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はれのちくらげ、ときどき雨
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「珪さん。天気予報見ましたか?」
『うん、今見た。クラゲ……って言った?』
「言いました、よね……?」
うきうきデートの準備に身支度を整えながら今日の予定を通話で話し合う。その傍らに付けたテレビで今日の予報を確認したところ、若い気象予報士が確かに口にしたのだ。「はれのちくらげ」と。
綾辻 綾花
は耳を疑ったが、通話先の
早川 珪
も同じ言葉を聞いたという。まだ少し寝ぼけているのだろうかと綾花は首を傾けた。
「聞き間違いでしょうか?」
『ああ、いや。なるほどね。綾花さん、カーテンを開けて外を見てごらんよ』
言われるままにカーテンを引いてみれば、珪の言葉の意味するところが分かった。これは確かに、なるほどね。
「クラゲが宙を泳いで……! 確かにはれのちくらげ、ですね」
『驚いたね。でも綺麗だな』
「はい。絶好のデート日和ですね!」
予報士によれば、「ときどき雨」でもあるという。お気に入りの青い傘を広げることを楽しみに、いそいそと出かけた。
珪とのデートの多くは書店のはしごとなる。今日も旧市街の古書店をいくつか巡り、馴染みの店へ顔を出し、お気に入りをいくつも見つけることができた。
そのうち数冊を購入して店を出ると、予報士の告げた通りに雨が降り出していた。小雨といった程度だが、綾花は嬉々として傘を広げる。
「ふふっ」
「鮮やかなブルーでいいんだよね、これ」
柄を持つのは珪だ。もう何度こうして彼と、同じ青の下に収まっただろうか。傘を差す彼の腕に掴まり濡れた街を行く心地良さを思えば、いつもは陰鬱な雨の日も喜びに変わるのだ。
今日はそこにちょっとした楽しみも加わった。
「おっと。踏まれないように気をつけて、クラゲさん」
傘の上にぽんとクラゲが乗り、弾みを付けると再び浮上してゆく。ぽん、ぽんとクラゲたちを助けてやりながら歩いた。ぼんやりと見上げ、綾花の口からはつぶやきめいて言葉が漏れた。
「不思議ですね……」
「水族館で見るクラゲとは一味違うね」
暮れゆく空の雲の切れ間に瞬き始めた星の明かりと、ぽつりぽつりと垂れ落ちるような雨粒が、揺蕩うクラゲたちを彩り演出していた。まるでプラネタリウムだ。刻々と姿を変える星座を見上げるかのようで、綾花の胸を打った……抱え込んだ腕に珪の温もりを感じながら、というのがまたいい。
「そういえば……少しねこったーを眺めていたんですけど」
綾花は彼を見上げておずおずと口にした。
「幸運のネコクラゲ、という噂があるみたいで」
「ネコクラゲ? 猫の形をしたクラゲかな」
「それは分からないです。ただ、それを見かけたカップルは……その」
「うん」
「永久に結ばれる。だ、そうです」
口にするのが何だか気恥ずかしく、ほんのり顔を赤くして綾花は言うと珪は頬を緩めた。
「なるほど。素敵な噂だね。探してみようか」
「は、はいっ」
歩きながらもしっとりとした夜空に泳ぐネコクラゲを求める。いったいどんな形をしているだろう。猫耳が生えている? それとも猫のように気まぐれで時に活発に動き回るようなクラゲだろうか。大きなクラゲにちょこんと猫が乗っているのかもしれない……想像は巡り、綾花の頭はネコとクラゲと隣の珪でいっぱいとなり、つんのめって彼に受け止められたりした。
それからしばし、お目当ての一匹は見つからなかったが夜は美しかった。空と海が混然一体となりイルミネーションのように瞬いて、二人は飽きることもなくそれを見上げた。
初夏の気温はじんわりと暑いくらいだが、彼と触れ合っているのはもちろん苦にならないし得も言われぬ喜びを綾花へもたらした。微笑む珪もきっとそうだろう。
途中、商店街で「クラゲまんじゅう」を二つ買い、頬張りながら更に歩いた。薄く半ば透き通った生地に餡がみっしりと詰まって食べ応えがある。目の前をふわりと浮かぶクラゲとそれを見比べて、くすりと笑い合った。いつのまにやら雨はすっかり上がっていた。
夜の海にぷかりと、クラゲたちと一緒にゆらりと、恋人たちは波に揺られ揺蕩う。
やがて。
「…………あっ! 珪さん、あそこ!」
綾花は一層力強く彼の腕を抱き寄せた。
風に吹かれて一回転。身を震わせるたび、猫の耳みたいな二つのとんがりが揺れる。
綾花が指を差した。柚春はにっこりととろけるように微笑んだ。理紗子は居酒屋の窓の外にぼんやりと眺めた。七瀬はしばしぽかんと口を開けたがやがて瞳を煌めかせた。修はすかさず取り出したスマホでばっちり映像に収めることができた。
大切な者と共にその姿を認めた彼らの頭上で、クラゲは実に心地良さそうに身を翻し、月と踊った。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。
クラゲを眺めるお話でした。
クラゲ、癒されますよね。普通のクラゲも、小さいのも大きいのも長いのも、光るやつも、いいものです。
自宅で飼育することもできるそうで少し興味が湧きましたが、調べてみるとかなり難しいらしく断念しました。
残念ですが水族館で眺めるのに留めておくとします。
それではまた次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月11日
参加申し込みの期限
2025年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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