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妖✕祓い屋 ~繋がるモノたち編~
【武器】妖✕祓い屋〜共闘編〜
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山間にわだかまる曇天はもう幾月も晴れていないという。
「何。あの荒れ寺のあやかしを」
山伏は訝しげに
倉前 七瀬
を睨め付けた。祓い屋が調伏すべきあやかしと道行きを共にするのは珍しいから、奇異の目で見られることは慣れているが、挑むような目つきに眉を寄せた。彼もまた山伏の姿をした同業者だろうか。
「そーそー、もう何人もやられてるらしくてねぇ。祓ってくれって頼まれちゃったからさぁ」
祓い屋、
ウォルター・ブラックウッド
の風貌も興味を誘う対象ではあろう。紅毛に青目で着流し姿とあれば無理もない。もっともその青い輝きは常に七瀬を惹きつけてやまないのだが。
不審を隠さず山伏は言った。
「白坊主、というのがおるな。その小僧こそ、荒れ寺に巣食い訪れた旅人を食らうあやかしではないのか」
「あはは、そりゃ面白いねぇ。大丈夫、この子はまぁ、友人? かな? そのようなものだよ。害はないから」
「ふん……せいぜい寝首を掻かれぬようにな」
吐くように言い捨て、山伏はいずこへか去った。
ウォルターはいつものようにおどけて肩をすくめ、七瀬をうながす。
「さっ、いこうかぁ」
その笑顔に惹かれ、七瀬は彼と共に歩むと決めたのだ。
長く旅を続けてきた。自分がどこで生まれたのか、なぜあやかしとなったのか分からない。記憶は失せているがかつて人間であったことと、己の名だけが確かなことだ。
幾度となく祓われそうになりながら、七瀬は現世を流離った。どこへ行けばよいのか。何を成すべきなのか。まるで分からぬままにどこへでも行き、己の成すべきを探した。あやかしと変じたのには何か意味があるのだと、朧気ながらに感じたので。
そのさなかに出会ったのだ。
「いやぁ、何だかあやかしに好かれちゃってねぇ」
青い瞳を見つめた時、ウォルターは小さき獣たちに囲まれていた。いずれも二又三又のあやかしばかりで、肩に乗り頭に乗り、手のひらに乗りと祓い屋を警戒するそぶりはまるでなく、子犬か子猫のように懐いていた。七瀬は己もその類だとは思っていないが、あやかしとなった自分が人を好ましく思ったのはそれが初めてだったし、自分を祓おうとしない祓い屋と出会ったのも初めてだった。
「ふうん」
「? 祓い屋さん、僕みたいなあやかしが珍しかですか」
「可愛らしい顔してるなぁと思ってねぇ」
以来、七瀬は彼について回っている。特段、主従の契りを交わしたわけでもなく、祓いの技で従わせられるということもなく、互いの絶妙な距離が気に入っていた。
そんなところが市井の者や同業の祓い屋などには理解しがたく、奇異の目を向けられるのだろうが、七瀬がそれを気にすることはなかった。気にならぬ程に、彼との道行きが心地良かったので。
荒れ寺はなるほど、荒れ放題だ。石垣も灯篭も崩れ敷石はひび割れ、這いまわる蔦が破れた障子や欠けた板壁の隙間から入り込み、屋根瓦は半ばほどが地に落ちていた。
ウォルターの足元で乾いた音が鳴った。七瀬が覗き込めば、砕けた人の頭蓋であった。あたりに点々と白く散らばるのは小石かと思いきや、全てが人骨の欠片なのだった。
「くだらぬ巷談に慄き、去っていれば良きものを」
二人を出迎えたのは、先に邂逅した山伏だった。七瀬は首を傾けたがウォルターには予感があったらしく、動じることもなく不敵に笑んでいた。
「やっぱりねぇ。君、殺気はもう少し隠したほうがいいよぉ?」
「ウォルターさん、助言してる場合じゃなかとですよ」
山伏の身体がみるみる膨れ上がり、剛毛に覆われた縞模様の八本の足や丸々として人面を浮かび上がらせる腹、鋭い顎に八つの目が現れる。ウォルターはふんと鼻から息を吐いた。
「蜘蛛か。案外とつまらない正体だねぇ」
「がっかりしとる場合でもなかとですよ、来ます!」
散らばる骨片には祓い屋のものもあるだろう。数多の者を食らってきたのだろう大蜘蛛は、人骨の数が物語るように強靭で素早く、巨体を物ともせぬ俊敏で樹上へ登り枝葉を伝い、粘こい糸を放つ。絡め取られれば最後、貪り食われてしまうだろう。
ウォルターは糸玉をかいくぐり手にした礫を放つ。彼が故国から持ち込んだ白墨には特別な見えぬ呪言が刻まれており、あやかしに致命打を与えるのだ。
「おや、思ったより素早いねぇ。七瀬、お願いするよぉ」
「はい、ウォルターさん!」
あやかしに負けじと俊足のウォルター、本気の彼に追い縋るのは七瀬にも難儀なことだ。樹々を蹴って蜘蛛を追い詰め白墨を投じる。多くは蜘蛛の足なり胴に叩きつけられたが、見た目どおりの頑強だ。動きは中々鈍らず、張りめぐらされた糸は巣となり蜘蛛の奔りを助け、ウォルターの駆ける先を狭めてゆく。
そこが七瀬の役どころだ。彼の相棒と自負するところでもある。懐より取り出した書を広げ、発した。
「縛!!」
文字は浮かび上がり、実体の鎖となって伸び、蜘蛛へと絡みつく。たちまち縛り上げられた蜘蛛は苦悶を喚きながら失墜し、ひっくり返って足を丸めた。言の葉を武具と成すのが、七瀬のあやかしとしての力だった。
「ウォルターさん、今です!」
「さっすが相棒。頼りになるねぇ」
祓いのさなかにも冗談めかして言った彼に、七瀬の胸を誇らしさが満たしてゆく。
「さぁて、悪さは仕舞いだよぉ。そろそろ輪廻を巡るといい。次はもう少し、可愛げのある姿に生まれるといいねぇ」
最後の白墨を蜘蛛の眉間に叩き込めば、人に仇名すあやかしは長い断末魔を残し、煙と解けて消えていった。
途端に顔を出したのは、二又尻尾の三毛猫だ。三又の狐やら三本足の鴉、犬猫猿の幽霊も混じっている。どれも荒れ寺の周辺を棲み処とし、あの蜘蛛に難儀していた者たちだ。彼らは祓い屋へ感謝し、木の実やら野菜やらを置いてゆくついでにウォルターの身によじ登ったり頬を擦り付けてゆく。
「……むぅ。ウォルターさんの良さにみんなが気づくのは、嬉しいですけど」
七瀬はそれを眺め、頬を膨らませていた。彼の隣に在るのが自分だけではないのが、ひどくもやもやとした。彼と己のそんな間柄をなんと呼ぶのか、本を好む七瀬にも適した言葉は浮かばなかったが。
「なんだい、七瀬? ふくれっ面をして」
「いーえ、別に。それより一仕事終えましたし、甘味でも食べにいきませんか?」
「と言ったって、君、食べられないじゃない」
「いいんですよ。ウォルターさんが食べているのを見るのが好きですから」
本当のことを飾らず述べたつもりだったが、そんな七瀬を眺めて、ウォルターはなぜだか笑みを深めるのだった。
「ははは。君ってば本当に、ヘンなあやかしだねぇ」
頭上を覆っていた暗雲は蜘蛛のもたらす邪気であったか、それが晴れた今は目の覚めるような青き空が広がっている。
こんな空の下にも、おぞましき邪意に満ちたあやかしは人の世に蔓延っている。
「さあ、いきましょうウォルターさん!」
「はいはい、急がなくても甘味は逃げないよぉ」
いつか祓い屋が歩みを止めることになるその時まで、七瀬もまた彼の傍らに在り続けることだろう。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
お待たせしました。網です。
何となく時代物っぽいお話でした。
今回は倉前さんのイラストの設定に乗っからせていただきました。担当させていただき嬉しく思います。
雰囲気を少しでも表現できているといいのですが。
テーマはバディものでした。
立場や種族の異なる両者が時に反発し合い、時に協力しあって危機を切り抜ける。かっこいいですよね。
執筆も順調に進み、もっともっと書いていたい思いでした。
お楽しみいただけておりましたら幸いです。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月20日
参加申し込みの期限
2024年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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