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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
サンマチームＶＳマンボウチーム 雪合戦
「ワット！ 僕をかばって……」
ウォルターは柚春の前に立ちはだかり雪玉を受け、アウトとなった。何故かと問うと彼はにやり笑う。
「『やられた』。一度やってみたかったんだよねぇ、女の子を守って……だなんてカッコいいじゃない？」
「ワ、ワット……！」
「一分後に戻るけど、決められるなら決めちゃいなよぉ」
「やってみるけど、なるべく早く戻ってきてね？」
イチャイチャムードを感じ取り、千恵は何となく顔を赤くした。
「ソ、ソリガード～！ 前進前進～！」
掲げたソリに身を隠し、降り注ぐ雪玉の集中砲火をいなしつつ力強く前へ進んでいく。そのままサンマさんへ肉薄することができれば立て続けに雪玉を浴びせて倒すこともできるだろう。だが懸念事項もある。雪玉の保有数が徐々に減り、最前線での補充は難しそうなこと。もう一つの問題についてはかんなが至極冷静に述べた。
「ねぇ、千恵ちゃん。気づいちゃったんだけど」
「ソリガード、ソリガード！ ど、どうしたのかんなちゃん！？ ソリガード～！」
「これ、前が見えなくない？」
はっと気づいた時には遅かった。ソリの眼前にいつのまにやら潜んでいた敵が二人、手だけを出して雪玉を頭にぶつけられてしまった。
「うわ～、『やられた』！ これは盲点だったねぇ」
「そだね。……ぷくく」
「あはは！ かんなちゃん頭真っ白！」
「千恵ちゃんもだよ。ふふふ」
倒しても倒されても清々しく楽しめるのが雪合戦の良いところかもしれない。
子供たちが自陣へ戻ってゆくのと入れ替わりにウォルターが復帰するも、隠密作戦は既に露呈しあえなく失敗となった。しかし諦めムードとはならない。
「よし、今度は雪山を取りにいこう！ まだ負けてないよ、みんなで頑張ろう！」
「柚春お姉さんとウォルターお兄さんも手伝うからねぇ。こらそこ、おじさんって言わない」
「マンボウくんは小山に隠れながら、雪玉の補給をよろしくね。いこっ、かんなちゃん！」
かくして戦力は雪山へ集中してゆく。サンマチームの瀬莉、マンボウチームのアリサは未だ中央争奪戦を演じていた。
「なかなか、やるね、お姉さん！」
「あなたも、粘るじゃないっ？」
瀬莉は仲間たちと連携し、じわじわと登頂を目指す。一方のアリサは頂上付近に陣取り投げ下ろす雪玉攻勢で相手を退けているが、両者の距離は縮まりつつある。加えて外周部に展開していた皆が敵も味方も中央へ集いつつあり、乱戦の様相を呈してきた。
「ママ、いくよ！ みんなにおくれちゃう～！」
「ごめんね、今行くから……ふぅふぅ」
ダンスで鍛えた体力も、子供たちの無限のスタミナの前では形無しだ。智依子はそれでも、この雪合戦体験を愛娘にとって良き思い出とすべく、母として大いに奮闘している。
「あ、ほら楓、あそこに瀬莉お姉ちゃんがいるわよ。応援しにいきましょうか」
「うんっ！」
半ば跳ねるように駆ける楓のまぶしい笑顔を追いかける。智依子の額には玉のような汗が浮いていたが、心は清々しい。
事ここに至り、戦局は定まりつつあった。
「みんな～、一気に雪山をゲットするよ！」
「「「おー！！」」」
サンマチームが瀬莉を筆頭に攻め上がる。マンボウチームも自然とアリサを援護する形で迎撃にかかる。
「ここを死守すれば勝ちよ、踏ん張って！」
「「「おー！！」」」
その時、事態が劇的に動いた。
「わぁ～、たすけてぇ～！ きゅうっ……」
先ほどの柚春たちの作戦を見たサンマチームの一団が、同様の反撃を仕掛けたのだ。少数精鋭がマンボウくんへ肉薄し、彼は雪玉が当たる直前既に気絶しかけていた。
勝負は決したかと思われたが、しかし。
「ソリガーーード！！」
千恵が間に割って入り、雪玉着弾による更なる衝撃の追加を阻む。同時にかんながソリを差し込みマンボウくんの転倒を防いだ。
「重い……マンボウくん、早く起きて……」
「今よ、畳みかけるわ！」
アリサと同時に雪山へ登ったウォルターがサンマさんを狙う。山の豊富な雪で柚春が供給する雪玉は無限だ。
「最後まで諦めないよ！」
「おー！」
逆転を狙い、瀬莉と楓がマンボウくんへ雪玉を投げ当てるも距離が足りず、倒すには至らない。
「楓、頑張って！」
それでも楽しそうにめいっぱい腕を振りきらきらと汗に濡れた娘の顔を、智依子は微笑ましく見つめた。
しばし一進一退が続いたが、やがて勝負を決したのは、やはりアリサの一投だった。
「これで、トドメ！」
剛速球がサンマさんのツンと尖った頭部を捉える。
「うおおお、やられたぜぇ～！」
伐採された巨木が倒れるがごとくにゆっくりと、サンマさんは地に伏したのだった。
ウォルターは柚春の前に立ちはだかり雪玉を受け、アウトとなった。何故かと問うと彼はにやり笑う。
「『やられた』。一度やってみたかったんだよねぇ、女の子を守って……だなんてカッコいいじゃない？」
「ワ、ワット……！」
「一分後に戻るけど、決められるなら決めちゃいなよぉ」
「やってみるけど、なるべく早く戻ってきてね？」
イチャイチャムードを感じ取り、千恵は何となく顔を赤くした。
「ソ、ソリガード～！ 前進前進～！」
掲げたソリに身を隠し、降り注ぐ雪玉の集中砲火をいなしつつ力強く前へ進んでいく。そのままサンマさんへ肉薄することができれば立て続けに雪玉を浴びせて倒すこともできるだろう。だが懸念事項もある。雪玉の保有数が徐々に減り、最前線での補充は難しそうなこと。もう一つの問題についてはかんなが至極冷静に述べた。
「ねぇ、千恵ちゃん。気づいちゃったんだけど」
「ソリガード、ソリガード！ ど、どうしたのかんなちゃん！？ ソリガード～！」
「これ、前が見えなくない？」
はっと気づいた時には遅かった。ソリの眼前にいつのまにやら潜んでいた敵が二人、手だけを出して雪玉を頭にぶつけられてしまった。
「うわ～、『やられた』！ これは盲点だったねぇ」
「そだね。……ぷくく」
「あはは！ かんなちゃん頭真っ白！」
「千恵ちゃんもだよ。ふふふ」
倒しても倒されても清々しく楽しめるのが雪合戦の良いところかもしれない。
子供たちが自陣へ戻ってゆくのと入れ替わりにウォルターが復帰するも、隠密作戦は既に露呈しあえなく失敗となった。しかし諦めムードとはならない。
「よし、今度は雪山を取りにいこう！ まだ負けてないよ、みんなで頑張ろう！」
「柚春お姉さんとウォルターお兄さんも手伝うからねぇ。こらそこ、おじさんって言わない」
「マンボウくんは小山に隠れながら、雪玉の補給をよろしくね。いこっ、かんなちゃん！」
かくして戦力は雪山へ集中してゆく。サンマチームの瀬莉、マンボウチームのアリサは未だ中央争奪戦を演じていた。
「なかなか、やるね、お姉さん！」
「あなたも、粘るじゃないっ？」
瀬莉は仲間たちと連携し、じわじわと登頂を目指す。一方のアリサは頂上付近に陣取り投げ下ろす雪玉攻勢で相手を退けているが、両者の距離は縮まりつつある。加えて外周部に展開していた皆が敵も味方も中央へ集いつつあり、乱戦の様相を呈してきた。
「ママ、いくよ！ みんなにおくれちゃう～！」
「ごめんね、今行くから……ふぅふぅ」
ダンスで鍛えた体力も、子供たちの無限のスタミナの前では形無しだ。智依子はそれでも、この雪合戦体験を愛娘にとって良き思い出とすべく、母として大いに奮闘している。
「あ、ほら楓、あそこに瀬莉お姉ちゃんがいるわよ。応援しにいきましょうか」
「うんっ！」
半ば跳ねるように駆ける楓のまぶしい笑顔を追いかける。智依子の額には玉のような汗が浮いていたが、心は清々しい。
事ここに至り、戦局は定まりつつあった。
「みんな～、一気に雪山をゲットするよ！」
「「「おー！！」」」
サンマチームが瀬莉を筆頭に攻め上がる。マンボウチームも自然とアリサを援護する形で迎撃にかかる。
「ここを死守すれば勝ちよ、踏ん張って！」
「「「おー！！」」」
その時、事態が劇的に動いた。
「わぁ～、たすけてぇ～！ きゅうっ……」
先ほどの柚春たちの作戦を見たサンマチームの一団が、同様の反撃を仕掛けたのだ。少数精鋭がマンボウくんへ肉薄し、彼は雪玉が当たる直前既に気絶しかけていた。
勝負は決したかと思われたが、しかし。
「ソリガーーード！！」
千恵が間に割って入り、雪玉着弾による更なる衝撃の追加を阻む。同時にかんながソリを差し込みマンボウくんの転倒を防いだ。
「重い……マンボウくん、早く起きて……」
「今よ、畳みかけるわ！」
アリサと同時に雪山へ登ったウォルターがサンマさんを狙う。山の豊富な雪で柚春が供給する雪玉は無限だ。
「最後まで諦めないよ！」
「おー！」
逆転を狙い、瀬莉と楓がマンボウくんへ雪玉を投げ当てるも距離が足りず、倒すには至らない。
「楓、頑張って！」
それでも楽しそうにめいっぱい腕を振りきらきらと汗に濡れた娘の顔を、智依子は微笑ましく見つめた。
しばし一進一退が続いたが、やがて勝負を決したのは、やはりアリサの一投だった。
「これで、トドメ！」
剛速球がサンマさんのツンと尖った頭部を捉える。
「うおおお、やられたぜぇ～！」
伐採された巨木が倒れるがごとくにゆっくりと、サンマさんは地に伏したのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年12月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年01月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2025年01月03日 11時00分
