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【Pure Heart】
家で飲んでいたアイスティーの氷が、カラリと音を立てた。
稲積 柚春
は黙々と考える。小さな水色の花の見せた想いの形 について考える。
『今の稲積も――柚春が成長した結果であれば、特別なのは同じだよぉ。
だから、ゆっくり成長すればいいんじゃないかなぁ……あせらずに』
同時に、柚春の脳裏で再生される
ウォルター・B
の言葉が響く。少しあどけないようでいて、同時に辛辣故にその口からは嘘が生まれる事はない。
同じだと、ウォルターは言ってくれた。
だが、込められた想いを映すという花の幻影は柚春の期待とは異なっていた。
ゆっくり成長すればいい、とウォルターは言った。
それは――少なくとも、彼の隣に立ちたいという希望に『今は届いていない』ということ。
ゆっくりでいい、と言ってくれた。
ならば、柚春はどのような自分がなれば彼の隣に立ち得るかを考える。
例えば。どんな万人の助けにもなるような凄い力が無かったとしても、柚春が今よりも大人としての振る舞いを日常から身につければ、ウォルターを守ることが出来る。少なくとも困らせる事はなくなるだろう。
もし、可愛らしく微笑ましいヒロインのような魔法が使えなくとも、頑張れば笑顔もつなげて、ウォルターに微笑んでもらえることだって不可能ではないと思いたい――
「だから、僕は僕のままで大丈夫……だよね?」
自問自答した言葉が、切なく空気に溶けて消えた。代わりに押し寄せるのは不安と心配で溢れた感情の波。
「それとも……ワットは、僕に変わって欲しいと思ってるのかな」
呟けば、今度はその言葉は沈黙を交えて柚春の両肩に重くのしかかる。
あの瞬間。映し出された、幻の中にいた柚春。
(もしそれが、なれっこないような理想ならどうしよう……)
抱かざるを得なかった不安は、最後に鉛を抱くように柚春の心を苛んだ。
このままでは気分が重くて死んでしまいそうだ――その様な思いが明確になる前に、柚春は気分転換に外へ出て散歩することにした。
少し歩けば比較的広い公園がある。歩いて進むその先に――視界の遠く、小さなベンチに潜むような雰囲気を伴い、一人の見覚えのある存在が目に入った。
「あれ……ワット? こんにちは、ワット!」
柚春はその姿をみとめると、不安も一気に心から弾き飛ばして、ワット――ウォルターの元へと辿り着き挨拶をした。
「柚春。……これ以上は近づかないでくれ!」
それは普段聞くものとは、明らかに異なる鋭い口調。拒否を示す内容に、柚春は一瞬身をたじろがせてから、それでも尚ウォルターに向き直った。
ウォルターは日常の人格的には破綻気味だが、こういう時、こういう時だけは――理由がある。怯えては、ならない。
「……ワット。どうしたの? 何かあったなら話して――僕じゃ役に立たないかも知れない。いろんなものが、何もかも足りないかも知れないけど……少しでも、力になりたいんだ」
静かすぎるほど静かな様子で聞き手に回った柚春に、ウォルターはしばしの沈黙の後。訥々と、少しずつ事情を零し始めた。語るあいだに当人も状況を認識したのか、口調は気がつけばいつも通りに戻っている。
「ひとに触ったら花が咲く……それって、痛いの? 大丈夫だった?」
――曰く、今日の朝。
いつも自分の世話をしてくれる老メイドのメアリに、偶然ウォルターの手がぶつかってしまった瞬間、相手に花が咲くという不可思議な怪奇現象が起きたのだという。
ウォルター本人には、その様な能力は無い一般人だ。
認識として人が起こす事象ならば、それも寝子島ではもはや珍しくはないが、それを自分が起こすのは想像もつかなかったに違いない。
「ああ、花はすぐに落ちたし、メアリは何ともないと言っていたけれども」
――むしろメアリは『綺麗な白のダリアでございますね』と微笑んでいたけれども、とワットは告げる。
「ただねぇ……『自分が、身近な人に』となると、ただただ気持ちが悪いんだよねぇ」
その伝わる感情を柚春は、確かに感じ取った。
ああ、それはウォルターには数少ない、相手に何か影響を与えてしまったという『自己嫌悪』であると。
「ワット――花って色んな花言葉があるじゃない?」
ウォルターが、沈黙とともに柚春に先を促す。
「そうして咲かせた花は『ワットの言えない気持ちを反映している』のかもしれないし、もしかしたら『相手がワットに言えない気持ちを映している』のかもしれない――だから……そうやって無理矢理覗く物じゃないけど、言葉が難しいときは助けになると思うんだ」
「でもねぇ……」
それ以上に、ウォルターは答えない。
「ワットの力は悪い物じゃないよ。きっとね、素直になる切っ掛けをくれるんじゃないかな」
それは――大人として飲み込んでしまう言葉や、先生として遠慮される言葉を、知らないふりをしないために。
柚春は、それは伏せたまま、ひとつ心に決めたようにウォルターに問いかけた。
「ねぇワット、僕に触れてみてよ」
「柚春は、僕にあの光景をもう一度見ろと言うのかい!?」
「僕なら平気だよ! 何があっても僕ならへいき、メアリさんが笑っていたように――むしろ、メアリさんはその時の光景が素敵だと思ったから微笑んだんだと思うんだ。だから……僕もそれをみたいよ」
「………………」
それは、長い沈黙だった。
そう言われれば、敢えて否定の言葉を紡ぎ切ることは出来なかったのであろう。
ウォルターは、そっと柚春の左手の甲に指先を触れさせた。
ふわりと、花の香の代わりとばかりに、柚春の手を温かい感覚が包む。
それと同時に、柚春の手の甲からは柔らかな羽根が降り積もるような感覚と共に、湧き立つように六つの花弁を持つ、純白の花が咲き広がった。
花は、うっすらとした光と共にすぐに地面に落ちて消えていく。だが、
「オーニソガラム、かぁ……なるほど。当たり前だけれども――この能力は僕は苦手だよぉ」
華道部として花全般を連鎖的に調べ見る機会の多いウォルターが、何かを思い至ったかのように、僅かに苦笑し、少しだけ恥ずかしそうに自分の顔を押さえている。
柚春はその瞬間を、ただ目に焼き付くように映し込んだ――
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担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月04日
参加申し込みの期限
2024年05月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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