にゃあかわ　～なんかねこっぽくてかわいい連中～｜リアクション

にゃあかわ　～なんかねこっぽくてかわいい連中～

　寝子島から東京へ引っ越して６年が経った。
　落合まゆらはその間、着々と声優としての実績を積んでいた。元々『にゃあかわ』はなんとも言えない可愛らしさに惹かれていて、単行本も持っていた。去年、にゃあかわのアニメに声優として出演したのがきっかけで、グッズを集めたりしてる。
　その日、まゆらはニャレバンに来ていた。
　にゃあかわコラボ記念で声優のトークショーが開かれる。にゃあかわの仲間、ペルシャ役のまゆらもそれなりに有名人なので、帽子に眼鏡をし、軽い変装をしていた。待機場所には行かず、店内へ入りグッズをチェックすることに。
「あ」
　自分の持ち役であるペルシャのぬいぐるみが棚に並べられていた。見た目可愛いけど煽り屋で常に自分が可愛いと思われたい承認欲求モンスターだ。かなり癖の強いキャラなのである。まゆらの演じ方は視聴者からの評判も良いのだ。徐々に自分の個性が出来てきている気がする。声優の強みになるだろう。
　ぬいぐるみを手に取ると、癖の強い笑みを浮かべたペルシャがいる。
（抱きしめたいっ）
　自分の声で喋るからか、親しみも湧いている。
　ぎゅーっとしたいが、さすがに売り物である。
（後で買って行きたいな）
　棚に戻した時、小さな女の子がペルシャのぬいぐるみを抱いた。
「ママ、ペルシャだよ！　可愛いっ」
「それが良いの？」
「うん。ペルシャもそれが良いよね？」

『あなたのおうちに行きたいわ』

　アニメのペルシャの声が聞こえて来て、女の子が目を丸くする。
　まゆらはくすっと笑い、売り場を離れたのだった。
　その後のトークショーは自身の役に対する気持ちを語り、サイン会をした。ちなみにあの女の子もいたが、笑顔で通した。
帰り際に購入したのはぬいぐるみと缶バッジ、それからアームカバー。どれもかわい。
い。
（また演じたいな。二期は続投希望って言っておかないと）

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