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かぐや姫救出作戦
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【忘れられそうな勢いのあの人】
「茂さんはまだ見つかってないんですね……」
御巫 時子
は光る竹を探して歩くうち、猫鳴館前まで戻ってきていた。
あらかた竹も切り終わり、片づけに回る者も目立ってきている。
「長いこと閉じ込められたままだなんて、どうにかしないと……。あら?」
寮の玄関からほど近い場所に、切り残された竹があるのに気がついた。しかも、淡い光を放つ位置も、目線の高さだ。
もしやと思い、近寄る時子のすぐ脇を、十一のろっこんの影響を受けたたけのこが、にょきにょきにょきと生えてきた。
「きゃ……」
驚いて避けようとした時子は、うっかりその光る竹に触れてしまい、そのまま中へと吸い込まれていった――。
「う、ん……っ、ここは……」
身動きがとれないほど狭いのに、妙な安心感を与える空間に、時子はいた。
「あっ、茂さん……! よかった、ご無事だったんですね……」
「君は……、保健委員の御巫か。不運だな、御巫も竹に吸い込まれたのか」
中で時子を待ち受けていた
海原 茂
は、持っていた本を閉じた。
「周囲の状況はなんとなく把握できているんだが、こちら側から外に出る手段がなくてな」
「はい。あの……、お怪我などはありませんか……?」
たずねながらも、時子の頬がほんのり染まる。
茂の無事が確認できたのは嬉しいが、思わぬ密着ぶりに恥じらいを押さえきれない。
こちらは動じる気配も見せず、茂はおうようにうなずいてみせた。
「退屈なことを除けば、どうということもない。そのうち出してもらえるだろう」
「そう……、ですよね。安心しました、本当によかった……」
常と変わらぬ茂の態度に、時子は安堵のため息をついた。そのまま、あくびをひとつもらす。
「なんだか……、安心したら、眠くなってきました……」
実は時子、どこでも眠ることができるという特技がある。
そうこうするうち、だんだんとまぶたが重くなり、時子はすやすやと寝入ってしまった。
「うぅん……、茂さんを、助けますから……。まかせてくださ……い……」
そんな寝言までこぼしている。
「……寝たのか」
茂は感心したように、無防備な時子の寝顔を見た。
「見かけによらず、剛胆だな。うむ、たいしたものだ」
そうして再び本を開き、読書を再開するのだった。
茂と時子の二人が救出されたのは、竹を刈りに行っていた生徒の大半が、猫鳴館前に集まりだしてからのことだ。
要領はよくないながらも、最後までこつこつと伐採を続けていた
清秋院 静香
が、その竹を切った。
「む、出られたか」
「ふぁ……、あら、朝ですか……?」
「いいや、外だ」
目を覚ましてふらつく時子の体を、茂と静香の双方が支える。
「きゃ、ご、ごめんなさい……」
真っ赤になる時子に、静香が微笑みかける。
「お二人とも、もう大丈夫ですからね」
「ありがとう。世話をかけたな」
茂に続いて、時子も静香に礼を述べる。
「あーっ、せーとかいちょーだー!」
茂に気づいた十一が、大きく手を振る。
「へえ、見つかったんだ。さすが会長、竹の中でも読書ですか。何を読んでいたんです?」
近づいてきた天野が、ひょいと表題をのぞき込む。
「ええと、『おちこぼれ姫のイケナイ宿紹介』。……失礼しました、見なかったことに」
「旅行ガイドだ」
茂は言い張る。
「面白そうーっ!」
なぜか十一がシンパシーを感じたらしく、テンションをあげて茂にまとわりついた。
「ああほら、興奮するとまた説教をくらうはめになるよ。……あ、そうだ、えい」
唐突に、天野は十一の背中を、たけのこに向かって押した。
「なにすんのさー!」
人の背丈ほどもある茶色い大きなたけのこに、抱きついた十一が文句を言った。
「うん、どのくらい成長した竹なら人を吸い込むようになるのかと思って。……けど、この事件もどうやら収束したようだね」
見回すと、あれだけあった竹が一掃されている。
「すっきりしたな。よし、後片付けをするか」
ふところに本をしまい込み、茂は腕まくりをした。
【後始末をしよう】
「たくさん採れたな。みんなで山分けしよう」
マウルは満足げにたけのこの山を見つめた。米太郎も熱い視線をそそいでいる。
「たくさん食べられるね。寮に運ぶの手伝ってくれるかな。たけのこごはんで、おにぎりなんてどう?」
「よしきた」
二人が寮の厨房を漁っていると、
邪衣 士
が顔を出した。
「お、何か作るのか」
「簡単なものだけどね。……あ、あった米ぬか。やっぱこういう、変わったものだけは置いてあるんだよなぁ」
手際よく、米太郎は食事の支度をしていった。
「お味噌汁の具に使えそうな野菜、裏の菜園にないかな。見てきてくれる?」
マウルと士も手伝って、厨房に食欲をそそる香りがただよいはじめた。
「とんとんとーん、ぎこぎこぎこー♪」
ノコギリで倒れた竹を分割しているのは、座敷童子姿の
雨崎 荒太郎
だ。
「尺八や雅楽で使う、笙ってあるでしょー」
隣で作業している
雨寺 凛
の発言を、荒太郎はきょとんとしてくり返した。
「しょうってあるでしょう?」
「笙。楽器ね。あれって竹で作られてるんだってー。私も竹の中にいたときはね、どうせ竹になるなら、そういう音を鳴らせる竹になりたいなぁって思ってたんだぁ」
「なるほどー、壮大な夢でござんすのう」
「だからねぇ、せっかくだから、記念に竹で笛でも作ろうかと思ってるの」
「あっしも今ちょうど、尺八笛を作ろうとしておるんじゃよー」
「わあ、気が合うねー!」
「でござんすなー」
二人はわきあいあいと作業をすすめ、やがて雑木林には、試し吹きの音が鳴り響いた。
「竹はねぇ、裏庭に積んでおくのがいいと思いますのじゃ」
子泣きじじいこと、
初島 優
が提案すると、
奈良橋 博美
も同意した。
「とっておいたら、何かに使えるかもしれないよな。あ、そうそう、流しそうめんとか」
「それはまことに良き発想なのじゃ! 廊下の補修以外にも、なにかと資材は必要じゃからの」
「それでは早速、運びましょう。数が多くて大変そうですね、頑張ります」
森 蓮
が意欲を見せると、月乃も笑顔でやってきた。
「運ぶの? 手伝うよ」
「ありがとうございます。ご厚意に感謝します」
蓮が深々と頭を下げる。
「おお、そうだ、後始末は大事だからな。向こうに運べばいいのか?」
楪 櫻
も気づいて、名乗りを上げた。
途中、くたびれた月乃が飴玉をなめたこともあり、皆の働きで作業は順調に進んだ。
【最後のお楽しみ】
「おまたせー。みなさんに差し入れの炊き出しですよー」
マウルと米太郎が玄関前に、たっぷりのおにぎりと寸胴鍋の味噌汁を運ぶと、わっと人が集まってきた。
「お前が用意したのか……!?」
中には目を疑うといったような反応もあって、米太郎はわずかにふてくされる。
「そんなに驚くところかな? うん、微妙に傷つくよね、繊細な僕のハートがね」
言いながらも、次々に味噌汁をよそっていく。
「たけのこごはんのおにぎりと、お味噌汁だよ。おかわりあるから」
「お、おう。いただきます」
「はっはー、うまそー!」
神木 煉
と
緋王 輝夜
が受け取ると、
恵御納 夏朝
もお腹を鳴らして寄ってきた。
「おなかすいたよー」
「はいどうぞ、食べな」
「ありがとう、うれしいなぁ」
食べた人が口々に、おいしいと声を上げる。
「私も~、私も食べたいですよーぅ。おなかぺこりんこですよー!」
風呂敷のマントをまとった
不破 ふわり
が、ぴょんぴょん跳ねてやってくる。
「いい匂い~」
締まりのない顔をして、頬張る姿は幸せそうだ。
清秋院 静香
と
御巫 時子
も加わって、おにぎりと椀を受け取る。
「いい出汁が出ていておいしいですね」
「ええ、おいしい……」
やがて後片付けをしていた面々や、デートにいそしんでいた人なども集まりだし、玄関前はいっそうにぎやかになった。
「お茶飲みたいよねー」
「お菓子も持ってこよ-!」
猫鳴館からブルーシートが持ち出され、地面に敷かれた。
飲んで食べて騒ぎ出す生徒たちの顔は、どれも達成感に満ちている。
「がんばったよね」
「うん。すごーくね!」
ほっこりとしてほほえみ合う女子がいれば、好き勝手に騒ぐ男子もいる。
「ドラム缶風呂で汗流そうぜー」
「せーとかいちょーったら、さっきの本、俺にも貸してよー!」
――こうして、たくさんの生徒を見守ってきた猫鳴館に、平和が戻った。
後に残ったのは、おいしいたけのこと、資材の山と、春の日の思い出。
猫鳴館に、にぎやかな若者たちの声がひびく。
END
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あとがき
担当マスター:
瀬野 とうこ
ファンレターはマスターページから!
おつかれさまでした。
竹と人情にあふれた春の休日、楽しく過ごすことができたでしょうか。
誰かのためにオノを振るう人がいました。
恋心に胸を震わせる人もいました。
そして景気よく素肌をさらす人もいました。
どれもいい思い出です。
ご参加のほど、まことにありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月30日
参加申し込みの期限
2013年01月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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