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終わらない宇宙
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実のところ宇宙船というものもピンキリである。最新型の半生体船などはナビゲーション機能や武装、緊急時反転航法の安定性も完璧で、各種娯楽機能も完備しており宇宙中のヒットナンバーをやムービーを再生できるし退屈しないのだが、お安い中古船ではそうもいかない。航行システムはいささかいい加減だし海賊対策の武装も一世代二世代は前のフォトンマシンガンやポジトロンイジェクターが申し訳程度に据えられているばかりで、飛行時には不安をあおる振動と音が終始止まない。そんな船も市場には多く出回っているのが実情だ。
佐和崎 紗月
に
初瀬川 理緒
、売り出し中ながらまだまだ駆け出しであるから休暇でちょいと宇宙旅行を、といっても最新鋭の船などには手が届かないものだからつまり、そのような中古船が現実的な選択であったのだ。
「ねぇ理緒ちゃん、大丈夫? この船大丈夫かな?」
「大丈夫大丈夫! 宇宙時代はゆりかごだって棺桶だって飛ぶんだから」
縁起でもないことを言って理緒はシステムAIへ検索条件を投げつけ、船は発進する。窓の外はあっという間に暗黒空間に包まれた。
中古船とはいえ船内の設備はそれなりに充実している。ゴージャスなスペースオーディオシステムこそないがオートクッカーや宇宙ラジオは備え付けられているから長旅にも飽きないし、非常時にはハザード対策システムがあるから安心だ。音や振動にはこの際目をつぶるとしよう。
それに重力制御だって完璧だ。
「わぁ、すごい! もう宇宙だわ」
「う~ん。ちょっと物足りないかな?」
「えっ理緒ちゃん、それってどういう……きゃあ?」
宇宙旅行ならやっぱり無重力じゃないと! という理緒の希望により重力制御をオフにすると二人の身体はふわり浮き上がる。
「わ、わっ。ちょっと、理緒ちゃん……!?」
「これこれ、宇宙はこうでなくっちゃ!」
「あ、あぶない……あはは、理緒ちゃん、助けて~!」
全力で宇宙空間を楽しもうという理緒のみならず、紗月も何だかんだと楽しんだ。二人抱き合ったまま浮かび、くるくると回り中空にてキスを交わし、やがて天井へ激しめに頭をぶつけたものでこれは危険とふたたび重力をオンにした。たまに遊ぶくらいにしておくのが良さそうである。
今回の行程は移動に往復二週間、目的の惑星への滞在一ヶ月と長丁場となる。学生とアイドルの二足の草鞋は実に忙しいが、たまの休暇も自分磨きと活力の維持には必要だ。
長旅になるから、途上での補給も適時必要となる。そのへんはAIが管理してくれるから助かるのだが、「とにかく近道で!」との理緒の入力に忠実なあまりアステロイドベルトへ突っ込んだりするものだからちょっと油断できない。宇宙ステーションへの寄港は修理とメンテナンスのためでもあった。
「さて、修理が終わるまでどっかで食事でも」
「見て理緒ちゃん、いろんな人がいるわ……!」
ステーションは人種の坩堝だ。地球から既に5324光年は離れているから、太陽系外や他の銀河系から訪れた者たちの姿もそこにはあった。緑の肌、青い肌。赤い肌や岩のような者、半ば鉱物のような生き物もいる。それらが多様な意匠の衣服を身に纏い、それぞれの文明・文化を表現していた。地球のそれと似通ったものもあれば目を見張る程に異質なものもあった。
「すごい。これが宇宙なんだ……」
「やぁやぁお二人さん! 旅行者かな? どこから……ああ待って! 当ててみせようか。地球だね?」
声をかけてきたのは二人の目にとりわけ異質に見える、大きな目玉に手足が生えたような奇妙な宇宙人だった。手にはカメラだろうか、やたらにゴテゴテした撮影器具らしきものを構えて紗月を、理緒を舐めるように映している。
「な、何? 確かに地球から来ましたけど……」
おびえたように理緒の腕を抱いた紗月へ、目玉の宇宙人は慌てて手を振った。
「ああいや、怪しいもんじゃないよ、ほんとほんと! 私はこういう者でね」
名刺のような光るタグを手渡されたが、そこに書かれた文字を読むことはできなかった。翻訳機にかければ良かったものだが、二人ともすっかり失念していた。
「宇宙中の美男美女を発掘して回ってるのさ。最近は地球人がトレンドでね。お二人さんは、いい! 実にいい。写真を撮らせてもらってもいいかな?」
「もう撮ってるじゃないの」
まぁいいけど、と理緒はあっさり承諾した。ポーズまでつけてやった、モデル根性は宇宙に出ても健在である。
目玉はひとしきりバシャバシャと撮影すると、笑むように目を細めて言った。ここで気づいたが、案外好人物のようである。
「ありがとう! いやぁいいね地球人、すらりとしてシンプルな造形、これは受けるよ。ま、結果を楽しみにしておいておくれ。それじゃ!」
「結果? って一体何の……」
返事が返ってくる前に行ってしまったので、二人は顔を見合わせるしかなかった。カメラを向けられるとサービスしてしまう、これも職業病というものだろうか。
目的の惑星は無人だが地球人が滞在可能な大気を有し、大きな海とビーチまである楽園のような星だった。ほとんど無色透明の大気は宇宙線や紫外線を遮りながらも星々の明かりを二人へと届け、大地は単色の岩場に思えて何らかの鉱物を含んでいるらしく、散りばめたラメの如く光り輝いていた。それに何より、この星の空にはスターボウ(星虹)が浮かぶのだ。かつて人々が空を眺めて夢想したような、光速で走る宇宙船から見えるドップラー効果による産物たる虹とは少し違って、本物の虹だ。空に浮かぶ星々の並びが天文学的奇跡によって虹がごとき配列となったものだ。
宇宙にはこんな手つかずながら有益な惑星がいくつもあり、人々の目に触れる瞬間を静かに、永劫の時を待っているのだった。
「綺麗だね、紗月」
「うん。とっても綺麗」
宇宙で水着を着る経験などそうはあるまい。おそろしく透明感のある、少しばかりとろみのある深い海へ浸かり、その冷えた心地とぎらつく太陽との対比を楽しむ。
「あはは、冷たい!」
「うん、気持ちいい……あ、見て! あそこ、魚が泳いでる」
「でっかい! でも大人しそうね」
ふと、理緒がとぷんと潜り、気が付いた。
「あれ、ちょっと紗月、この水……呼吸ができる!」
「えっ、本当に?」
二人は手を繋いだままに潜り、踊るように泳ぎ、抱き合い唇を合わせた。どうせ二人だからとやがて水着も脱ぎ去り、生まれたままの姿で睦み合い、そしてぼんやりと揺蕩った。宇宙において時の流れは曖昧だ。このままずっと、そう思わずにいられない。
一ヶ月のバカンスを終え、帰り道に立ち寄ったステーションでのことだ。
「あっ、見て、あの二人よ!」
「地球人って素敵ねぇ、スタイルよくてすらっとしてて」
「ねぇ、握手してもらえない?」
「えっちょっと、何? 何々?」
手が十本もある宇宙人に握手を求められ、どの手を握ったものかと悩んでいたら、翻訳機兼通話装置へ何やら通知が届いた。あの海の惑星は紫外線と共に通信までも途絶してしまっていたらしく、着信に気が付かなかったらしい。
通信の主は、あの目玉の宇宙人だった。
『君たちの写真を配信に載せたら、大人気になってしまってね! 芸能事務所からスカウトが行くかもね。なあにお礼はいらないよ、宇宙中の美男美女を発掘するのが私の使命だからね! それじゃっ』
どうやら知らぬ間に、二人は銀河系で時の人となっていたらしい。ぜひうちの映画に出演を、歌を出しませんか、モデルやってみない? 絶対人気が出るから! と次々に届く宇宙芸能関係の連絡に紗月と理緒は苦い笑いを浮かべずにいられなかった。
「宇宙でもモデルを……?」
「どうする? また忙しくなりそうだけど」
といって二人の心は既に決まっていただろう。一ヶ月の休養を経て勤労意欲が高まっていた。学生として勉学と、地球・宇宙をまたにかけたモデル活動は二足どころか三足の草鞋ともなろうが、広がる世界で待つ未知なる希望へ思いを馳せずにいられない。
向けられた無数のカメラへ、二人はとびきりの笑顔を見せた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月28日
参加申し込みの期限
2025年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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