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寝子島高校
時の流れの狭間にて
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「だぁ」
香凛、生後六か月。こう見えて苦労人である。父、
ウォルター・B
はいい年をして少年の心を失わず若々しく、時として落ち着かずふらふらとスポーツカーで出かけていったかと思えば、唐突に目覚めた趣味に没頭したりする。家族への愛情深い母、
稲積 柚春
はそれが故にそそっかしいところがあり、娘のちょっとした不調にもいつも大慌てだ。香凛がいくら大したことは無いと伝えても聞く耳を持ってくれないのである。
「あぅー」
そして二人は隙あらばイチャイチャしている。今だってこの有様だ。
夫婦の仲睦まじいのは微笑ましくていいのだが、二人して娘の服をとっかえひっかえああでもないこうでもない、やれこっちが愛らしく似合うとかいやいやこっちのほうが香凛の魅力をめいっぱい引き出しているのだとか、玩具のように扱うのはぜひやめていただきたい。娘は親の操り人形じゃないのだ!
「だぅっ」
と力強くうなずいたところで、香凛は行動を開始した。多忙な彼女の予定は今日もぎっしりと詰まっている。朝のミルクとお昼寝はつつがなくこなしたから、次は食事だ。先ごろは「おすわり」ができるようになり、小さな歯も生えかけ離乳食へ移行したところの成長目覚ましい有望株たる香凛だから、お食事タイムは無論のことすこぶる重要である。
さてそろそろ母が食事の用意をする頃合いだろう。今日は少し時間が遅いようだが、香凛は慌てず座して待つ。
「……あぅぅ?」
しかし待てど暮らせど母が動く様子はない。成長期の香凛の食事程に大切なものなど無かろうに、まったく困った親である。やれやれ仕方がない。一発気合を入れてやり、両親の気概や使命といったものを思い出してもらわねばなるまい。よっこいしょと手を伸ばし母の頬にぺちぺちと触れる。母が動く気配はない。
「うぅー」
続いて見つめ合う父の肩を叩く。やはり反応はなかった。
「ふぇ……」
香凛はまだ悲しみという感情を知らなかったが泣き方は知っていた。これも重要な仕事の一つである。己の健やかなる生育のためには情報の共有が重要だ。細やかなサインを発し、それを親たちが受け取ることで適切な対応が可能となるわけだ。
「んあぁ! んあぁ! んあぁー!」
よって香凛は泣いた、それはもう思いっきり力の限りに泣いた。泣くことの恥や外聞などという概念はまだ知らなかったし、そうだとしてもこれは香凛の持てる全てを用いた崇高なる表現にして課せられた使命なのだ。泣くことも、食べることもミルクを飲むことも、やわらかいシーツの上を転がることもおしめを汚すことさえもだ。
「んあぁ、だぅー、あぁー! んぁ、んあぁ! あぁー!」
泣きに泣いたがしかし、母も父もぴたり微動だにせず動き出す気配はない。
香凛にはもちろんその理由は分からないが、生まれたての感情はつぶさに揺さぶられた。まだ孤独やそれに伴う恐怖など知る由もない、しかしそのストレスが香凛を新たなステップへと登らせたらしい。
「んぶぅー……!」
動かぬ母の袖口をつかみ、香凛は立ち上がったのである。なんと美しく完璧なつかまり立ちだろう!
「だぁー」
両親に務めを果たさせんがため、あるいは……まだ名も知らぬ愛を求めて、香凛は必死に自身を垂直に立たせ続けた。母や父へ叫ぶのが寂寥や嘆きの発露とは知らぬまま、ただひたすらに。
だから奇跡は起こるべくして起こったものではなく、もしかしたら引き起こしたものであったのかもしれない。
「……い丈夫だってば、ワットは出会った時から変わらず若くてかっこいいよ。自信もってよ、旦那様♪」
「そうかい? ははは。若い奥さんにそう言われると、まだまだ頑張れるって気がして、ええっ!?」
唐突に動き出すなり父はすっとんきょうな声を上げ、母もぽっかりと丸く目を見開いた。そこには得意げに立つ香凛の姿があったもので。
「香凛が立ってる! 柚春、立ってるよ!」
「ほ、本当だ! そろそろつかまり立ちする頃だとは思ってたけど……ああ、びっくりした。すごいねぇ、香凛!」
頭を撫でられるこの喜びを言葉にする手段はまだ無く、その代わりに香凛は笑んだ。天使と見まごう微笑みに、父母もまた相好を崩す。
「きゃ、きゃ!」
「うんうん。偉いねぇ、香凛」
「柚春に似て美人になるよぉ、香凛は」
「ワットに似て、意思の強い子になるよ、きっと。ね、香凛!」
いつの日か必ず、知るだろう。胸の内にあたたかく灯る、この思いの名を。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
時間が止まったお話でした。
実際に時間が止まってしまったら、きっと困ると思います。テレビやラジオはやってないし、ネットだってできないし。おいしい料理を作ってくれる人もいないし。今気づきましたが、たぶんお風呂にも入れないしトイレも流れないでしょうね。おぉ怖い。
止まるなら数時間程度でお願いしたいですね。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年12月09日
参加申し込みの期限
2024年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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