双界の祝祭　～はなむけのフラワーレイン～｜リアクション

双界の祝祭　～はなむけのフラワーレイン～

＞いつか、思い出になる世界へ。

　温泉から上がり、気分転換に花園へやってきた白真白と羽生碧南は、屋台から歩いてきた響蒼留人とマーガレット・ライカーと出くわした。
　暫く花の祝祭や湯煙蓮の話で盛り上がっていると、空を飛ぶ冒険者たちの姿が見えた。

　妖精を連れた佐藤瀬莉が楽し気に遊んでいる。妖精に見とれていた彼女は、いつの間にか遊びに誘われていたようだ。
「妖精さんが一緒に遊ぼうって言っています！　行きましょう！」
「うん！」
　一緒に飛んでいた曖浜瑠樹は瀬莉に誘われ……向かう前に世界へ向けて
「この世界で遊べて嬉しかったよぉ。それじゃ、またなぁ！」
　今後もたまにログインしてのんびり遊ぶから、と手を振った。

　空の上。これでゲームの世界での冒険は最後なのだ、としみじみ思う双子はそっと呼びかける。
「今までありがとう」
「夏朝も僕も、楽しませてもらったよ」
　恵御納夏朝と恵御納夏夜は、感謝の気持ちを声に込め、揃えて口を開いた。
「「それじゃ、また！」」

　――混霊界と『ソング・オブ・ケイオス』の未来に幸あれ！

　その瞬間、空が一瞬だけ虹色に染まった気がした。
「今、空が……」
　蒼留人が空を見上げた時、既に空の色は元の色に戻っていて。しかし、マーガレットも真白も碧南も気づいていた。
「もしかしたら、聞いているかもね」
　真白は小さく呟いて空を見上げる。マーガレットは首を傾げつつも、きっといいことがあったのだろう、と瞳を細めた。
「とても綺麗でしたね」
「うん。空に花園が浮かんだみたいだった」
　碧南の言葉に、三人とも頷いた。

　こうして、不思議な時間は幕を閉じた。
　けれど、冒険者の心にはあの不思議で楽しい花の祝祭の思い出がパソコンなどに残されていた。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

少しお待たせして申し訳ありません。菊華です。
今回は『ソング・オブ・カオス』の最終回に参加してくださり、誠にありがとうございます。
ゲームの世界へ入ることは今回が最後ですが、ゲーム自体は続いていくので時間があるときにでも遊んでくれるといいなぁ……、とPCさんに願います。

花の祝祭！　ということでのんびり楽しんでいただけたら幸いです。

それでは短いですがこの辺りで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。

参加者の皆様へ
称号【花の祝祭の加護を受けた者】

取得：祝祭のおすそ分け（優しい香りがするポプリ。ゲーム内アイテムのはずが、自室に戻った貴方の前にありました）

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