いざっ勝負！！！！！！｜リアクション

いざっ勝負！！！！！！

　星ヶ丘にて。
　星山真遠は寝子島に来ていた文梨みちると共に歩いていた。
「悪かったわね。わざわざ出てきてもらって」
「丁度昼休みだったしな。さて、何を食うか」
　みちるは久々の二人でランチに気分が上がっていた。
（やっぱり良いわね。島の雰囲気も、真遠と過ごす時間も）
この年齢になって昔馴染みと話を出来るのは、幸せなのかもしれない。
　と、その時。
　目の前の大きな通りを凄い速さで車が通りすぎて行った。レースで使用されるような車だ。そんな車が何台もその辺りに停まっていて、もうすぐレースが始まるらしい。
「へえ、公道レースか」
　大々的に宣伝されそうなイベントだが、この場で初めて知った。
「お！　お姉さん達参加者だよね？　その車使ってね」
「え！？」
　みちるが驚いて目を瞬かせる。
　真遠は苦笑を浮かべた。
「飛び入り参加ありなのかよ。まあ、これから昼飯だし」
　見ると、みちるの表情がきらきらしていた。
（ま、まずい）
　真遠は横歩きで、車から離れるが、
「やるわよ！」
　首根っこを掴まれて、助手席へ放り込まれる。
「お、おいおい」
「ナビよろしく！」
　なんだかんだ、みちるの運転する車でレースに出場することに。

一、二、三、スタート！

　スタッフが旗を上げた。その瞬間、エンジン音が大きく唸り、レースがスタート。
「来たわ！」
　最初のコーナーで左ハンドルを切り、アクセル全開。
「待て待て、なんでスピードアップするんだ」
「くっ、ハンドルが重いっ」
「スピードのせいだ！　重力が横にぃ」
　高低差がないのにまるでジェットコースターだ
「ふふ、抜いたわ。ん！？」
　横に並んだ車には見知った顔が。
（なんでいるんすか島岡雪乃サン！？　何故）
　そして言葉も交わさずデッドヒート。
「はあああっ、車体が浮いてる！」
「大丈夫、気のせいよ」
（こいつらの神経は何でできてるんだ！）
　その後もくねくねコースやアップダウンのある道を入ってフィニッシュ。
「しゃっ」
　ガッツポーズ。
　みちるの方が一枚上手だったらしく、勝利したのだった。

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