オトナもコドモも、ダレデモ学校｜リアクション

オトナもコドモも、ダレデモ学校

　きんこんかんこん、チャイムが鳴ったらお待ちかね、給食の時間！　今日の献立は、鶏肉のカレーと麦ごはん。福神漬け。ほうれんそうのソテー。デザートにはいちごのゼリーがついていて、みんなはおおー！　と声を上げました。
「はい、みんな席につきましたね。それじゃ……いただきます」
「いーたーだーきーまーす！！」
　声を揃えてそう言うと、さっそくみんなはスプーンでカレーをすくい、ぱくりと一口。う～ん、おいしい！
　ラッセルは晴月のリクエストに応えて、あ～ん。ののこの口の周りについたカレーを英二が甲斐甲斐しく拭ってあげると、莉鳥は思わずくすりと笑みをこぼします。瑠奈はクラスメートたちに求められて、歌が上手くなる練習方法を熱心に伝授していました。
　おしゃべりも弾みながら、みんなは美味しい給食をぱくぱくぱくと、あっという間に平らげていきました。
　給食の後片付けを済ませて、お昼休みを思い思いに過ごしていたら再び、きんこんかんこん。
　５時間目は、たいいくです。
「皆さん、２チームに分かれましたね？　では、試合開始！」
　ＡチームとＢチームに分かれて、ドッジボール対決！　周囲で寝転ぶ猫たちも見守る中、最初のボールをＡチームの瑠奈がゲットしました。
　ボールはやわらかいものなので、思いっきり投げても大丈夫。
「えいっ」
　運動はちょっと苦手、瑠奈の投げたボールはＢチームの熊吉君があっさりキャッチ。太い腕でぶおんと投げ返したボールはののこの真正面へ。
「わあっ？」
「あぶない！」
　割って入った英二がどうにかボールを捕まえました。
「おおー、英二君すごい！」
　にこにこと楽しそうなののこ。英二はうなずきます。
（ののこさんにとってはこれが「初めての小学生生活」かもしれないし。楽しめるように、頑張らなきゃ）
　子供の遊びと侮ってはいられません。ののこのために、英二は全力投球です。
「あっ、しまった！」
　ボールは晴月をかばったラッセルに当たり、てんてんてんと転がります。
「わりー、外野行ってくる！　晴月、がんばれよー」
「うん、がんばる！」
　晴月の投げたボールは瑠奈にヒット。
「きゃー、やられちゃった」
　転がったボールを英二が拾い、莉鳥へ。莉鳥はがっちりキャッチ！
「……何だか燃えてきたわ」
　気楽にやればいいかー、と思っていたはずがいつの間にか、気合が入ってきた莉鳥。クールに見えて意外と負けず嫌いです。
「行くわよ！」
「わっ、あぶない！」
「晴月ナイスだ、こっちにパス！」
　白熱する莉鳥とラッセル、晴月の攻防。
「たあっ！」
「やったね英二君♪　次は私が……あっ」
　ころころころんと転がったボールを莉鳥が拾い上げ、ののこをノックアウト。仇を討つべく英二も大奮闘。
「みんなすごいねぇ～」
「気合入りすぎですわ～」
　早々にアウトになり外野へ引っ込んだ瑠奈と長耳さんは運動苦手同士、交流を深めたりしました。
「これで、終わりよ！」
「うわぁ！」
　莉鳥の必殺シュートが炸裂し、最後に残った英二もアウトに。試合に決着が着き、みんなは健闘をたたえ合いました。

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