this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
終わる
1
2
3
4
つぎへ >>
「何をしておられるのですか?」
旅人は怪訝そうに尋ねた。後26弱分で宇宙は一新される。消滅を前にして何食わぬ顔で創作を続ける
旅鴉 月詠
の姿を、まるで神々しい絵画を見つめるかのように眺めた。
「絵を描いている」
「絵を。ほう。チキュウではこのように、地に絵画を描く慣習があるのかね」
「手法は時と共に変わりゆくがね。確かに現代においては稀かもしれないが、今この瞬間にふさわしいのはこれだと感じた」
月詠はアスファルトにろう石でもって己の精神を解放していた。猫。鴉。象。友。島。空。破裂する星々……モチーフはとりとめなく雑多であり、その上で月詠の全てが表現されていた。ロボットの旅人はそれらと連れ合いである蛸のような者との間に幾度も目線を巡らせ、しきりに頭部のランプを明滅させていた。蛸は月詠の地上絵を一心に見つめながら触腕をくねらせ、どこか恍惚として見えた。
ろう石を購入した駄菓子屋の前には月詠のみならず、子どもたちの姿もあった。彼らは巧拙も省みずただひたすらに描いていた。月詠はあたかも迷い子を導く伝道師がごとくに振る舞いながら、時おり天を覆う星々の爆発に目をやった。双眸にはその輝きが宿りめまぐるしく瞬いていた。
「おそろしくは、ありませんか」
旅人の問いに、月詠はかぶりを振る。寝子島の人々は大らかだ。空の異変を認めおののく者は意外な程少数だった。多くは緩やかな最期の時を選択するか、無視を決め込むか。半狂乱に騒ぎ立てるような者もおらぬではないが、それらも次第に落ち着いた。どこかそうさせるような、不思議な力が働いていたのかもしれない。
しかし月詠の心が平坦であり続けるのは、彼女の矜持が故にだろう。
「世界が終わる。なるほど分かった、しかしそれが何だと言うのだね」
「自己の存在が失われることに、恐怖は無いかね。我々は旅を続けるうち、達観と諦観に至ったが……それにパートナーの存在もあったしね」
「ええ、そうですね。けれど感情の働きは生命の種の性質にも左右されるもの。チキュウの生命、特にニンゲンのそれは実に複雑で多様に思えます。滅びとはあなたがたの文明にとって、些事なのでしょうか……」
「そんなことはないがね」
ろう石を静かに引き大胆で見事な筆致をアスファルトへ表現しながらに、月詠は述べる。
「終わりが分かっていながら刹那的に振る舞うのは、愚かなことだ。もしかしたらこの世界は夢であり、異星人一流の壮大なドッキリかもしれないというのにね」
「どっきり? いや、そのようなことは……」
「ああ、君たちを疑うわけではないんだ。そうではなく、この島の者はいくらか、そう。奇妙なことには慣れているものでね。変わらぬ明日と日常を信じて過ごし、眠りにつくのが私にとっての良き人生というものだ」
月詠の語る概念は宇宙の果てからやってきた旅人たちに果たして伝わったものか。肩をすくめ、続けた。
「宇宙の法則も、ここでは必ずしも当てはまらないのだよ。世界は滅ぶ、なるほどしかし、世界が一つきりであると君たちは信じるかね?」
「それは、並行世界の話をしているのだろうか」
「宗教観の話かあるいは、おとぎ話かな。この島には神が存在するし、我々は彼女と共に過ごしてきた。あらゆる怪異や奇跡をこの目にしてきたよ。全てが起こり得るこの島だ。別の世界での私は何事もなく絵を描いているかもしれない。別の世界の私のもとへ、君たちは訪れなかったかもしれない。例えこの世界が事象の剪定対象となったのだとしても、別の私は上手くやっているかもな。君たちのような宇宙の深淵を目にしてきた旅の達人にも、きっと理解はしにくいことだよ」
「ふむ。興味深い話だね」
話を広げるうち、残り時間は13分となっていた。月詠の地上絵は子どもたちの描くそれらと融合を果たし、巨大なパノラマとなった。その中央に猫が天球を抱え微睡む像を据え、月詠はうなずいた。
「ま、つまり。世界が終わることは私にとって、創作を止める理由とはならない。そんな戯言を君たちの問いへの答えとしたいが、いかがかね」
旅人たちは満足したようだ。寄りそい合い互いを慈しむようにしながら、月詠へひと言礼を述べて去った。終わりの時までを安らかに、二人だけで過ごすのだろう。
「しかし、それはそれとして」
旅人に諦観の極みを語っておきながら、月詠は不意に指で印を結び、滅びに抗い始めた。そうすることでろっこんの暴走を招くことができはすまいかという試みだった。
「この世界は私のキャンバス。この事象は私の描く絵空事……」
祈りにも似た試みが上手くゆくのかどうかは、あと11分後に判明するだろう。しかしそこに果たして意味はあろうか。宇宙の営みにおいて人の抗いはひどく小さく、ちっぽけなものだ。いずれの事象が観測されようと、宇宙の震動は永劫に続いてゆくのだろう。
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
終わる
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月19日
参加申し込みの期限
2025年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!