月夜に凛と鈴の音めいて、杯が鳴る。
酒の飲めない相手と晩酌も味気ないかと思いきや、
ウォルター・Bの機嫌はすこぶる良かった。
「いやぁ、一仕事終えたあとの一杯はたまらないね」
「飲み過ぎんでくださいよ、ウォルターさん。いざという時に狙いが定まらないと困りますし」
「大丈夫大丈夫。ははは、七瀬は心配性だねぇ」
そうして杯をあおる彼を眺めているだけで、
倉前 七瀬も気分がいい。
飲めぬというのはなにも下戸ではなく、酒の味を知る機会もないままに死んでしまったからだ。七瀬はつまり、所謂一つの幽霊というやつなのだった。まあもしかしたら本当に下戸であるかもしれないが、少なくとも彼とこうして顔を付き合わせているだけでも七瀬は満ち足りた。
ウォルターは不思議な男だ。どんな故にか異国からやってきた、金髪碧眼の祓い屋。まじないを込めた白墨と拳銃を手に、日の本中を巡りに巡り、人へ仇なすあやかしを祓い東奔西走。
いつから彼に同行し、協力しているのだったか。彼と契約関係にはないし、主従というわけでもなし。では友人だろうか。相棒? はたまた師弟だろうか? どうにも名づけがたい、あやかし祓いの奇妙な道行きだった。
「……ねえ、旦那! ちょいと、青い目の旦那!」
「あれぇ、旅籠の女将さん。こんな時間にどうしたんだい」
「うちの宿に、あやかしが出たのよ! こいつがやっかいな輩でねぇ、うちの人は腰抜かしちまって役に立たないし、旦那、祓ってやっておくれよ!」
祓いの代金を確かめることもせず、ウォルターは立ち上がる。そこそこに酒も回っていたはずが、けろりとして白い顔をしていた。
「というわけで、お仕事だよぉ。七瀬、どうする? 付き合うかい」
「もちろん、うちも行きますよ!」
あやかしと祓い屋。今宵もまた、その不思議な絆をご披露いただこうか。
どうも、網です。どうぞよろしくお願いします。
倉前 七瀬さん、キャンペーンの当選おめでとうございます。
ご参加の際はガイドのイメージによらず、自由にアクションをお書きください。
倉前さんのイラストから一部設定をお借りした、「あやかし」と「祓い屋」のお話です。
バディものだったり、ライバルや因縁の仇敵とのバトルや駆け引きだったりすることでしょう。
もちろんお一人でも参加可能です。その場合は別の参加者さんと一緒に描かれたり、
NPCとバディやライバルになったりします。お気軽にどうぞ。
時代は江戸時代くらいのイメージ。
世の中にあやかしがはびこり、それを退けたり封じたりする祓い屋が存在します。
☆自分は祓い屋、友人は鴉天狗の妖怪。協力して敵をやっつける!
☆鬼の俺と祓い屋のあいつは宿命のライバル、今日こそ決着つけてやるぜ!
☆幽霊の私。ひょんなことから出会った急須の付喪神と協力して、悪徳祓い屋に立ち向かう!
☆祓い屋コンビ、強大なあやかしを前に共同戦線。いつのまにやら恋が芽生えて……
自由にアクションをかけていただいて構いませんが、構図としては
「バディもの」「ライバルとバトル」などになることが多いと思います。
基本的には、「なんちゃって和風ファンタジー」くらいに思ってください。
歴史や史実については、少し調べて分かる程度なら扱えます。(そんなに詳しくないです)
特定のマスターさんが扱うキャラクターを除き、NPCを登場させることもできます。
Xイラストのキャラクターも描写可能です。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
またXキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
それでは、ご参加お待ちしています。