this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 茄子編
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
ストレスフル・ドリーマー
「青い空。青い海。白い砂浜――」
深倉 理紗子
は唖然としてあたりを見回す。
隣では、中学生以来の親友である
深林 真瞭
が理紗子とおなじく訳が分からないという顔をしている。
「振り返ればヤシの木って、ここは……?」
昨夜は真瞭が理紗子の家に来て、独身ふたりでさんざん飲み明かしたはず。
うろ覚えだが、そのまま二人でベッドに倒れ込んだ……というのが理紗子の記憶である。
だから目覚めたら家のベッドでなければおかしい。
それなのにいつのまにか、南の島の美しい砂浜にいるなんて。
しかも、ふたりは水着である!
「空の色は、まーちゃんの水着みたいなサファイアブルーでとても綺麗」
「海の色は、りさちんの水着みたいなエメラルドグリーンでとても澄んでる」
これはもしや、お疲れぎみのアラサー女子を労うために、どこぞの親切な神さまが用意してくれたパラダイス? ――まだ酒の抜けきってない脳みそが、そんな胡乱な答えを導き出す。
「あっ、でも私、こんなところに来ていちゃだめなの。昨日小児病棟に搬送されてきた子がいて……」
寝子島総合病院の医師である理紗子は、なにかあったらすぐ駆け付けられるようにいつも身近に置いている大切な――理紗子をひとときも心から休ませてはくれない――スマホを探した。
「ないわ……」
身に着けているのは薄いビキニのみ。念のため腰のフリルのなかも探したがやはりない。
「なくていいのよ、そんなもの」
ひとつ息を吐き、悟った顔になった真瞭が、そっと理紗子の肩に手を置いた。
「ここにはお仕事なんてなんにもないの」
「え、でも……」
「気疲れするような身勝手な楽団員もいない」
真瞭は有名交響楽団に所属していたころに経験したトラブルの数々を思い出して遠い目をした。音楽を愛する人間に悪い人はいない――なんてことはまったくなく、むしろ天才肌の人間の集団は、かちりと嵌ればいいものの、ずれるときはあり得ないほど奇妙奇天烈にこじれてゆくことすらあった。
「口うるさいくせに自分では動かない先輩も、何度言っても話が通じない後輩もいない。めんどくさいアレとかコレとかなーんにもない、遠いどこかの無人島なのよ」
理紗子は息を呑み、改めてあたりを見回した。
無人島!
医療の現場というストレスフルな日常の中で、人に疲れ、責任に疲れ、何もかも投げ捨てて無人島に行きたいと、何度、頭をよぎったことか!
「……本当に全部忘れてもいいのかな……?」
「んもう、りさちんは相変わらず堅物ね! もうこの状況なんだから腹を括って。見てよ、この青い空! 青い海!」
「まーちゃん……」
「私は忘れるわ! こんな機会、めったにないもの!」
まだ戸惑いが抜けない理紗子の手首を強く掴んで、真瞭は砂浜を駆けだした。
「ふふ、あははっ、走ってりさちん! 面倒なこと全部振り捨てて! あの波に飛び込むわよ!」
「待って、まーちゃん……きゃっ」
砂に足を取られ、体勢を崩した理紗子を、真瞭はしっかと抱き留める。
驚いて、真瞭の顔を間近に見つめて、理紗子もとうとう吹き出してしまった。
「ふふふっ、あははは! ごめんまーちゃん」
「もうっ。りさちんたら、いくつになってもドジっ子なんだから」
理紗子は今度は自分から真瞭と手をつなぎ、笑いながら波打ち際へと走り出す。
一歩砂を跳ねかすたびに、心が少女に戻ってゆく気がした。
「飛び込めーっ!」
真瞭のはしゃぎ声を合図に、ふたりは大きく盛り上がった波へと飛び込んだ。
ばしゃりと波は白く砕け散り、理紗子と真瞭は浅瀬に仰向けになる。
「気持ちいい……!」
「さいっこう!」
次の波がまた、二人を洗う。
青の世界に揺られ揺られて、心と体に溜め込んだ毒素を洗い流してしまおう。
そこからは本当にすべてを忘れて、ふたりは美しき南の島を堪能した。
長く水泳を続けている理紗子は泳ぐのが得意で、素潜りで透明度の高い海中に潜り、美しい珊瑚や色鮮やかな魚たちと戯れた。真瞭は波のリズムにインスピレーションを得て、即興曲を一曲歌った。
海は羊水のように心地よくふたりを包み込んでいた。
ここはあるがままでいてもいいところ。
そのうち身に着けている水着もうっとおしくなってきて――
「脱いじゃえ! ほら、りさちんも」
「え、う、うん……」
ふたりは海の中で薄い布地を脱ぎ捨てた。脱いだ水着は海中を揺蕩ううち、サファイアブルーとエメラルドグリーンの魚に変わり、どこかへと泳ぎ去って行ってしまう。
それで困るとも思わなかった。
生まれたままの姿になった理紗子と真瞭は、手をつなぎ合って螺旋を描くように回りながら、光さす海中を下降し続けた。
「まーちゃん」
「りさちん」
「ずっとこうしていたいね……」
「ほんとうね」
海の中だというのに、どうしてか息は苦しくないし、どうしてかおしゃべりも出来る。
「ねえ、まーちゃん。クラゲになりたいって思う時、ない?」
「分かるわ。私たちアラサー女子は、おしなべて頑張りすぎてるのよ。……あっ、見て、りさちん。身体、透きとおってきてる」
「まーちゃんもだよ。足がひらひらフリルみたいに伸びて……」
こぽこぽこぽ。
海底から上った大泡がふたりを包み、海面のほうへと過ぎ去ったあと、そこには二匹の白いクラゲがいた。
花のような模様の傘を、開いて、閉じて、まるでダンスを踊っているかのよう。
上昇する温かな水に乗ってふわふわり。
海面近くまで昇ったかと思うと、今度は冷えた水に乗ってふわふわと海底まで下降する。
ときに、傘をポンプみたいに収縮させて、すぅいすいと海中を泳ぐ。
なんて心地がいいんだろう。
ネオンサインみたいな青白い光を放ちながら。
回っている。
揺蕩っている。
何も考える必要はない。
自分は海の一部で――
ru, ru, ru...
宇宙の中の一粒なんだという感覚で――
ru, ru, ru...
多幸感に包まれる――――……
ru, ru, ru !
「――ッ! 呼び出し!」
理紗子は飛び起き、スマホに手を伸ばした。
自宅のベッドだ。毛布の向こうでは、寝乱れた真瞭が眼を擦っている。
「どうしたの、りさちん……」
「ごめん、まーちゃん。私行かなきゃ」
「今日は休みじゃなかったの?」
「あの子の命には代えられないもの」
夕べ搬送されてきた小児病棟のあの子。安定してほしいと願っていたけれど、少々急を要するようだ。先生、と呼ぶ心細げな顔が浮かぶから、理紗子は行かずにはいられない。
転がったままの酒瓶を踏み越え、理紗子は身支度に掛かる。
「まーちゃんはゆっくりしてっていいから」
「はーい、遠慮なく。帰ってくるまでいていい?」
「いいよ。そんなに長くはかからないと思う。片付けもしておいてくれると助かるわ」
「了解。頑張りすぎないでね、って言いたいけど、きっとそれは無理なんでしょうから……せめて労うわ。ご苦労さま、りさちん」
ん、と理紗子はベッドの中の真瞭に微笑みを返した。
……日常に還ろう。
なかなかに大変で、休みも少なくて、ストレスフルな日常に。
でもときどきは、あの海に心を還そう。
クラゲな時間も、アラサー女子には必要なのだ。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 茄子編
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月03日
参加申し込みの期限
2025年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!