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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
サンマチームＶＳマンボウチーム 雪合戦
「勝負に勝つには、弱点を突かないとね」
「まったくその通り」
柚春とウォルターの勝算は、まさしくその弱点へと集中攻勢をかけることにあった。即ち大将への一点突破狙いだ。
「寝子島の観光大使紹介サイトを見ると……ほら。『直立しているので上しか見えず、よく転ぶ』」
「そりゃそうだろうねぇ」
「僕が雪玉を作って、ワットがサンマさんを直接攻撃する！ これぞ必勝法だね」
最適解に思えるが、言うは易く行なうは難しでもある。ウォルターのチョーク投げで鍛えた？投擲の有効射程へ入るには、そこまでの道程を突破しなければならない。
現在は自陣近くで雪玉を補給中だ。ぎゅっと固めたそれらをエコバッグに詰めながら、柚春は作戦に賛同してくれた子どもたちへ、さらなる助言を求めた。こういう子供の遊びは彼らのほうが詳しいこともあるだろう。郷に入っては、だ。
千恵とかんながうなずき合い、言った。
「私たち、秘密兵器があるんだ！ ねっ、かんなちゃん」
「うん。これがあれば、完璧」
二人が用意したそれらを見て、柚春らは思わず顔を見合わせた。何というアイディアか。多彩な遊びを追求する子どもたちならではのアイディアに思わずうなる。
「これならいけそう。よーし、みんな頑張ろうね！」
「おー！」
団結し中央へ進む。雪山の争奪戦は続いており、どちらも攻めあぐねている。アリサや瀬莉の大立ち回りが拮抗しており、周囲は近づけず外側で小競り合いとなっていた。手早く雪山の外縁を制圧し、敵大将へのルートを構築することとする。
が、しかしそこで想定外のことが起こった。
「わ～、やられちゃうよぉ～」
「！？ マンボウくん！？」
千恵が振り返ると、味方大将のマンボウくんが今にも倒されてしまいそうだ。何ということだ、敵も同じことを考えていたのか。
「あはは、倒れちゃえ～マンボウくん～！」
「ひゃあ～」
「ちょっと楓、そんなに走ったら危ないわ！」
智依子の愛娘、楓の勇敢なる単騎駆けであった。あっという間にぽこぽこと雪玉をぶつけられ、楓は母に連れられるまま自陣へ下がっていった。にこにことして、今度はギャン泣きすることも無かったようである。
「ありがとぉ～、助かったよぉ～」
ほっとしたマンボウくんが礼を述べるも、状況はそれほど好転していない。依然として中央雪山では激しい攻防が繰り広げられており、敵味方双方の仲間が次々に自陣送りとなっている。味方が雪山を専守すればいいが、そうでなければ挽回は難しくなるだろう。
いずれにしても、多くの目を雪山が惹きつけている今こそが大将首を狙う最大のチャンスと言えるだろう。
「ワット、千恵ちゃん、かんなちゃん。急ごう！」
「はいっ！」
「オッケーだよぉ」
そろりそろりと前へ進む。
「ワット、弾！」
「りょーかい」
柚春お手製の雪玉ならば力も入る……のかどうかは定かでないが、ともかくウォルターの一投は見事に敵の頭部をヒットした。
「うわぁ、流れ弾でやられた！」
四方八方飛び交う雪玉のいずれかが当たったと思ったらしく、柚春たちの存在が気取られることはなかった。
「いざという時は、千恵ちゃんたち、よろしくね」
「うん、まかせて！」
秘密兵器を手に千恵とかんなが先をゆく。もう少し接近すれば、ウォルターが敵大将サンマさんを狙うことができそうだ。
「あっ、やべぇ！ 敵が来てるぞー！」
「しまった、見つかっちゃった！」
柚春も雪玉を投げて応戦するが、敵陣近くの守りは堅い。雪玉が雨あられと飛んでくる。ここでウォルターが脱落してしまえば、同じ作戦は二度通じまい。
その瞬間、千恵とかんなが並んで踊り出た。
「いくよ、かんなちゃん！」
「うんっ……！」
「「ソリガード～！！」」
秘密兵器は、千恵や数人の子供たちが公園の雪山で滑るために持ってきたプラスチック製のソリであった。前方に掲げればローマの兵隊もかくやと雪玉を防ぐ盾となる。
「うわっ、そんなのありかよ～！」
「ふふふ～、作戦だよ作戦！ ねっ、かんなちゃん！」
うむと力強くかんなも頷く。厳密なルールなど無いし、子供の遊び道具を上手く使った見事な作戦と言えよう。
「稲積さん、ウォルターさん、今だよ～！」
サンマさんを射程内に捉え、柚春はウォルターへ雪玉を渡す。
「よし、一発当ててみようかぁ……」
「あ、ワット、危なーい！」
「えっ？」
と、柚春はそこでウォルターを狙う敵の存在に気付いた。今まさに振りかぶりウォルター目がけ投げ放つ、その瞬間であった。
「まったくその通り」
柚春とウォルターの勝算は、まさしくその弱点へと集中攻勢をかけることにあった。即ち大将への一点突破狙いだ。
「寝子島の観光大使紹介サイトを見ると……ほら。『直立しているので上しか見えず、よく転ぶ』」
「そりゃそうだろうねぇ」
「僕が雪玉を作って、ワットがサンマさんを直接攻撃する！ これぞ必勝法だね」
最適解に思えるが、言うは易く行なうは難しでもある。ウォルターのチョーク投げで鍛えた？投擲の有効射程へ入るには、そこまでの道程を突破しなければならない。
現在は自陣近くで雪玉を補給中だ。ぎゅっと固めたそれらをエコバッグに詰めながら、柚春は作戦に賛同してくれた子どもたちへ、さらなる助言を求めた。こういう子供の遊びは彼らのほうが詳しいこともあるだろう。郷に入っては、だ。
千恵とかんながうなずき合い、言った。
「私たち、秘密兵器があるんだ！ ねっ、かんなちゃん」
「うん。これがあれば、完璧」
二人が用意したそれらを見て、柚春らは思わず顔を見合わせた。何というアイディアか。多彩な遊びを追求する子どもたちならではのアイディアに思わずうなる。
「これならいけそう。よーし、みんな頑張ろうね！」
「おー！」
団結し中央へ進む。雪山の争奪戦は続いており、どちらも攻めあぐねている。アリサや瀬莉の大立ち回りが拮抗しており、周囲は近づけず外側で小競り合いとなっていた。手早く雪山の外縁を制圧し、敵大将へのルートを構築することとする。
が、しかしそこで想定外のことが起こった。
「わ～、やられちゃうよぉ～」
「！？ マンボウくん！？」
千恵が振り返ると、味方大将のマンボウくんが今にも倒されてしまいそうだ。何ということだ、敵も同じことを考えていたのか。
「あはは、倒れちゃえ～マンボウくん～！」
「ひゃあ～」
「ちょっと楓、そんなに走ったら危ないわ！」
智依子の愛娘、楓の勇敢なる単騎駆けであった。あっという間にぽこぽこと雪玉をぶつけられ、楓は母に連れられるまま自陣へ下がっていった。にこにことして、今度はギャン泣きすることも無かったようである。
「ありがとぉ～、助かったよぉ～」
ほっとしたマンボウくんが礼を述べるも、状況はそれほど好転していない。依然として中央雪山では激しい攻防が繰り広げられており、敵味方双方の仲間が次々に自陣送りとなっている。味方が雪山を専守すればいいが、そうでなければ挽回は難しくなるだろう。
いずれにしても、多くの目を雪山が惹きつけている今こそが大将首を狙う最大のチャンスと言えるだろう。
「ワット、千恵ちゃん、かんなちゃん。急ごう！」
「はいっ！」
「オッケーだよぉ」
そろりそろりと前へ進む。
「ワット、弾！」
「りょーかい」
柚春お手製の雪玉ならば力も入る……のかどうかは定かでないが、ともかくウォルターの一投は見事に敵の頭部をヒットした。
「うわぁ、流れ弾でやられた！」
四方八方飛び交う雪玉のいずれかが当たったと思ったらしく、柚春たちの存在が気取られることはなかった。
「いざという時は、千恵ちゃんたち、よろしくね」
「うん、まかせて！」
秘密兵器を手に千恵とかんなが先をゆく。もう少し接近すれば、ウォルターが敵大将サンマさんを狙うことができそうだ。
「あっ、やべぇ！ 敵が来てるぞー！」
「しまった、見つかっちゃった！」
柚春も雪玉を投げて応戦するが、敵陣近くの守りは堅い。雪玉が雨あられと飛んでくる。ここでウォルターが脱落してしまえば、同じ作戦は二度通じまい。
その瞬間、千恵とかんなが並んで踊り出た。
「いくよ、かんなちゃん！」
「うんっ……！」
「「ソリガード～！！」」
秘密兵器は、千恵や数人の子供たちが公園の雪山で滑るために持ってきたプラスチック製のソリであった。前方に掲げればローマの兵隊もかくやと雪玉を防ぐ盾となる。
「うわっ、そんなのありかよ～！」
「ふふふ～、作戦だよ作戦！ ねっ、かんなちゃん！」
うむと力強くかんなも頷く。厳密なルールなど無いし、子供の遊び道具を上手く使った見事な作戦と言えよう。
「稲積さん、ウォルターさん、今だよ～！」
サンマさんを射程内に捉え、柚春はウォルターへ雪玉を渡す。
「よし、一発当ててみようかぁ……」
「あ、ワット、危なーい！」
「えっ？」
と、柚春はそこでウォルターを狙う敵の存在に気付いた。今まさに振りかぶりウォルター目がけ投げ放つ、その瞬間であった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年12月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年01月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2025年01月03日 11時00分
