にゃあかわ　～なんかねこっぽくてかわいい連中～｜リアクション

にゃあかわ　～なんかねこっぽくてかわいい連中～

　稲積柚春はウォルター・Bとデート中だった。
　繋いだウォルターの右手にはペアリングの指輪。自分のしているものとお揃いだ。時々キラッと光るたびに嬉しくなる。
ショッピングモール内を歩いていると、ニャレバンが目に飛び込んできた。
「あ」
「ああ、独特な雰囲気があるよねぇ。でも、時々面白いものがあるんだよ」
「聞いたことはあるんだけどあまり入ったことがないんだよね」
　独特の雰囲気もそうだが、不思議な香りも漂っていて、少しだけ躊躇ってしまう。
「気になるなら、入ってみるかい？」
「うん、少しなら。ワットはこういう所から、目当ての物を見つけるのが好きだったりする？　それとも星ヶ丘みたいに整って広いお店が好みかな？」
「こういうところは目当てのものを探すんじゃなくて、見て回るのがいいんだよねぇ」
　入ってみることにした。入口すぐのところに大きく『にゃあかわコラボ！』という表記がされていた。
「流行ってるよね。可愛いけど、よく知らなくて」
「ああ、僕も……はは、これ、お酒飲んでるね」
スマホケースのグッズだ。お酒を飲むアビシニアンというにゃあかわの仲間だそうだ。
「何これ」
　柚春はつい笑ってしまった。にゃあかわはひたすらほのぼのゆるキャラだと思っていたのに。
　ふと、その横には花嫁ドレスとタキシード姿のにゃあかわとサバシロのぬいぐるみが並んでいた。値札には『結婚コスプレにゃあかわ』とある。
「これ、手を繋いでるみたいだねぇ」
　二匹で一商品のようだ。
　と、いきなり柚春の左手の薬指にウォルターの手が触れた。
「え？」
　見ると、にこにこと笑っていた。
「サイズ、計っておかないといけないかな？」
「！　もう、ワットってば」
　結婚コスプレのぬいぐるみ達を見ていると妙に恥ずかしくなってきた。そこでふと気づく。
「あれ？　これって漫画なんだ。ねえ、本屋さん言ってみようよ」
　ほのぼの系の漫画癒しになるだろう。
「いいねぇ。本屋さん」
　ニャレバンを回ってから、本屋へ向かうことにした。

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