青の庭園｜リアクション

青の庭園

「ママ、おはなみにいこっ！」

　テレビを見ていた娘の楓から声が上がり、梓智依子も共にテレビに視線を向ける。
　ニューストピックで流れているネモフィラ畑の話に食いついているようで、こうなると梃子でも動かないのが楓。
　なので時間を取って、智依子は一緒に寝子島から遠く離れた本土のネモフィラ畑へと向かった。

　空とは違った青が満遍なく広がる花畑。
　風が少し吹くだけでも大きくゆらゆらと揺れる小さな花びらに楓が嬉しそうに声を上げる。
　好奇心満載な子供の楓は走っていこうとするが、智依子はそれを止めてなだめた。

「あなたがお花畑に突っ込んだら、お花が折れちゃって可哀想でしょ？」

　最初こそ、でも、とぐずっていた楓だったが、可哀想という言葉を聞いたら納得してくれた様子。
　智依子と手を繋いでネモフィラを見て、心穏やかに鑑賞会を楽しんでいた。

　ゆっくりと歩いてネモフィラ畑を楽しんでいる中、智依子はふとアスレチックエリアに目が行った。
　どうやらドッグランも兼ねている場所のようで、少し遊んでいこうか？　と楓に聞いてから入ってみることに。
　丁度障害物コースでの競争が行われているようで、様々なペットの犬が早く走りながらも障害物を乗り越えていくレースが繰り広げられていた。

「わんわんがんばれ～！」
「がんばれ～」

　かわいい犬達のレースを見たあとは、自分も走ってみたくなったのか。
　レースが終わった後、楓はアスレチックエリアに向かうとすぐさま走ってはアスレチックに飛び乗って、すったかたーと子供らしく走っていく。
　忙しなく動く楓になんとか智依子もついていこうと頑張ったが、子供の元気というのはしばらくは続くもので早々に智依子はダウン。ゆっくりと楓が楽しむ様子を眺めていた。

　帰る頃、２人はネモフィラソフトを購入。
　スッとくるミント味に楓はちょっと慣れなさそうな表情をしながらも、美味しい、とゆっくり食べる。
　子供にちょっと早かったかな？　と思いつつも、智依子もゆっくり食べ進めながら帰路へとついていく。

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