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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
双界の祝祭 ～はなむけのフラワーレイン～
＞お祭りを楽しもう！
その日、曖浜 瑠樹もゲームの世界へやってきていた。
元々グラトニエル戦の後もログインしていたのだが、このようにゲームの中へ来たのは久方ぶりである。
「混霊界の住民達も、元気にしてるかなぁ……？」
NPCとして暮らしているとは聞いていたが、周りを見た限り誰だ混霊界の住人で、誰が元からゲームにいた住人かはわからない。改めてみて、あの世界とこのゲームはとても似ていていた事に気づかされる。
もしかしたら、ゲームの中に入れるのはこれが最後かもしれない。瑠樹は「後悔のないように楽しむよぉ」と心に決めた。
「あれ……？」
一方、不思議そうにあたりを見渡しているのは佐藤 瀬莉。
彼女は一時期『ソング・オブ・カオス』を遊んでいたが、ここのところは遊んでいなかった。SNSで今回のイベントを知り、久方ぶりにログインしたら……このようにゲームの中へ入ってびっくりした次第である。
（一瞬、死んじゃったのかなって思っちゃった。……なんか違うのかな？）
幼い頃は余命宣告を受けるほど病弱だった瀬莉がそう思うのも無理はない。パソコンの画面に写っていた光景の中に入っていること自体不思議な現象である。
「どうしたの？」
瀬莉が困惑している事に気づいたのだろう、声をかけた者がいた。瑠樹である。渡りに船、とばかりに瀬莉はこの現象について問う。
「んー……。上手くは説明できないけど、ある程度遊んだら元に戻ると思うんだ」
「そうなのね？」
それならば、と瀬莉はイベントを楽しもう、と考えた。
二人が最初に向かったのは屋台のコーナー。
いろいろな料理やゲームの屋台が並んでいるようで、とても賑わっている。中には装備を売っている屋台もあるようだが、そのどれもが花をあしらった物。どうやらイベント用の物らしい。
瀬莉はそのかわいらしさに目を奪われているようだった。
「わぁ！ お花のクレープがあるねぇ～。こっちは、はちみつのシェーキだって！」
瑠樹は嬉しそうに屋台を見、さっそくクレープを買ってみる。もちもちしたクレープには生クリームと砂糖漬けにされた花びらが。１口食べるとほんのりお花の香りがする。甘さもそこまで強くなく、丁度いい味わいだった。
瀬莉は、はちみつのシェーキを選んだ。ミルクのコクに、絶妙なバランスで混ざる蜂蜜の風味。しっかりと広がる濃厚さはあれど、後味はすっきりしていて……。
「こんなに美味しいなんて、びっくり！」
「だねぇ～！」
二人で顔を見合わせれば、お互い口元が綻んでいて。思わず小さく吹き出し、笑い合う。
それぞれ屋台で買ったものを口にしつつあちこち見て回れば、楽しさも膨らむようだった。
「次は何にしようかな？ あっちには的あてゲームもあるねぇ～」
「あっ、お花の冠！ これを被って踊るのも楽しそう！」
「食べ終わったら、どっちもやってみよう！」
「いいね、それ！ どっちもやっちゃおう！」
瑠樹と瀬莉は頷き合うと早速的あてゲームの屋台へと向かった。
ボールを的に当てるゲームでは、商品としてお洒落なブレスレッドをお揃いでもらって。装備の屋台では、可愛い猫耳帽子（花冠付）を見つけ、それを装備したり、花冠を被って踊りに混じれば、楽器の音色に心も軽くなった気がする。
「オカリナ、吹きながら踊ってもいいかなぁ？」
「歌楽士さんたちは演奏に混ざってもOKってあったよ！」
瑠樹がオカリナを手に首を傾げれば、瀬莉が入口の看板を見せる。周りを見れば、歌楽士らしき冒険者たちがそれぞれの楽器を演奏しているのが見えた。
瑠樹は、オカリナを軽やかに奏で始める。屋台で買った猫耳帽子の猫耳が動き、瀬莉が「かわいい！」と黄色い声をあげる。
楽しく踊っているうちに、瀬莉は何かがひらひらしていることに気づいた。よく見れば、透き通った羽をもった妖精が、踊りの輪に何匹も混じっていたのだ。
（綺麗……）
おもわず見とれていると、妖精の一人が彼女にウインク。驚いていると、瑠樹が「わぁ～！」と楽しそうな声をあげた。ふわふわ、キラキラ、と何かが降ってきたかと思えば、瀬莉もまたふわふわと空へ。
「！ ありがとうっ」「ありがとうなぁ」
二人がお礼を言えば、妖精たちが「遊ぼう」と誘うように飛び回る。
「ふふっ、遊びに誘われちゃったねぇ。もうちょっと飛んでみようか！」
「うん！ 面白そう！！」
二人と妖精が、ふわふわと空を行く。眼下に広がるメインストリートは、花で飾られとても綺麗だった。
その日、曖浜 瑠樹もゲームの世界へやってきていた。
元々グラトニエル戦の後もログインしていたのだが、このようにゲームの中へ来たのは久方ぶりである。
「混霊界の住民達も、元気にしてるかなぁ……？」
NPCとして暮らしているとは聞いていたが、周りを見た限り誰だ混霊界の住人で、誰が元からゲームにいた住人かはわからない。改めてみて、あの世界とこのゲームはとても似ていていた事に気づかされる。
もしかしたら、ゲームの中に入れるのはこれが最後かもしれない。瑠樹は「後悔のないように楽しむよぉ」と心に決めた。
「あれ……？」
一方、不思議そうにあたりを見渡しているのは佐藤 瀬莉。
彼女は一時期『ソング・オブ・カオス』を遊んでいたが、ここのところは遊んでいなかった。SNSで今回のイベントを知り、久方ぶりにログインしたら……このようにゲームの中へ入ってびっくりした次第である。
（一瞬、死んじゃったのかなって思っちゃった。……なんか違うのかな？）
幼い頃は余命宣告を受けるほど病弱だった瀬莉がそう思うのも無理はない。パソコンの画面に写っていた光景の中に入っていること自体不思議な現象である。
「どうしたの？」
瀬莉が困惑している事に気づいたのだろう、声をかけた者がいた。瑠樹である。渡りに船、とばかりに瀬莉はこの現象について問う。
「んー……。上手くは説明できないけど、ある程度遊んだら元に戻ると思うんだ」
「そうなのね？」
それならば、と瀬莉はイベントを楽しもう、と考えた。
二人が最初に向かったのは屋台のコーナー。
いろいろな料理やゲームの屋台が並んでいるようで、とても賑わっている。中には装備を売っている屋台もあるようだが、そのどれもが花をあしらった物。どうやらイベント用の物らしい。
瀬莉はそのかわいらしさに目を奪われているようだった。
「わぁ！ お花のクレープがあるねぇ～。こっちは、はちみつのシェーキだって！」
瑠樹は嬉しそうに屋台を見、さっそくクレープを買ってみる。もちもちしたクレープには生クリームと砂糖漬けにされた花びらが。１口食べるとほんのりお花の香りがする。甘さもそこまで強くなく、丁度いい味わいだった。
瀬莉は、はちみつのシェーキを選んだ。ミルクのコクに、絶妙なバランスで混ざる蜂蜜の風味。しっかりと広がる濃厚さはあれど、後味はすっきりしていて……。
「こんなに美味しいなんて、びっくり！」
「だねぇ～！」
二人で顔を見合わせれば、お互い口元が綻んでいて。思わず小さく吹き出し、笑い合う。
それぞれ屋台で買ったものを口にしつつあちこち見て回れば、楽しさも膨らむようだった。
「次は何にしようかな？ あっちには的あてゲームもあるねぇ～」
「あっ、お花の冠！ これを被って踊るのも楽しそう！」
「食べ終わったら、どっちもやってみよう！」
「いいね、それ！ どっちもやっちゃおう！」
瑠樹と瀬莉は頷き合うと早速的あてゲームの屋台へと向かった。
ボールを的に当てるゲームでは、商品としてお洒落なブレスレッドをお揃いでもらって。装備の屋台では、可愛い猫耳帽子（花冠付）を見つけ、それを装備したり、花冠を被って踊りに混じれば、楽器の音色に心も軽くなった気がする。
「オカリナ、吹きながら踊ってもいいかなぁ？」
「歌楽士さんたちは演奏に混ざってもOKってあったよ！」
瑠樹がオカリナを手に首を傾げれば、瀬莉が入口の看板を見せる。周りを見れば、歌楽士らしき冒険者たちがそれぞれの楽器を演奏しているのが見えた。
瑠樹は、オカリナを軽やかに奏で始める。屋台で買った猫耳帽子の猫耳が動き、瀬莉が「かわいい！」と黄色い声をあげる。
楽しく踊っているうちに、瀬莉は何かがひらひらしていることに気づいた。よく見れば、透き通った羽をもった妖精が、踊りの輪に何匹も混じっていたのだ。
（綺麗……）
おもわず見とれていると、妖精の一人が彼女にウインク。驚いていると、瑠樹が「わぁ～！」と楽しそうな声をあげた。ふわふわ、キラキラ、と何かが降ってきたかと思えば、瀬莉もまたふわふわと空へ。
「！ ありがとうっ」「ありがとうなぁ」
二人がお礼を言えば、妖精たちが「遊ぼう」と誘うように飛び回る。
「ふふっ、遊びに誘われちゃったねぇ。もうちょっと飛んでみようか！」
「うん！ 面白そう！！」
二人と妖精が、ふわふわと空を行く。眼下に広がるメインストリートは、花で飾られとても綺麗だった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2025年05月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年05月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2025年05月25日 11時00分
