しかし殊更に共有したいことがあるのなら自ら声をかけることもある。この匙加減、距離感が七瀬は気に入っている。
「ほい、コーヒー。と、そこのお店で見かけてさぁ、食べて見たくなってさぁ。生ドーナツだって」
「あ、気になってたやつ! ありがとうございます~」
「少し前から流行ってたみたいで、今はドーナツブームらしいねぇ」
七瀬はマラサダ、ウォルターはイチゴクリームだ。生ドーナツと普通のドーナツの違いは世間でもいささか曖昧であるらしいが少なくとも、七瀬が早速頬張ったドーナツの中にはとろとろのクリームが満載で生地もふわふわ、確かに食べ慣れた味わいとは一線を画する新感覚だ。
濃厚な甘みをコーヒーで中和していると、ウォルターが言った。
「仕事はどう? もう慣れたかい。って、この前も聞いた気がするけど」
「同僚ですからねぇ。はい、随分慣れましたよ。早川先生も良くしてくれますし」
寝子島高校卒業、そして木天蓼大学卒業。辿ってきた道を振り返るとその濃密に圧倒される。まるでこのドーナツのクリームみたいにぎっしりだ。それでいてふわふわとして鮮烈な味わいだ。
七瀬は寝子高の司書教諭となった。なるべくしてなったとも言える。本に溺れる活字中毒が行き着く先としてこれ程に真っ当な生業もあるまい。就任したのが勝手知ったる母校だから程なく業務にも馴染んだし、先輩の
早川 珪
の指導も的確だった。何より、ウォルターもまた今も寝子高の英語教師を続けている。彼と同じ職場で働ける喜びは、七瀬の成長と大成を大いに後押ししたことだろう。
「何かあったら、真っ先にウォルターさんに相談しますから。大丈夫ですよ」
「うん、いつでも頼るといいよぉ。ああ、そうそう、それで見せたいものって?」
ウォルターが思い出したように問うと七瀬はドーナツの残りをひと息にぱくりとやって、咀嚼し呑み込む間に慌ただしく鞄を探る。
「本棚の整理をしてたら、アルバムを見つけてしまって。こういうのって、ついつい見ちゃうんですよね」
「あるあるだねぇ」
「それで、その中に懐かしい写真があったので、ウォルターさんと見たいなって思って」
ページをめくる。その度現れるのは七瀬自身、そしてウォルターの笑顔ばかりだ。中には二人一緒に映り込むものも少なくない。その内の一枚を七瀬は指差した。
「これです! 懐かしいですよねぇ」
何年前だっただろうか。今より少し若い七瀬とウォルターがはにかんでいた。背にした満開の桜のように、七瀬の頬はほんのりと桃色がかっていた。
「ああ~これ、桜を見に行った時の? 撮ったねぇ、そういえば」
「僕とウォルターさんが映ってるってことは、セルフタイマーで撮ったのかな? それとも誰かにお願いして撮ってもらったんでしたっけ」
「覚えてないなぁ。けど、楽しかったのは覚えてるよぉ」
「僕もです」
桜並木の鮮烈な色。空の青さ。隣に立つウォルターに存在感を感じたことも覚えている。アルバムの中の一枚が鮮明な記憶を呼び起こし、今と響き合った。
「写真の中の僕とウォルターさん、若いですよねぇ」
「何言ってるの、君なんて今でも若いじゃない」
「いやいや。ウォルターさんだってもちろん、今でも若々しくてかっこいいですけどね?」
過去と現在を対比すると、より克明に浮かび上がる感情がある。それは写真の作用とも言えるかもしれない。時は流れても繋がっていることを再確認し、安堵する。その過程で人は少し饒舌になったりもする。感情をぽろりと吐露したり伝えたくなったりする。そんなこともあるだろう。
「この頃だって、今だって。僕はウォルターさんのことが『好き』、ですからね!」
どこか得意げに胸を張っての主張に、ウォルターは頬を綻ばせ七瀬の頭に手を乗せた。
写真は時を繋ぎ、未来へと伝える。記録するばかりではない。今の自分から道行きの先まで、撮り手に代わって旅をしてくれる紙飛行機のようなものだ。ゆらゆらと頼りなく、時折地に落ちてしまうこともあるが、それを拾って誰かが飛ばしてくれることもある。そうして上手く風に乗って長く遠く、時の旅路を行くのだ。
「あ、そうだ! せっかくやけん、これから写真を撮りにいきませんか? 新しい写真を撮って、また数年後に、一緒に見返して……同じこと、しましょう」
「それはいいね、大賛成。さて、どこへ行こうか? 今時期はどこが綺麗かなぁ」
「山とか、海とか。寝子高もいいですね!」
揃ってコーヒーを飲み干すと二人は立ち上がる。手にしたスマホのカメラだって、立派に時を越えられるだろう。二人の笑みを捉えればきっと、羽を打って飛び立つだろう。そしていつの日にか七瀬とウォルター、二人の瞳の中へと舞い戻るのだ。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。
写真のお話でした。
過去に想いを馳せることもできるし、今を未来への記録に残そうと前を向くことにも繋がる写真というものは、人類の大発明だと思います。
昔は立派なカメラがないといい写真は撮れないと思われがちでしたが、最近はスマホ搭載のカメラも侮れないですね。手軽に日々の風景を残せてすごいです。
皆さんのとっておきの写真にも、多様な感情や大きな思いが込められていることと思います。いつまでも残り続けていけばいいですね。
それでは、また次回に。
網でした。
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担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年09月06日
参加申し込みの期限
2025年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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