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- 00月00日生 00歳
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双界の祝祭 ～はなむけのフラワーレイン～
＞湯煙にゆれる花
祭の会場から少し離れた場所にある温泉。
そこでは半透明な花びらを持つ『湯煙蓮（ユエンレン）』が咲いている。その話を聞き、やってくる冒険者の姿がちらほらと……。
白 真白は久々に『ソング・オブ・カオス』の世界に入り表情を綻ばせた。
「また来れるとは思ってなかったからちょっとうれしいかも」
今まではボス戦がメインだった為、楽しもうと早速イベントを確認する。今行われているのは『花の祝祭』で、会場には花びらがいっぱい降っている。
面白そう、とみていた彼女であったが他にも気になる事が出来た。温泉に珍しい花が咲くと聞いた彼女は目を輝かせる。
（普通にゲームしてるときは単純に『そういうエリア』ってだけで流してたけど……）
今は、実際にゲームの中にいる。だったら、直接温泉を楽しむことが出来る。真白は楽し気に笑った。
「……実際にこっちに来れたんだもん、行かないといけないよね！」
そういうと、真白は早速温泉へと向かった。
脱衣所で水着装備に着替えると、早速浴場へ。広い湯舟には半透明な花がいくつも浮いており、甘い香りがほんのりと漂っている。
（いい匂い……）
真白は「なんだか落ち着くなぁ」と思いながら、体を洗うため椅子を手に取る。
そして、頭を洗い始めた時。彼女は思わず「うひゃぅっ」と声をあげた。反応したのは、魔族が持つ角である。
（あー、そういえば今は魔族だから頭にこれがあるんだっけ？ なんか変な感じかも～）
指の腹でなぞると、つるつるとした感触が伝わる。そっと洗ってシャンプーを流し、さっぱりするとどことなくすっきりした気持ちになった。
（魔族って角を綺麗にすると気分が晴れるのかも）
真白は面白いな、と小さく呟いた。
一方、その頃。足湯コーナーでは羽生 碧南がのんびりくつろいでいた。
足湯にも半透明は花びらを震わせる『湯煙蓮』がいくつも咲いている。碧南は『花の祝祭』を楽しんだ後、ゆっくりするためにここに来ていた。
「考えてみたらだけど……。ここ最近、この世界では暴れまわってたのよね」
だからゆっくりと楽しむ余裕がなかった、と振り返る碧南。この世界に来れるのも恐らく最後になるだろう。そう考えるともっと満喫したい気持ちになる。
「せっかくだし、温泉の方も楽しもうかしら？」
お湯から足を引き上げた碧南は、タオルで拭くと早速脱衣所へと向かうことに。
支度を済ませ、浴場へ入ると湯煙が出迎える。ふわりと晴れたその先で、ほかの冒険者も思い思いに温泉を楽しんでいるようだった。
そして、浴場にいる誰もがほんのりとうとうとしているようだった。耳を澄ませると優しいメロディーが聞こえてくる。
「あ、碧南ちゃ～ん！」
ふとメロディーが途切れたかと思えば、白い髪に角を生やした魔族姿の真白が手を振っている。彼女は辺りを見渡し、「あちゃ～、スキル発動しちゃった」と目を丸くしていた。
（それで、ほかの冒険者たちがうとうとしていたのね……）
碧南はなるほど、と小さく頷いた。
身体を洗い、温泉に入れば優しい暖かさが全身に伝わる。そして、湯煙にのって柔らかな香りが流れてくる。碧南はそれが湯船に浮かぶ半透明の花から香る事に気づき、にっこりと微笑んだ。
「あふぅ……」
思わずお湯の心地よさに出た、ちょっと艶めいた吐息。我に返り赤面する彼女だったが、真白は気づいていなかったようで、湯船に浮かぶ花に夢中だった。
「これが湯煙蓮なんだよね。ほんとに花びらが半透明なんだなぁ」
真白が花を手で掬い、香りを楽しむ。どこかで嗅いだことがあるような、ちょっと懐かしいような気がする香りで……。碧南もまた、そっと目を細めて香りを楽しんでいるようで……。真白が振り返ると、彼女はちょっとうとうとしているようだった。
（あれ？ 今は鼻歌歌ってないし……）
どうやら、碧南は花の香りを楽しんでいる間に、眠気が刺したらしい。だが、真白は彼女の傍であることに気づき、「わぁ……！」と小さく感嘆の声をあげた。
「……ん？」
碧南が我に返ると、二人の目の前には、沢山の湯煙蓮が咲いていた。よく見れば、半透明な花びらにはほんのり色がついている物もあり、とても美しい光景だった。
「綺麗……」「うん」
碧南と真白はその光景に見とれていた。
（そういうえばこんなシチュエーションの乙女ゲーあったよね。……そう、主人公が学費稼ぎに花屋でバイトしていたら……）
脳裏に浮かんだのは、一枚のスチル。攻略対象の一人が花屋の常連で、花をバックに微笑んでいる。だが、彼女は顔を真っ赤にして頭を振った。
（何を考えてるの？ 私には洋二さんって大切な人がいるのに！）
「んー……？ どうしたの？」
突然のことに、真白は不思議そうに首を傾げるのだった。
祭の会場から少し離れた場所にある温泉。
そこでは半透明な花びらを持つ『湯煙蓮（ユエンレン）』が咲いている。その話を聞き、やってくる冒険者の姿がちらほらと……。
白 真白は久々に『ソング・オブ・カオス』の世界に入り表情を綻ばせた。
「また来れるとは思ってなかったからちょっとうれしいかも」
今まではボス戦がメインだった為、楽しもうと早速イベントを確認する。今行われているのは『花の祝祭』で、会場には花びらがいっぱい降っている。
面白そう、とみていた彼女であったが他にも気になる事が出来た。温泉に珍しい花が咲くと聞いた彼女は目を輝かせる。
（普通にゲームしてるときは単純に『そういうエリア』ってだけで流してたけど……）
今は、実際にゲームの中にいる。だったら、直接温泉を楽しむことが出来る。真白は楽し気に笑った。
「……実際にこっちに来れたんだもん、行かないといけないよね！」
そういうと、真白は早速温泉へと向かった。
脱衣所で水着装備に着替えると、早速浴場へ。広い湯舟には半透明な花がいくつも浮いており、甘い香りがほんのりと漂っている。
（いい匂い……）
真白は「なんだか落ち着くなぁ」と思いながら、体を洗うため椅子を手に取る。
そして、頭を洗い始めた時。彼女は思わず「うひゃぅっ」と声をあげた。反応したのは、魔族が持つ角である。
（あー、そういえば今は魔族だから頭にこれがあるんだっけ？ なんか変な感じかも～）
指の腹でなぞると、つるつるとした感触が伝わる。そっと洗ってシャンプーを流し、さっぱりするとどことなくすっきりした気持ちになった。
（魔族って角を綺麗にすると気分が晴れるのかも）
真白は面白いな、と小さく呟いた。
一方、その頃。足湯コーナーでは羽生 碧南がのんびりくつろいでいた。
足湯にも半透明は花びらを震わせる『湯煙蓮』がいくつも咲いている。碧南は『花の祝祭』を楽しんだ後、ゆっくりするためにここに来ていた。
「考えてみたらだけど……。ここ最近、この世界では暴れまわってたのよね」
だからゆっくりと楽しむ余裕がなかった、と振り返る碧南。この世界に来れるのも恐らく最後になるだろう。そう考えるともっと満喫したい気持ちになる。
「せっかくだし、温泉の方も楽しもうかしら？」
お湯から足を引き上げた碧南は、タオルで拭くと早速脱衣所へと向かうことに。
支度を済ませ、浴場へ入ると湯煙が出迎える。ふわりと晴れたその先で、ほかの冒険者も思い思いに温泉を楽しんでいるようだった。
そして、浴場にいる誰もがほんのりとうとうとしているようだった。耳を澄ませると優しいメロディーが聞こえてくる。
「あ、碧南ちゃ～ん！」
ふとメロディーが途切れたかと思えば、白い髪に角を生やした魔族姿の真白が手を振っている。彼女は辺りを見渡し、「あちゃ～、スキル発動しちゃった」と目を丸くしていた。
（それで、ほかの冒険者たちがうとうとしていたのね……）
碧南はなるほど、と小さく頷いた。
身体を洗い、温泉に入れば優しい暖かさが全身に伝わる。そして、湯煙にのって柔らかな香りが流れてくる。碧南はそれが湯船に浮かぶ半透明の花から香る事に気づき、にっこりと微笑んだ。
「あふぅ……」
思わずお湯の心地よさに出た、ちょっと艶めいた吐息。我に返り赤面する彼女だったが、真白は気づいていなかったようで、湯船に浮かぶ花に夢中だった。
「これが湯煙蓮なんだよね。ほんとに花びらが半透明なんだなぁ」
真白が花を手で掬い、香りを楽しむ。どこかで嗅いだことがあるような、ちょっと懐かしいような気がする香りで……。碧南もまた、そっと目を細めて香りを楽しんでいるようで……。真白が振り返ると、彼女はちょっとうとうとしているようだった。
（あれ？ 今は鼻歌歌ってないし……）
どうやら、碧南は花の香りを楽しんでいる間に、眠気が刺したらしい。だが、真白は彼女の傍であることに気づき、「わぁ……！」と小さく感嘆の声をあげた。
「……ん？」
碧南が我に返ると、二人の目の前には、沢山の湯煙蓮が咲いていた。よく見れば、半透明な花びらにはほんのり色がついている物もあり、とても美しい光景だった。
「綺麗……」「うん」
碧南と真白はその光景に見とれていた。
（そういうえばこんなシチュエーションの乙女ゲーあったよね。……そう、主人公が学費稼ぎに花屋でバイトしていたら……）
脳裏に浮かんだのは、一枚のスチル。攻略対象の一人が花屋の常連で、花をバックに微笑んでいる。だが、彼女は顔を真っ赤にして頭を振った。
（何を考えてるの？ 私には洋二さんって大切な人がいるのに！）
「んー……？ どうしたの？」
突然のことに、真白は不思議そうに首を傾げるのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2025年05月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年05月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2025年05月25日 11時00分
