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森本 明乃
は図書館館長として今日の勤務を終えた。館内から出ると街灯がほの白く輝き、空にはポツポツと星が瞬いている。
ようやく解放された。その喜びを裡に噛み締めて帰り道を急ぐ。
人が行き交う通りの端を歩いていた。その時、三角屋根の店舗が目に付いた。窓から客の様子を窺うと飲食ができる店のようだった。
――少しくらい寄ってもいいよね。
胸中で言い含めて扉を開けた。
「いらっしゃいませ。席にご案内します」
「あ、はい」
精悍な顔立ちの男性スタッフが先頭に立って歩き出す。後ろを付いていく明乃は無駄のない動きに目を奪われた。
男性は猫脚のテーブルの横手で後ろを振り返る。明乃に向かってにこやかな笑みを浮かべた。
「こちらの席になります。当店にはメニューがございません。書架の中から気に入った一冊を選んでいただき、その内容に即した一品を提供するシステムになっています」
「それでこんなに書籍があるのね。これも縁なのかしら。あ、私は寝子島図書館で館長をしているのよ」
「運命的な出会いを感じます。どうぞ、当店のサービスを心ゆくまでお楽しみください」
男性は一礼してその場を離れた。明乃は目で見送って近くの書架へ向かう。
背表紙に書かれたタイトルを順番に眺めていく。先程の男性スタッフの影響なのか。抜き出した一冊は恋愛小説であった。
席に持ち帰り、中身を読んでいく。普段の猫目が驚きで丸くなる。
――私の昔の話とよく似ている。それにしてもこんな偶然ってある?
別の男性スタッフが視界を掠める。明乃は無意識に近い状態で立ち上がった。
「あ、あの、この本でお願いするわ」
「畏まりました」
差し出した書籍を両手で受け取ると一礼して去っていった。
運ばれてきた一皿に目を見張る。中央にサーフボードの形をした焼き菓子の容器が置かれていた。中には色鮮やかな水菓子が詰め込まれ、夏を凝縮したような印象を受けた。
――食べるのが勿体ない気持ちになるわね。
用意されたスプーンで水菓子の一部を掬い、一口にした。果実の旨味が口の中に溢れる。深い余韻を楽しむように瞼を閉じた。
目を開けると青い海が広がっていた。明乃は呆然とした状態でふらりと踏み出す。
その一歩で視線を下に向けた。履いていた黒いパンプスは消失して素足になっていた。服装はハイレグワンピースになっていて股間や胸を手で隠し、中腰のような格好で後ずさる。
「そこの素敵なお姉さん、一人ですか」
自身に向けられた声と気付かず、無視する形となった。諦め切れない男性は茶髪の前髪を掻き上げ、明乃との距離を縮めた。
「聞こえてないってことはないよね。セクシーな水着のお姉さん」
「え、私のこと!? おばさんなんだけど」
「斬新な断り方だね。でも、それって無理があり過ぎ」
男性は首から下げていたスマートフォンのアプリを起動。明乃の顔に突き付けた。
鏡と化した画面に若々しい女性が映っていた。数秒で自分と認識して表情が目まぐるしく変わる。
「あ、ああ、私ね。それでナンパよね」
「まずは友達からどうかな」
「俺の彼女に何の用だ」
凄む声に男性は後ろを振り返る。高い身長を活かし、相手を上から睨み据えた。
「あ、ああ、彼氏ね。こんな素敵な女性だからね。そ、それじゃあ」
男性は速足で離れていった。
「ヘンなヤツに引っ掛かるなよ」
「ごめん、高梨君だよね?」
「今頃なんだよ。同じサークルのメンバーくらい覚えろよ」
「暑さでちょっとボーっとしてたみたい」
「飲み物くらい奢ってやるよ」
不機嫌な顔で手を差し出す。明乃は遠慮がちに笑って握った。少し離れた海の家へ向かう。
――やっぱり彼もいるのね。サークルが切っ掛けで出会い、なんとなく付き合う雰囲気になった。何度か身体を合わせたけど、いつの間にか心が離れたわ。
暗い過去を思い出したものの視線を上げた。
「今を楽しまないとね」
「なんだよ、それ」
笑う相手に明乃も溌溂とした笑顔を見せた。
一回の瞬きで元の店内に戻った。食べ掛けの水菓子を見て再びスプーンで掬う。
「夏の味ね」
コーヒーの香りがやんわりと包み、口に僅かな苦味を残した。
――あの夏の味がするわ。
懐かしく思い出し、残りの夏の味を堪能した。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
久しぶりの過去創造館でした。終始、本に絡めた内容でお送りしました。
今回は選んだ書籍に反映された菓子や展開がウリとなっていました。
いつものような過去の創造ではありません。ですが、選んだ本の内容が過去と酷似して、
驚きの再会を果たしたPCさんもいました。アクションの妙ですね。
普段は館の案内役として活躍する麗人ですが、今回は出番がありませんでした。
次元を彷徨う館なので、また寝子島に出没することもあるでしょう。
その時は麗人をこき使うと思うのでご期待ください!
最後にご参加、ありがとうございました。
また別のシナリオで会えることを願っています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月11日
参加申し込みの期限
2025年04月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年04月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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