ねこじま宇宙人狼『ニャモング・アス』｜リアクション

ねこじま宇宙人狼『ニャモング・アス』

〇ゲーム開始

（ほーん、……がニャンポスターか……思いっきり暴れちゃうかね！）　
　唯一ニャンポスターの役職を引き当てた者は、内心でそうつぶやいた。

　そしてクルーたちは考える。
（やるからには勝ちたいものだね。生き残っていれば僥倖だよ。とりあえず1人きりにならないよう、誰かと一緒に行動しようか）
　行動する相手がクルーなら、お互いに白を証明できる。
（逆に相手がニャンポスターの場合、キルされる率は高まるだろうが、一緒に行動していたという印象を他のクルーに与えられていれば疑って追放してくれるかも）

（タスクを進めるのだ、進めるのだ。出来れば誰かと視認は取っておきたいよね。だから基本方針としては人の多い所のタスク優先）
　
　まず部屋を飛び出したのは、紫のキャラと白いキャラだった。
（まぁ、移動先によってはいない方に行かなきゃいけない時もあるけど、まずは一緒に行けそうだね）
　さらに赤いキャラが続く。
（ひとまず情報あつめと、タスク頑張るか。なるだけ一人は避けたい）
　残った黒いキャラと緑のキャラは、牽制するかのように一拍おいて。
（部屋を出るのを最後にして、各人がどちらに行ったかは把握しとこう）
　結局黒いキャラが先に走り出し、緑が続く。
（優先事項は、１．キルされない　２．タスク処理を着実に遂行（幽霊になってもタスクはできるらしいけど……）　だから、基本的にタスクはひとりで遂行しよう）
　
　ニャンポスターは考える。
（今回ニャンポスターは一人だけだし、タスク負けしないようにキルペースは早めのがいいな。とりまキルクールタイム開けるまでのタスク妨害）

「あれ？　ドアが閉まってる」　
　緑のキャラはニャンポスターの妨害に気づき、慌てず解除にかかる。
「カードスキャンピッ！」
　ここだけではなく他の場所も閉められているかもしれない。
　そう思いつつも、まずは目の前のタスクをこなすことに専念するのだった。

（妨害か）
　紫のキャラも閉まったドアに気づき、開けるためのタスクをこなす。
　少し時間がかかったが無事ドアを開け、中に入って正規のタスクを終えたとき、あたりが暗くなった。
「停電だ！」
（タイムオーバーにはならないとはいえ、放っておけばニャンポスターが絶対有利だよね。緊急タスクは優先してやるよ）
　停電を解除するため、電気室へ向かうのだった。

（んー、近ければやりに行こうと思ったけど、行ってくれるなら任せようかな）
　白色のキャラは紫のキャラの動きを一瞬視認し、目の前のタスクを続けるのだった。

「ええ～、停電！」
　嫌な予感がする、と身を震わせながら、黒色のキャラは周囲を警戒していた。

　文也は、電気室へ走った。
　そこに待ち構えている者に気づかず。
　はっ、とした次の瞬間。
「！！……ははっ。そうきたか」
　彼は物言わぬ遺体となっていた。
（幽霊化してもタスクはこなすよ。タスク勝ちできるかもしれないしね）
　幽霊となった文也は、その場を離れタスクに向かうのだった。

　通報ボタンが押されたのは、しばらく経ってからだった。

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