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ファンタスティカ☆チェンジャー!
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【透明だろうが拳は痛い】
朝の日差しが、まるで針が刺すように眩しく見えた。
瞼という概念も無く、気がつけば拓けていた
佐藤 瀬莉
の視界は何時も以上に鮮明で。驚きに持ち上げた手は――半透明で、あまりにも軽かった。
「――!? ……まさか。あたし、死んじゃった?」
半透明な腕には、同じくパジャマの袖が映っていた。
幼い頃の光景が既視感として蘇る。
それはずっと、病院内で同じ服しか着られなかった時代。生まれて直に、一年、一年生きれば三年、と告げられていく寿命の制限。
全身からザッと、流れていないはずの血の気が引いた気がした。物心がついてからの、その重み――両親の心労と、己の維持か治療かも分からない投薬や検査による疲弊――そして、友達など出来ようもない瀬莉と仲良くしてくれた男の子の死。その全てが氷よりも冷たい感覚として駆け上がる。
「あたし……」
それでも、寝子島に療養として移り住んでから、瀬莉の身体は確実に元気になっていった。
確実に、意識すれば認識出来るまでの活力と気力。腕を動かせば思い通りに動く自由な身体。寝子島に来てから、将来の夢も出来た。
本当に大切にしている時計を修理出来た時に心に宿った想いを元に、時計職人になる。その為にも十八歳になったらスイスの時計学校に入るのだ。
時計職人になるのは未来の絵地図。だが、確実に行動に移すと決意した未来図で――
「なのに……そうだったのに、本当に死んじゃった?」
ぶわりと、目から涙が零れそうになる。死んでしまったら、今までの苦労も、今までの悲しみも喜びも経験も努力も、全部全部無駄になってしまうではないか――
頬を伝い、零れそうになる涙。幽霊でも泣くのかな、と一瞬浮かんだ涙の落ちた先を見た時。
ベッドに自分の身体が『ない』事に気がついた。
「あ、あれ――?」
こういう時、大体魂の抜けた足元には遺体が転がっているのがセオリーではないのか。それ自体が無いということは。
「死んで、ない……?」
考えられる可能性は、『自分が身体ごとこうなってしまった』という事だ。幽霊に近いのかも知れない。
最近、あやかしというのがどうのうという噂も聞くし、この寝子島ではこのような事態は何らおかしな事ではない。
「………………」
じっと、心に耳を済ませるように意識を集中させる。すると、胸の内にあるこの現象に対する違和感が時計のように刻を削っているのが感じられる気がした。
直感が告げている。どうやら、これは一過性のものだ。それは間違いない。
「良かった。死んでなかった……じゃあ、自分は時間までこのままなのかな。どんな事が出来るんだろう?」
学校が休校日で、両親も仕事で外出。このタイミングは好都合だった。
瀬莉はまずはこの身体で、とんとドアに手をついた。すると、
「わっ」
するり、と指先から腕までが一気に貫通してしまう。
物には触れられそうにないが、身体が浮くことと、壁を自由にすり抜けられることは楽しそうだと思える。
ただ、予測はしていたが物は持てなかった。外出用に身につけるお気に入りの時計が持てないのにはショックを隠せない。
そして姿見に自分の姿を写せば、やはりそれは半透明で、きっと他人の目には存在を把握してもらえないであろう。
こうして、約1時間弱。瀬莉は己の身体で出来る事をひとしきり把握したのだが――把握してしまえば、出来る事があまりに少な過ぎて、飽きるまでの時間もあっという間だった。
「さて、どうしようかな……」
それから――試しに外に出ることにした瀬莉は、住居地である星ヶ丘から、ふわふわと漂いながらシーサイドタウンまで辿り着いていた。
少し奥まった所まで来てしまった上に、携帯を持ち出すことも出来なかったが、空を飛べる幽霊だと認識した時に、高く飛べば星ヶ丘の立地も確認出来ると分かったばかりだ。これならば、家に帰るにも困らないであろう。
今後の予定は未定――しかし、瀬莉がふわふわと銭湯『ねずの湯』に辿り着いた時。
一人の不穏な、否、あからさまに挙動不審な眼鏡の男性が、壁に向かって何かをブツブツと呟いている所に遭遇した。
見れば大学生のくらいの男性――知る寝子島高校生も多い元生徒会長である
海原 茂
――も、瀬莉の目には幽霊であるらしい事が窺えた。
逆に瀬莉でなければ、その姿を捉える事は出来なかったであろう。
これも何かの縁とばかりに、少し距離は離れているが、瀬莉が茂に声を掛けようとした矢先、
「いや、しかし……だが、これは女湯を覗けるという、一世一代のラッキーチャンス……」
何か――不穏な言葉が耳に届いた。
「まったく、これだから男って奴は……!」
幽霊故に移動に足音一つ立つこともなく、障害物も無いため遠回りすれば、鼻の下を迂闊にも伸ばしながら女湯に気を取られ続ける相手の背後を取ることも余裕。
そこに瀬莉は『女の敵に覗き見などさせるものか』という深い正義の心を背負って――
「のぞき見なんかさせないんだから! この変態どスケベ男ー!!」
そこに爆発せんばかりの気合を背負い、今まさに女湯を覗こうとしていた茂の顔面に、紅葉というより灼熱のコテに近い怒号を従えた平手を叩きつけた――!
「ぐはあっ!!」
茂の眼鏡にヒビが入るが、吹き飛ばないのが幽霊マジック。
「幽霊になったからって女風呂を堂々と覗き見するなー!! さっさと外へ出ろー!」
こうして。
今回あやかしの幽霊になった一人の少女のお陰により、犯罪に走りかけた同じ幽霊の青年は、見事その魂を正道へと戻す事に成功したのである。
だがしかし、むっつりな彼の性質上、それは一時かも知れないが――少なくともその瞬間、瀬莉は間違いなくねずの湯の正義を守ったのである――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月04日
参加申し込みの期限
2024年05月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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