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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
二時間らっかみサスペンス 湯煙の向こうの美女と空飛ぶサメ
りんごが消え去った大浴場にて、倒れていた美野梨を介抱した後。
絢と真優理は美野梨と三人でりんご風呂を取り戻そうという流れになって、キーパーソンである柳川教授を捜していた。
「あ、あなたはもしかして！ 夕方の連続ＴＶ掌編『子リスのお菓子屋さん』に出演してた女優さんでは？」
「あ、はい」
「もしかして、火土温泉郷を宣伝して下さる番組の撮影中ですか？」
「い、いえ。今日はプライベートで……」
「あ、すみません。お仕事の依頼は事務所を通してお願いします！」
聞き込み捜査の途中で、絢が女優だと知られ、真優理のフォローで立ち去るハプニングはあったものの。
人づての情報で無事、屋台のおでんを頬張るグレイヘアの男性を発見。
「柳川教授ッ！ もう逃がしませんよ！」
「かっ、神野君ッ！？ 別に私は逃げた訳では……」
屋台の前に用意されたベンチに、美野梨と真優理が教授を挟むようにして座る。
絢は、おでんを三人分購入して二人に渡し、自分は向かい合うベンチに腰掛けた。
（神野さんもそうだけど、真優理さんもかなり興奮して聞き込んでるわ。よっぽどりんご風呂に入りたかったのね）
絢は、お出汁が染みた大根をふぅふぅ冷まし、頬張りながら思う。
「実は、サメ乃助が大好きなりんごゼリーを賞味期限切れで捨てた後、補充するのを忘れてしまってね……私が食べたと誤解して、怒って家出したのかもしれないなぁ」
しょんぼりうなだれる教授の横で、ふぅむと頷く美野梨の眼鏡がきらりと光る。
「……方々で目撃される空飛ぶサメ……無くなるりんご……おそらく、りんごを持っている人が許せなくて突っかかっているのでしょう」
「ボクはりんごゼリー食べられなかったのに！ みたいな？」
「推測ですけどね」
絢に答えて、美野梨はちくわぶを少しずつ食べ始める。
「つまり……りんごが消えているのは、自分でりんごゼリーを作るつもりか、もしくは」
「ボクが食べられなかったんだから、みんなにも食べさせないぞ！ かもしれん」
真優理の言葉を受け、教授がおでん最後のこんにゃくをごくんと飲み込んだところで――それは現れた。
『あーっ、お前もりんご持ってるな！ それはボクのりんごだ！』
お前のりんご、と言われた絢が気づいたのは、自分が真っ赤なりんごのペンダントをつけていることだ。
ただよう湯煙の中、楕円形の水球が浮かんでいる。中にいるのは、灰色と白のツートンカラー――まるまるとしたフォルムの空飛ぶサメだ。
「何、これ？ 頭の中に直接……」
『ボクのりんごをとっちゃう奴は、ゆるさないぞ！』
「待てーッ！ サメが空飛ぶ謎は俺が解いてみせる！」
そこへ、虫眼鏡を振りかざしたじゅんとさゆる、「さ、サメが本当に空を飛んでいる！」と驚愕する想花が乱入。
「サメ乃助、りんごゼリーを捨てたのは私だ！ 私が悪かった、だからやめてくれ！」
『うるさーい！』
絢の頭の中に、甲高い絶叫が響きわたる。
思わずベンチから立ち上がり、おでんの容器を取り落とした絢に、サメ乃助が突進をしかけてきた――その時！
「こらっ！ いい加減にしなさい！」
おでんの容器を投げつけて、真優理が絢を助けに入った。
『何だよ、じゃまするなぁ！』
「もぉ、りんごゼリーをあげるから、りんごを全部返しなさい！」
『そんなの無いもん！ あれは、ドクターが買ってきてくれた最後の一つなんだから！ ボク、またドクターと一緒に『おいしいね』って食べたくて、とっておいたのに！』
ギャン泣きするサメ乃助のテレパシーに、柳川教授は地に膝をついた。
「ごめんよ、サメ乃助……そんな理由でとっておいてくれてたとは知らなくて……」
――大切な人と『おいしいね』って食べる時間。私はそんな思い出を支えられるお菓子を作りたいの。
思わず絢が呟いた言葉は『子リスのお菓子屋さん』に出演する、主人公の親友――絢の演じた役の台詞だ。
「今の『子リスのお菓子屋さん』の台詞？ えっ？ 本人ご降臨？」
そんなじゅんの言葉に、さゆるはすかさずスマホを操作して、番組公式サイトに繋がる、りんごゼリー通販のページを出す。
「ありがと。君ッ！ 食べたがっているのはコレだろう？ 特設店舗は閉店したが、ネット通販ならば現在もやっているッ！ 大切な人も傍にいるじゃあないか、大丈夫だ、君はやり直せるッ！」
力強く宣言するじゅんに、サメ乃助は水球をぷるりと揺らして問うた。
『だれ？ 刑事さん？』
「フッ、愚問だな。俺は手津川クリス。探偵さ！」
～らっかみサスペンス劇場～
～ＣＭ～
絢と真優理は美野梨と三人でりんご風呂を取り戻そうという流れになって、キーパーソンである柳川教授を捜していた。
「あ、あなたはもしかして！ 夕方の連続ＴＶ掌編『子リスのお菓子屋さん』に出演してた女優さんでは？」
「あ、はい」
「もしかして、火土温泉郷を宣伝して下さる番組の撮影中ですか？」
「い、いえ。今日はプライベートで……」
「あ、すみません。お仕事の依頼は事務所を通してお願いします！」
聞き込み捜査の途中で、絢が女優だと知られ、真優理のフォローで立ち去るハプニングはあったものの。
人づての情報で無事、屋台のおでんを頬張るグレイヘアの男性を発見。
「柳川教授ッ！ もう逃がしませんよ！」
「かっ、神野君ッ！？ 別に私は逃げた訳では……」
屋台の前に用意されたベンチに、美野梨と真優理が教授を挟むようにして座る。
絢は、おでんを三人分購入して二人に渡し、自分は向かい合うベンチに腰掛けた。
（神野さんもそうだけど、真優理さんもかなり興奮して聞き込んでるわ。よっぽどりんご風呂に入りたかったのね）
絢は、お出汁が染みた大根をふぅふぅ冷まし、頬張りながら思う。
「実は、サメ乃助が大好きなりんごゼリーを賞味期限切れで捨てた後、補充するのを忘れてしまってね……私が食べたと誤解して、怒って家出したのかもしれないなぁ」
しょんぼりうなだれる教授の横で、ふぅむと頷く美野梨の眼鏡がきらりと光る。
「……方々で目撃される空飛ぶサメ……無くなるりんご……おそらく、りんごを持っている人が許せなくて突っかかっているのでしょう」
「ボクはりんごゼリー食べられなかったのに！ みたいな？」
「推測ですけどね」
絢に答えて、美野梨はちくわぶを少しずつ食べ始める。
「つまり……りんごが消えているのは、自分でりんごゼリーを作るつもりか、もしくは」
「ボクが食べられなかったんだから、みんなにも食べさせないぞ！ かもしれん」
真優理の言葉を受け、教授がおでん最後のこんにゃくをごくんと飲み込んだところで――それは現れた。
『あーっ、お前もりんご持ってるな！ それはボクのりんごだ！』
お前のりんご、と言われた絢が気づいたのは、自分が真っ赤なりんごのペンダントをつけていることだ。
ただよう湯煙の中、楕円形の水球が浮かんでいる。中にいるのは、灰色と白のツートンカラー――まるまるとしたフォルムの空飛ぶサメだ。
「何、これ？ 頭の中に直接……」
『ボクのりんごをとっちゃう奴は、ゆるさないぞ！』
「待てーッ！ サメが空飛ぶ謎は俺が解いてみせる！」
そこへ、虫眼鏡を振りかざしたじゅんとさゆる、「さ、サメが本当に空を飛んでいる！」と驚愕する想花が乱入。
「サメ乃助、りんごゼリーを捨てたのは私だ！ 私が悪かった、だからやめてくれ！」
『うるさーい！』
絢の頭の中に、甲高い絶叫が響きわたる。
思わずベンチから立ち上がり、おでんの容器を取り落とした絢に、サメ乃助が突進をしかけてきた――その時！
「こらっ！ いい加減にしなさい！」
おでんの容器を投げつけて、真優理が絢を助けに入った。
『何だよ、じゃまするなぁ！』
「もぉ、りんごゼリーをあげるから、りんごを全部返しなさい！」
『そんなの無いもん！ あれは、ドクターが買ってきてくれた最後の一つなんだから！ ボク、またドクターと一緒に『おいしいね』って食べたくて、とっておいたのに！』
ギャン泣きするサメ乃助のテレパシーに、柳川教授は地に膝をついた。
「ごめんよ、サメ乃助……そんな理由でとっておいてくれてたとは知らなくて……」
――大切な人と『おいしいね』って食べる時間。私はそんな思い出を支えられるお菓子を作りたいの。
思わず絢が呟いた言葉は『子リスのお菓子屋さん』に出演する、主人公の親友――絢の演じた役の台詞だ。
「今の『子リスのお菓子屋さん』の台詞？ えっ？ 本人ご降臨？」
そんなじゅんの言葉に、さゆるはすかさずスマホを操作して、番組公式サイトに繋がる、りんごゼリー通販のページを出す。
「ありがと。君ッ！ 食べたがっているのはコレだろう？ 特設店舗は閉店したが、ネット通販ならば現在もやっているッ！ 大切な人も傍にいるじゃあないか、大丈夫だ、君はやり直せるッ！」
力強く宣言するじゅんに、サメ乃助は水球をぷるりと揺らして問うた。
『だれ？ 刑事さん？』
「フッ、愚問だな。俺は手津川クリス。探偵さ！」
～らっかみサスペンス劇場～
～ＣＭ～
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2025年05月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年05月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2025年05月31日 11時00分
