ハロウィン☆デイズ・オーバータイム！｜リアクション

ハロウィン☆デイズ・オーバータイム！

　ねこぴょんの年のハロウィン☆ディズ。
　町は思い思いの仮装を楽しむ人たちで溢れていました。
　そんな人たちを興味深げに眺める倉前七瀬も、狼耳にしっぽ＆狼の手を模したもふもふ手袋を装着した狼の姿でした。
　気ままに街をぶらつくつもりでしたが。
「おや、スタンプラリー……愉快な景品がプレゼントされるとですか」
　ポスターを見つけて、七瀬は考えました。
（せっかくやけん、ウォルターさんも誘ってみようかな？）
　スマホを取り出しニャインに打ち込みます。
『お時間あったら、途中合流してスタンプラリーのお店巡りしませんか？』
　と、メッセージを送信。

（急なお誘いになってしまったので、返事がくるまではのんびり1人でお店をまわりますか）
　そう思い、店を覗いて回ります。
「お、甘味処ですね。ハロウィンの特別メニュー……」　
　気になるお店の前で足を止めましたが。
（ウォルターさんと合流できたら行きたいし、後まわしにしますか）
　そう思い歩き出して、しばらくして見つけたスタンプラリーの対象店舗でのんびりとお茶を飲んでいると。
　ピコン！　ニャインに着信がありました。
（ウォルターさん！）
『今行くよぉ。どこかな？』
「がおがお」
　喜色満面で、七瀬はスタンプと返信を送ったのでした。

「やあ、オオカミくん」
　しばらくしてウォルターがやってきました。
「せっかくのハロウィンですから、僕も狼男の仮装をしてみました。今日はこの格好でスタンプラリーに参加したいと思います」
「似合ってるよぉ。僕も何か仮装してくるとよかったかなぁ」
「何の仮装がしたかったとですか？」
「うーん。……赤ずきんとか？」
　ウォルターの答えに七瀬は吹き出しました。
「狼より背が高い赤ずきんですか」
「赤ずきんのほうが狼を食べちゃうかもねぇ」

「あ、食べるといえば美味しそうな甘味処を見つけたんです」
「いいねぇ」
　先ほど断念した甘味処へ行こうとした七瀬ですが。
「そうだ、その前に……ウォルターさん、トリックオアトリート！」
「こりゃあ、やられたな」
「仮装してるので言っておかないと、と思いました。お菓子くれなきゃいたずらしますよ。がおがお」
「え？　倉前が僕にお菓子をくれるんだよねぇ？」
「なんでそうなるんですか」
「そうだねぇ、甘味処で一品ごちそうしようか」
「いいんですか？　ありがとうございます」

　甘味処に入った二人はメニューを見ました。
「ハロウィンの特別メニュー……パンケーキですか」
「僕もそれにしようかなぁ」
　二人はパンケーキを注文しました。
「ところで、スタンプラリーの愉快な景品ってなんでしょう？　モノだったら、今日のお礼と記念にウォルターさんにプレゼントします」
「そりゃあ楽しみだねぇ」
　やがてパンケーキがやってきました。
「いただきます」　
「……うん、これは美味いねぇ」
「カボチャとサツマイモ、それに栗も入ってて贅沢ですね。美味しいです」
「ちょっと多めかなと思ったけど……」
「ぺろりといけちゃいました」

　その後七瀬はスタンプを集め終わり、ウォルターと共に景品交換所へやってきました。
「景品はこちらです、どうぞ！」
　と渡されたのは……
「耳と尻尾……これはキツネ？」
「これで仮装ができそうだねぇ」
　ウォルターは狐耳と尻尾をつけ、ポーズを取りました。
「ウォルターさん、似合っとります！」
「なんだかお揃いみたいだねぇ」
「はい！　記念撮影しましょうか」

　愉快な景品は、こうして二人の記念となったのでした。

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