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七月、世界が終わるなら
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最期に見るのは笑顔がいい
歳の頃は二十代のなかば。
七月生まれの
倉前 七瀬
は、誕生日を目前に控えていた。
「世界が終わる……?」
実感はまったくわかなかった。
ウォルター・B
とは相変わらず友情と愛情のあいだのような関係が続いていて、「誕生日は一緒に」と誘おうとしていた矢先のことだったものだから、七瀬はいささか困惑した。
「あんまりです。せめて誕生日を迎えてから……ってそれも嫌ですね。あぁ……どうしたものか……」
もだもだと部屋の中を見渡して。
とりあえず、まだ読んでいない本を読んで、本だらけの部屋を片付けることにした。
手に入れたのに開かれない本があるなんてあんまりにも可哀そうに思えたし、せっかく自分のところへ来てくれた本たちを読まずに死ねない、とも思ってしまったのだ。それに、本を読むというのは七瀬にとってはご飯をたべることと同じかあるいはそれ以上の摂取行為で、心を落ちつけてくれる効能もあった。
時代モノ、ミステリー、参考書、ホラー、辞典……小説もあればそうでないものもあるが、とにかく「活字の本」を読む。七瀬は速読が得意で、読むスピードはとにかく速い。手にとってはパラパラとページを捲って、読み終えた山へ積んでゆくその様は、大喰らいの妖怪が米びつを次々と空にしてゆく様を思わせる。
そうして三日のうち二日と半を費やして、いよいよ残りは一冊となった。
「ふうむ……積読本はこれが最後ですか。ええと、なんの本でしたっけ……?」
いつか読もうと思って積んでいた本の山の一番下にあったのは、高校時代に買ったまま忘れていた本だった。表紙の色合いは明け方の空。そこに天を仰ぐ青年のシルエットが描かれている。
ページを捲る。恋愛小説だった。クライマックスでは恋人たちが愛を囁きあっていた。
「……そういえば、僕には結局恋人と呼べる存在はできなかったなぁ」
七瀬はページから視線を外し、部屋に置かれた鏡を見る。
「恋愛も、まだよくわかっとらんし……」
恋愛小説をいくら読んでも、恋愛感情というものはわからないな……と思う。
それでいてこうも思うのだ。
「一番好きな人ならハッキリしてますけど……」
スマホを取り出し、待ち受けにしている写真を眺める。そこには高校を卒業した時に撮った、ウォルターとのツーショット写真があった。
「もうすぐ世界が終わるなら、会いに行ってもいいでしょうか?」
七瀬は無意識に通話ボタンを押し、ウォルターへ連絡を取っていた。
早朝にもかかわらず、いいよ、と彼は言ってくれた。
待ち合わせは近所の公園。
七瀬は本を閉じ、足早に向かう。
待ち合わせ場所には七瀬の方が先について、そこで彼を待つ間に朝陽が煌々と昇ってきた。
やがて現れた金の髪のその人に、おはようと言い、来てくれてありがとうと言い――幾度も伝えた言葉をまた伝える。
「ウォルターさん、僕はあなたのことが好きです。……大好き」
いつかこの人より大切な誰かが現れるかも、なんて思ったこともあったけれど、自分でも思いがけず、気持ちはずっと変わらなかった。だから世界が終わるなら、最期に会うのは彼がよかった。
「やぁ……七瀬にそう言われるのは何度目だろうねぇ」
ウォルターは七瀬の背後から差し込む朝陽に、眩しそうに目を細めた。口元は笑もうとしているのに、目元は哀しみと切なさで、すこし泣きそうに歪んでいる。
「今日で世界が終わるから、どういう顔をしていいかわからないなぁ。どうしよう。せっかくだし、キスくらい、してみる?」
そんなことを言う顔が四十を過ぎているのに可愛らしくて、七瀬は思わずクスリと笑った。
「返事が欲しいわけじゃないんです」
「君はいつもそう言うねぇ」
「でも最期に見るのはあなたの笑った顔がいいから……笑ってください」
「そんなことならお安い御用……と言いたいところだけど。ハハ……うまく出来ないなぁ」
不器用な、笑顔めいたものを浮かべるウォルターの頬を、涙が伝う。
七瀬は彼の涙をぬぐい、それからその手に触れてみた。
――空から轟音が響いてくる。
七瀬はウォルターの表情を瞼の裏に焼き付けたまま、目を瞑った。
きっと、今日は終わるにはいい日だ。
……でもまだ、終わってほしくは、ない……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月26日
参加申し込みの期限
2025年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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