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ガラス越しに目が合った。運命と言ってもいい。
「か……かわいい」
倉前 七瀬
が呆けたように目を瞬かせた先には、何とも愛らしいくりくりとした瞳と、笑っているような口元の小動物のぬいぐるみがあった。クオッカワラビー。確かそんな名前の動物だったように思う。
「ううむかわいい。欲しい」
本を片手に日課の散歩中のことだった。いつも見かけるゲームセンターの前を通りがかった時、ちらと覗いた店内にそれがあった。吸い寄せられるように入店し、対峙したのだった。
それにしても最近のぬいぐるみは良く出来ている、と七瀬はうめいた。じっと見つめていると何とまばたきをしたのだ。それに時折首を動かしてきょろきょろと見回したり、あくびをしたりもする。全くもって本物のようであり、とてつもなく出来がいい。
「よし。やってみましょうか」
クレーンゲームの筐体の中には十数体程のクオッカワラビーのぬいぐるみがあり、ぱちくりとまばたきをした一体に狙いを定めることにする。といってさしたる裕福でもないごく普通の大学生、取れるまで湯水のように金をつぎ込むわけにはいかないから、十回だけの挑戦と決めた。
「いきますよ~」
百円を投入し、ボタンを押してアームをスライドする。見つめるクオッカのちょうど直上へアームがやってきたところでボタンを離すとゆっくりとアームが降下していき、そして空を掴んだ。正直に言ってこの手の遊びの才能があるとは自分でも思っていない。
「むむむ。次次!」
アームを動かし、下ろす。アームを動かして下ろす。単純な作業のはずだが、幾度チャレンジしてもアームが掴むのはもふもふとした毛皮ではなく手応えのない空気ばかりだ。
八回目が終わり、九回目も失敗となり、最後の十回目に挑む。
「お……お。お?」
今度はいい感じだ。最後の最後、ダメ押しのゲットなるか。アームはゆっくりと下りていき、今度こそもふもふを掴む……というところで、ぬいぐるみはサッと身をかわした。
「ええ! そ、そんなのありですか」
何たる高機能。技術の進歩もここまできたか、自ら掴まるのを逃れるとは。しかしその愛らしい仕草には大いに和んで、千円程度の散財も惜しくはなかった。
「ふふ。今度はゲットしますよ」
くりくりと首を傾けたクオッカへ笑いかけ、七瀬はその場を後にした。
今日は運命に引き寄せられる日ではないかと思う。
「あっ。ウォルターさん!」
「やぁ、七瀬。奇遇だねぇ」
ウォルター・B
は七瀬の住まうマンションの界隈が何やらお気に入りらしく、時にこうして偶然出会うこともあったが、今日の邂逅は殊に七瀬の胸を熱くした。なぜだろう。あのクオッカワラビーのぬいぐるみとの成り行きがあったからこそだろうか。
「今日もお散歩ですか、ウォルターさん」
「まぁね、そんなとこ。ちょっと気分転換にね。君もかい」
「はい、ぶらぶらしとったとですよ。おや、その犬は? あれ、犬……犬じゃない?」
「何だか懐かれちゃってねぇ。遊んでたところだよぉ」
これまた偶然。運命的ではないか。ウォルターの足元にぴったりとくっつき、微笑むかのように口角を上げている小動物がそこにはいた。
「クオッカ!」
「そうそう、クオッカワラビー。どうしてこんなところにいるんだろうねぇ」
「寝子島にいるわけないし、動物園から逃げ出した? いえ、またこの島特有のヘンな現象でしょうか」
そんな不可思議なことが起こり得る。七瀬もウォルターも数え切れない程に巻き込まれた経験があったから、なるほどそういうこともあろうと妙に納得した。
それにしても、このクオッカはウォルターがいたくお気に入りのようだ。じっと熱心に見上げ、抱っこしてと言わんばかりに両手を広げ、彼が抱き上げると満足したように口元の笑みを深めた。合わせてウォルターの微笑みもまた華やぐものだから、七瀬には何とも幸せな相乗効果なのだった。
「そういえば僕もさっき、クオッカを見たとですよ。ぬいぐるみでしたけど」
「ぬいぐるみ?」
「はい、すっごく可愛くて。クレーンゲームの景品ですけど良く出来てて、瞬きしたり動いたりするんですよ。ちょうどこの子みたい……に……?」
はたと我に返る。ぬいぐるみ。いや本当にそうだろうか、ぬいぐるみが瞬きを? 首を振るにしてもあんなにも自然に、滑らかに? まるで本物のようではないか。
「まるでというか、まさにというか……」
「七瀬?」
クオッカと揃って小首を傾げたウォルターをよそに、七瀬は駆け出した。
「大変だ、閉じ込められてたとですよ、あの子!」
「あ、ちょっと。おーい?」
取って返し一直線に先程のゲームセンターへ。店内へ駆け込みクレーンゲームの筐体を覗くと、十数体のクオッカたちが静かに佇んでいる。しかしぴくりとでも動くものはなかった。ぬいぐるみだ。
「ど、どこに行ったとですか? あの子は?」
「どこって、そこじゃない?」
走ってついてきたらしい、健脚のウォルターが指差す先は、七瀬の足元だった。
間違いない。ぬいぐるみたちと見分けはつかないが、七瀬は不思議と確信した。
「良かった! 出られたんですね」
「景品の取り出し口、この子たちにはちょうどいいサイズだったみたいだねぇ。自由に出入りできちゃうみだいだよ」
ほう、と深く安堵した。
その後は七瀬もせがまれるようにクオッカを抱き上げ、二人と二匹で記念撮影。並ぶ四つの笑顔は、思い出の一枚となった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月27日
参加申し込みの期限
2025年02月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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