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はれのちくらげ、ときどき雨
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医者が暇を持て余すのは世の太平の証と言えようが、ならば今生はよほどに乱れているのだろう。でなければなぜ
深倉 理紗子
の日々はこうも多忙に過ぎるのか。
「お、終わったぁぁぁ」
過酷な宿直勤務明けの朝方に帰宅、理紗子はベッドに倒れ込むと着替えもしないまま爆睡へ落ちた。
寝子島総合病院の内科医だなんて高給取りだし、ステータスでしょ? タワマン暮らしで男だってよりどりみどりでしょ? などと浅慮な者は言ったりするがとんでもない。理紗子が住むのは勤務先と目と鼻の先なのが数少ない取りえのようなごく普通のワンルームマンションだし、恋人をとっかえひっかえして遊んでいる暇などありはしない。もとよりそんな気質ではないが、それ以上に暇がなかった。寝子島総合病院の繁盛ぶりはまさしく昨今叫ばれる医療態勢崩壊の一歩手前といったところで、比例して医者の自由時間は慈悲もなく削られてゆくのだった。
理紗子は深い眠りの中、ナイトプールで魅力的な恋人とはしゃぐネオンカラーの夢を見た。
目が覚めると夕方だった。
「ふわ……」
大あくびと共に昨日から締め切ったままだったカーテンを開ける。眠っている間にどうやら一雨降ったらしい。思えば梅雨だ。雨上がりの濡れた地面に映り込む夕日に灯り始めた街の光。暮れなずむ空を漂うクラゲたち。肌に張りつくようなぬるくしっとりとした空気。どれもこれもが梅雨らしく、季節の趣を胸に感じる。
「……って、そんなわけないじゃない」
起き抜けのまどろみが一発で吹き飛んだ。クラゲ。クラゲだ。宙を何とも心地良さそうに、クラゲがいくつも漂っていた。
「え、何で? 何でクラゲ……?」
ぐるぐると着地点の無い思考がぼんやりとした頭を巡る。梅雨にはクラゲが浮かぶものだっただろうか。それが今時期の風物詩というものだったろうか。いやいやそんなわけはない、いかに寝子島とてそんな奇天烈な初夏の事象など聞いたこともない。
「ああ。そうよね。まぁ、寝子島だものね」
しばし考え、ありきたりな答えに行き着いた。寝子島という場所ではこんな現象も「ありきたり」の一語で表されるのである。そういう場所柄なのである。
ふと、理紗子の腹が切なく悲鳴を上げた。
「何か食べに行こうかしら……ね、クラゲさん」
眼前をふわりと行く一匹のクラゲに語りかけるとゼリーのように震えた。何だか少し、楽しくなってきた。今日は自炊もレンチン飯もやめにして、外へ飛び出そう……七色纏うクラゲたちを空に眺めながら、心も軽やかに。
丸いの。長いの。触手が揺らめくもの。まるで宇宙船みたいに輝くもの。一口にクラゲと言っても実に多彩だ。眺めていても一向に飽きが来ない。
参道商店街を歩く。波のごとく押し寄せる患者たちも一時忘れ、ゆっくりと地を踏みしめながら、穏やかな心で。
商店街の人々は商魂たくましく、今日のクラゲ三昧をさっそく商売にしていた。理紗子が提灯の灯る出店で買い求めたのはその名も「クラゲまんじゅう」だ。
「透き通った半透明の皮が、クラゲみたいね。うん」
中身はごく普通の饅頭だ。もちもちとして、餡は甘さ控えめ。特筆すべき味わいではないが、クラゲたちの泳ぐ空を見上げながらに頬張れば何やらこれも風情かといった気分になってくるものだ。理紗子は上機嫌に跳ねた。
赤い提灯代わりのクラゲに導かれてゆくと、とある店ののれんに「夜海月」とあった。今日のために急遽店名を変更した……わけではなくたまたまであるが、クラゲ日和にあやかって飲み放題の半額キャンペーンをやっていた。
「たまには一人で飲むのもいいかもね」
ロウソクを模した淡い光の灯る店内にもクラゲが漂っていた。毒があるというわけでもなく、風情があって良いとあえて呼び込んだらしい。
理紗子はカウンター席へ着くとつまみの盛り合わせに冷酒を注文した。冷ややっこ、たこわさび、ちくわの磯辺揚げなどつまみながら酒を一口。凛と冷えた酒は特段の銘酒ではないが、日々の多忙に思いの外疲労した理紗子の臓腑へ実に染み入った。
いつもは騒がしいのは好まない理紗子も、今日の居酒屋の喧噪は何だか好ましい。
「ふふ。綺麗ね」
ふわりふわりとクラゲも揺蕩い、初夏の風情をこれでもかと満喫し、休み明けに備え活力を充填した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月11日
参加申し込みの期限
2025年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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