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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 茄子編
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幻の高校生ライフ
久しく聞いていなかったような、少年少女のざわめく声が聞こえる。
「……き、水樹、起きて」
背中を揺さぶられ、
城山 水樹
は顔をあげた。
「もー、水樹ったら寝すぎ。ホームルーム終わったよ」
後ろの席のクラスメイトが、やれやれと呆れている。
水樹は胸元に目線を落した。黒いジャケット、えんじ色の襟とリボン。寝子高の制服だ。
前方には黒板。壁には丸い時計がかかっていて、三時半を指している。教室だ。寝子高の。窓の高さからすると一年生のクラスだ。クラスメイトの顔にも見覚えがある。半分くらいは朧気だけれど、起こしてくれた後ろの席の彼女のことは覚えていた。移動教室の時には誘いあって行くくらい仲良くしていた友だちだ。たしか遠くの大学に進学して、すっかり疎遠になってしまったけれど……。
「あれ、私……まだ高校生だっけ?」
記憶が混濁し頭を振っていると、後ろの席の彼女がにやけた顔で顎をしゃくった。
「写真部の彼、また迎えに来てるよ」
誰、だって?
水樹は心当たりがないまま振り返った。
教室の後ろのドアのところに、寝子高の制服を着た一人の少年が立っている。
水樹は驚いて席から立ち上がった。
「――ヒュー!?」
いったいこれはどういうことだろう。そこにいたのは恋人の
ヒュー・ヒューバート
だ。でもヒューは今二十五歳で、彼と出会ったのは高校を卒業したあとだったはず……。なのにそこに立つヒューは、まだ少年らしさが抜けない高校1年生のヒューなのである。
(えっ、えっ、どういうこと? 私たち同じ学校の出身じゃないし、同学年でもないのに……これって)
あれ。でも……。私たちは同じ寝子高に通っていて、クラスは違うけれど同じ高校一年生だ、というもう一つの記憶が湧き上がってくる。彼は私の幼馴染。写真部に所属していて、私は帰宅部。彼の部活がない日はこうして一緒に帰ろうと教室まで迎えに来てくれるのが常で――……。
「水樹、いつまで待たせる気?」
友人に背中を押された水樹は、机のわきに掛かっていた荷物を掴むと、つんのめるようにしてヒューのところに駆け寄った。
「あ、えーっと……ごめん、お待たせ?」
「いいよ。じゃあ、帰ろうか」
ヒューは優しく微笑むと――この笑顔は変わらない――水樹の手を取って歩き出した。
帰り道のキャットロードは、水樹の記憶を再現したかのような懐かしさがあった。
(あ、あの店……無くなったはずなのに。あの店頭のプリクラもなつかしい。よくあそこで撮ったっけ)
おかしな感覚だった。
大人になった自分と、高校生の自分の意識が、行ったり来たりしている。
ヒューは、当たり前のように水樹と手をつないで歩いていた。
高校生の自分たちが、手をつないでキャットロードを歩いている……不思議な感じだ。
「ねぇ、聞いていい?」
水樹はヒューに尋ねた。
「私たちって……付き合ってる?」
「えっ」
と驚いた顔をして、ヒューはさっと頬を染めた。
「どうして急にそんなこと……?」
「だって自然に手をつないでるし……」
「それは、その、昔からの習慣で……ごめん、嫌だった?」
「そんなことはないけれど。でもよく分からないの。今日の私、きっと変なの。だから、教えて」
「たしかに変だね……はは、付き合えたら、いいな、とは思ってるけど……」
「ってことは、付き合ってない?」
「え、ええと……」
返事に困って頭を掻くヒューは、少年らしい恥じらいの表情で水樹を見ている。
(つまり、友達以上恋人未満、ってことかしら)
水樹は新鮮な気持ちになって、どこかヒューよりお姉さん気分で彼にねだった。
「ね、私のこと、撮ってくれない? 今この瞬間を撮って欲しい気分なの」
「いいよ」
話題が逸れてほっとしたのか、ヒューは鞄からカメラを取り出す。一眼レフのよいカメラだ。
「どんな構図、とか、希望はある?」
「そうねぇ」
水樹は懐かしいキャットロードをすたすたと歩いた。
「こんな感じ?」
見返り美人のように肩越しに振り返る。
カメラを構えたヒューはシャッターを切り――
カシャリ。
シャッター音がした刹那、あたりの景色が瞬間移動でもしたかのようにがらりと変わった。
湿度の高い空気と、きゃあきゃあとはしゃぐ声。
プールを備えたリゾート施設だ。
一緒にいるのは水着姿の数人の友人たちで、水樹とヒューも水着である。
「うん、いい写真が撮れたよ」
一行にカメラを構えていたヒューは、ファインダーから目線を挙げて駆け寄ってきた。
(場面が変わった……私もヒューもまだ高校生みたい)
一応、設定的にはさきほどの帰宅シーンの続きらしい。
十代後半の少年少女たちは、互いの関係を意識しつつも、まるでこのなかの誰かと誰かが付き合ってるなんてことはありませんよ、という顔をしてけん制しあっている。
(ああ、高校の頃って、こんな感じだったかも)
誰かがウォータースライダーに乗ろうと言い出した。
見れば、施設の天井近くから、ブルーの巨大なチューブがぐるぐるとプールへ伸びている。巨大浮き輪に乗って下るタイプで、乳幼児は不可、スタッフの指示に従って楽しんで、という本格的なものだ。
浮き輪は二人乗りだということで、くじびきでペアを決める。
「僕は、水樹とだね」
望みが叶ったというようにヒューははにかんだ。年若いヒューのうぶな表情に、水樹はきゅんとせずにはいられなかった。
階段を上ってウォータースライダーの入り口で、佐渡のたらい舟を思わせるような浮き輪に向かい合わせに乗り込む。ヒューはあまりこういったものは好まないのか、すこし青ざめた顔になっている。
「参ったな……僕、ドキドキしてきたよ」
「スピード出していきましょ!」
水樹はノリノリだ。スピード狂というわけではないが、こういう度胸試しのようなものには強い方だ。思い悩むよりさっさと前に進もうとする楽観主義、というのが水樹の自己評価である。
「いや、できればゆっくり……」
なんてヒューが言っているうちに、スタッフが行きますよーと、思い切り浮き輪を押した。
直径二メートルはあろうかという、水が流れるチューブの中を、二人を乗せた浮き輪が滑り出す。
直後、落下に近い急加速。
「う、わあああああああああ!!!!」
「きゃあああああっ!!!」
ヒューと水樹では、悲鳴の色がまるで違っていた。片や恐怖で、片や歓喜だ。
「し、舌、噛むっ! 水樹ッ、だ、だ、大丈夫かぁぁぁい!?」
「あはははははは、たっのしぃぃぃ!!」
チューブはうねり、ふたりを乗せた巨大浮き輪は右へ左へ腰を振る。ついでに回転までするものだから、重いヒューの方が下になって、先が見えない恐怖が続く。
「も、もう、終わってくれぇぇ!!」
「やだやだ、もっともっと続いてぇえええ!!」
ふたりの相反する絶叫が出口から響いて、続いて浮き輪が飛び出してきて着水した。
げっそりとして魂が抜けたようなヒューと、生き返ったようにピチピチとして「もう一回!」なんていう水樹との対比に友人たちはゲラゲラである。
水から上がり、四つん這いになって息をついていたヒューは、元気いっぱいの水樹をすこしばかり恨めし気に見上げて呟いた。
「いつか大人になったら……今度はふたりきりで来たいよ」
あら、まっ。
(高校生のヒューってば、可愛い)
水樹は思わずえへらっとしてしまった唇を隠すように、両手を口元にあてた。
「来れるよ」
水樹はヒューに手を差し伸べて立ち上がらせる。
(だって私たち、恋人同士になるんだもの)
水樹は未来を知っている。
未来の――いや本当の現在の自分たちは、22歳と25歳のカップルで、リゾートプールに行くことなんてわけないのだ。
――うん。休みを取ろう。
水樹は思った。ヒューにも休みをとってもらおう。
今しかない、ふたりの時間のために。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月03日
参加申し込みの期限
2025年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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